今からおよそ100年前、楽士の奏でる音楽とともに独自の“しゃべり”で物語をつくりあげ、観客たちを映画の世界に誘い熱狂させる活動弁士、通称“活弁”(カツベン)が活躍していた時代を舞台に描く、成田凌主演、周防正行監督の5年ぶりとなる最新作『カツベン!』が、12月13日より公開される。このほど、新たなキャストが発表され、池松壮亮、成河(ソンハ)、酒井美紀、山本耕史が出演することが決定した。
本作は、今からおよそ100年前の映画(活動写真)がサイレントでモノクロだった時代を舞台に、活動弁士、通称“活弁”(カツベン)を夢見る青年が、とある小さな町の映画館に流れついたことからすべてが始まるノンストップエンターテインメント。七色の声を持つ天才的な活動弁士の主人公・俊太郎には、本年度アカデミー賞新人俳優賞を受賞した成田凌。“声”にまつわる壮絶なオーディションを勝ち抜き、映画初主演に挑戦する。ヒロイン・梅子には若手最注目の黒島結菜。さらに、永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹野内豊など周防組初参加の面々に加え、竹中直人、渡辺えり、小日向文世ら周防作品おなじみの実力派キャストたちが集結する。
新たなキャストとして、映画黎明期を支えた実在の映画監督、二川文太郎を演じるのは、池松壮亮。主人公・俊太郎が働くことになる町の映画館、靑木館の映写技師には、ミュージカル俳優として舞台に無くてはならない存在の成河。ヒロイン・梅子の母親を演じるのは、初の周防組となる酒井美紀。そして、日本映画の礎を築いた“映画の父”として知られる牧野省三を、『それでもボクはやってない』以来、12年ぶりの周防組参加となる山本耕史が演じる。
▼キャスト コメント
■池松壮亮(二川文太郎役)
活動弁士が題材の映画と聞き、とても面白いなと思いました。日本にしか無かった文化だと知り更に興味を覚えました。実在の人物の役ですが、映画を純粋に繋いでくれた先人達には無条件の尊敬があります。周防監督のもと、職人気質なスタッフに囲まれて、ほんの数日間でしたが良い時間を過ごす事が出来ました。
■成河(靑木館の映写技師役)
大正時代の映写技師は、器具を使わずハサミと薬品だけでフィルムを手繋ぎして編集するので、その技を会得するのがとにかく大変でした。当時使われていた貴重な映写機を実際に使わせて頂けたことも大切な思い出です。
■酒井美紀(梅子の母親役)
いつか周防監督とご一緒したいと思っておりました。撮影の日は、うれしさと緊張の感情のうねりが交互にやってきていましたが、周防監督の持つ穏やかな雰囲気に包まれ、カツベンの一部になれるよう気を引き締めて撮影に挑みました。とても楽しい時間でした。
■山本耕史(牧野省三役)
『それでもボクはやってない』以来の周防組でしたが、監督の現場は相変わらず穏やかで、ひとりの役者として撮影に参加しているのがとても楽しい現場でした。日本映画の父と呼ばれる牧野省三役を演じさせていただきましたが、当時の映画人が持っていた勢いをみなさんに感じていただければと思います。
『カツベン!』
12月13日(金)より全国ロードショー
監督・脚本:周防正行
出演:成田凌 黒島結菜 永瀬正敏 高良健吾 井上真央 音尾琢真 竹野内豊 竹中直人 渡辺えり 小日向文世 池松壮亮 成河 酒井美紀 山本耕史
配給:東映