さまざまな形でエンターテインメントを発信してきたGYAOとアミューズが、今後の次世代を担う新たな才能の発掘を目指し、オリジナル映画の企画、出演者、ミュージシャンをオーディションで選出しながら作品を完成させるという挑戦的な取り組み「NEW CINEMA PROJECT」。本プロジェクトにて、約400本の応募の中から第1回グランプリを受賞した、蛭田直美脚本、文晟豪(ムン・ソンホ)監督のコンビによる『五億円のじんせい』が7月20日に公開初日を迎え、同日に渋⾕ユーロスペースにて行われた初⽇舞台挨拶に望⽉歩、⼭⽥杏奈、文晟豪(ムン・ソンホ)監督が登壇した。
公開初日の初回を迎え、満席の会場に登場した3人。望月が「どうですか?面白かったですか?」と観客に問いかけると会場からは拍手が。「ありがとうございます。これがやりたかった(笑)。今日は精一杯頑張ろうと思います。楽しんでいってください」と挨拶すると、山田は「一人二役でやらせていただきました。一年前に撮影をして、今皆さんの前に届いていてとても嬉しく思います。よろしくお願い致します」と、文監督は「今日は早い時間からありがとうございます。宜しくお願い致します」と続いた。
GYAOとアミューズがオーディションによりオリジナル映画を作るプロジェクト「NEW CINEMA PROJECT」。約 400本の中から見事グランプリを受賞した本作を振り返って心境を聞かれると、監督は「商業映画の長編は初だけど、商業映画が出来ますようにとミサンガに願掛けしたのですが、まだ切れてないんですよ!」と足につけられているミサンガを見せて笑いを誘った。「実際に撮影を経て、無事に完成してとても嬉しいです。一緒に完成まで漕ぎ着けたスタッフ、上映してくれるユーロスペースに感謝」と述べた。今作が初主演の望月はこれまでと違ったことや現場で努力したことを聞かれると、「作品に対しての気持ちは他の作品も変わらないけど、僕が今まで共演してきて、主役をされてきた人の佇まいを真似していこうと思っていました。『埋もれる』の桐谷健太さんや、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』の菅田将暉さんとか。このお二人は現場ですごくわくわくされていて、だから今回は僕が一番この現場でわくわくしないとなと思って臨みました」と気合いを見せた。
今作は、先日行われたNYアジアン映画祭でスペシャル・メンションを受賞。ちょうど山田の主演作『ミスミソウ』も同じ賞を受賞していたことで、山田は「同じ賞です。嬉しいです」と笑顔を見せる。NYでの観客の反応を見て監督は「特殊な場面で笑うんだな〜と思いました。静かに観てほしいところでもハッハッハッて笑っていてびっくりしました。海外では、映画が良くないとお客さんはすぐ帰ってしまうのですが、お客さんが帰ってなかったので、良かったのかな」と喜びを見せた。
一人二役という難しい役柄を演じきった山田は、「初めて一人二役をやらせていただいて、最初は二役分大変かなと思ったのですが、楽しさが勝って二倍やれて得しました。二人とも魅力的な子なので、二人を違う方法で表現するのは楽しかった。二人が見た目がガラッと変わるわけではないので、観た人はどう思うかなと不安はありました」と一人二役の難しさを語った。
今回、望月と山田の共演シーンは短く、現場でどうコミュニケーションをとっていたか聞かれると、望月は「お互い人見知りだな〜と感じつつ、共通の友達の話題とかを必死に探して話しかけました。さっき楽屋でも三往復くらいで終わって僕が立ち去っちゃったので、今喋れてうれしい」と照れ、MCから「でも目は合ってないですもんね」と突っ込まれ、「恥ずかしい!」と照れを見せると、場内も笑いに包まれた。
最後に、監督が「望月さんが出演できて良かったなと思ってくれるような作品になっていると思うので、皆にもそう思ってほしい」と、山田が「初めて脚本を読んだ時に、本当に素敵な脚本で、皆の思いが詰まっていると感じました。皆さんと、大事に大事に作った作品です。今日観て、届いたなと思った方は周りの皆さんにも薦めてほしいです」と、望月が「前から主役という場に立ちたくて頑張ってきました。この日を迎えられたことが本当に嬉しいです。今日ご覧いただいた皆さんの顔を見て、良い反応をいただけていると思っているので、色んなところで広めてもらいたいです。僕自身、とても勇気をもらえる映画だと思っています。観ていただいた人の言葉が真実ですので、その言葉を広げてもらえると嬉しいです」と挨拶し、大盛況のなか初日舞台挨拶は幕を閉じた。
『五億円のじんせい』
7月20日(土)よりユーロスペース他にて全国順次公開中
監督:文晟豪(ムン・ソンホ)
脚本:蛭田直美
主題歌:ZAO「みらい」
出演:望月歩 山田杏奈 森岡龍 松尾諭 芦那すみれ 吉岡睦雄 兵頭功海 小林ひかり 水澤紳吾 諏訪太朗 江本純子 坂口涼太郎 平田満 西田尚美
配給:NEW CINEMA PROJECT
【ストーリー】 幼い頃、善意の募金5億円により心臓手術に成功し、命を救われた少年・高月望来(望月歩)。健康に成長し17歳になった望来は、5億円にふさわしい自分であろうとして周囲からの期待を引き受け、マスコミに晒される窮屈な青春を送っていた。ある日、とある出来事をきっかけにSNSで自殺を宣言したところ、見知らぬアカウントから「死ぬなら5億円返してから死ね」というメッセージが届く。夏休み、望来は家を飛び出し、5億円の“借金”を返して自由になるための旅に出る。そして、様々な人と出会い、事件に巻き込まれながら、思わぬ発見が彼を待っていた。
©2019 『五億円のじんせい』NEW CINEMA PROJECT