累計発行部数300万部を記録した押見修造の人気コミックを、メインキャストに伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨、飯豊まりえを迎えて実写映画化する『惡の華』が、9月27日より公開される。このほど、本作の主題歌がリーガルリリーによる書き下ろし楽曲「ハナヒカリ」に決定したことが発表された。
山々に囲まれ閉塞感に満ちた地方都市。中学2年の春日高男は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい毎日をなんとかやり過ごしていた。ある放課後、春日は教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子の体操着を見つけ、衝動のままに持ち出してしまう。その一部始終を目撃したクラスの問題児・仲村佐和は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある“契約”を持ちかける。こうして仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まる。仲村に支配された春日は、仲村からの変態的な要求に翻弄されるうちに、アイデンティティが崩壊し、絶望を知る。そして、「惡の華」への憧れと同じような魅力を仲村にも感じ始めた頃、二人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう。
原作者・押見修造の大ファンで、原作コミックを読んでいたというリーガルリリーのVo&Gtのたかはしほのかは、コミックを初めて読んだ時の衝撃を大事にしつつ本作の主題歌を制作した。
プロデューサーを務める涌田秀幸は、リーガルリリーへのオファー理由を「映画を製作していく上で原作漫画にはない“音”を付けていくという作業は、実はとても慎重に取り組んだ事の一つでした。舞台化やアニメ化はしているものの、原作の世界観を大事にしたい。そこで偶然出会ったのがリーガルリリーさんの『overture』という曲に出てくる、『君は景色を殺せるのだよ』という歌詞、そして更に決め手となったのは『リッケンバッカー』という曲の『おんがくも人をころす』という強烈なワードでした。彼女達の音楽を聴いた時、何故か春日と仲村二人の姿が浮かんできました。春日と仲村達に年齢が近く、その年代にしか書けない“哲学”を見事に表現していたのがリーガルリリーさんだったのです。音楽、歌詞、そして歌声、どれもが惡の華の主題歌をお願いする上で、これ以上ない理想的なものを持っていたのです」と語り、主題歌「ハナヒカリ」について「初めて曲を聞いた時、本当に涙が止まりませんでした。儚さと強さの共存、そして『周りに照らされた君が一番、綺麗だった』という歌詞を聞いた時、そこには満月を背景に佇む仲村さんがいて、春日が泣いている表情が見えました。まさしく二人の関係性そのものを描いている曲で、感無量以外の言葉がありませんでした。10代そして20代の思春期に間違いなく届く、と確信したのを覚えています」と自信をのぞかせた。
併せて、本作の挿入歌として、1stミニアルバム「the Post」収録の再録版となる「魔女」が使用されていることが発表された。「魔女」はたかはしほのかが「惡の華」を読んでいた高校時代に制作した楽曲であり、本楽曲もとても縁深いものとなった。映画公開週の9月25日に、「ハナヒカリ」と「魔女」を収録した1st Single「ハナヒカリ」がリリースされる。映画タイアップは、リーガルリリーにとって初となる。
■たかはしほのか(リーガルリリー Vo&Gt) コメント
「惡の華」は、高校生の時に何度も読み返した漫画の一つで、当時の、自分が宝物にしていた記憶が映画の中でも感じられました。役者さんも、まるで漫画の中の行間も表現するように、自然な雰囲気をまとっていました。とても素晴らしい作品でした。挿入歌「魔女」は、高校生の頃、「惡の華」をよく手にとっていた頃に作りました。私の内なる爆発物は、音楽にすることによって、叫んでもだれにも怒られません。映画チームの方がこの曲を気に入ってくれて、この話をいただいたので、とても嬉しかったです。偶然は素敵なものです。作品と、監督、役者、この曲の全ての爆発が交わるシーンは、とても素敵なものでした。主題歌には「ハナヒカリ」という曲を書き下ろしました。高校生から4年ほど経ちましたが、爆発は、形を変えて、音にすると、かなしみといらだちを行ったり来たりするだけになりました。なぜ、そこで爆発できないのかというと、もうだれも守ってくれないからです。次は自分が誰かを守るようになるのです。そういうことを思って書きました。
『惡の華』
9月27日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:井口昇
原作:押見修造「惡の華」(講談社「別冊少年マガジン」所載)
脚本:岡田麿里
主題歌:リーガルリリー「ハナヒカリ」(Office Augusta / Bandwagon)
出演:伊藤健太郎 玉城ティナ 秋田汐梨 飯豊まりえ 北川美穂 佐久本宝 田中偉登 松本若菜 黒沢あすか 高橋和也 佐々木すみ江 坂井真紀 鶴見辰吾
配給:ファントム・フィルム
【ストーリ―】 山々に囲まれた閉塞感に満ちた地方都市。中学2年の春日高男(伊藤健太郎)は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい毎日をなんとかやり過ごしていた。ある放課後、春日は教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子(秋田汐梨)の体操着を見つける。衝動のままに春日は体操着を掴み、その場から逃げ出してしまう。その一部始終を目撃したクラスの問題児・仲村佐和(玉城ティナ)は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある“契約”を持ちかける。こうして仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まった…。仲村に支配された春日は、仲村からの変態的な要求に翻弄されるうちに、アイデンティティが崩壊し、絶望を知る。そして、「惡の華」への憧れと同じような魅力を仲村にも感じ始めた頃、二人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう…。
©押見修造/講談社 ©2019 映画『惡の華』製作委員会