松坂桃李、共演者と会話せずとも「居心地の良い雰囲気を持っている方」『新聞記者』公開記念舞台挨拶レポート

望月衣塑子(東京新聞記者)のベストセラー「新聞記者」を原案に、政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、理想に燃え公務員の道を選んだある若手エリート官僚との対峙・葛藤を描いた、松坂桃李とシム・ウンギョンのダブル主演で贈る映画『新聞記者』が、6月28日より公開初日を迎え、翌日29日、新宿ピカデリーで行われた公開記念舞台挨拶に、キャストのシム・ウンギョン、松坂桃李、本田翼、岡山天音、高橋和也、北村有起哉、藤井道人監督が登壇した。

【本イベントの模様の全文掲載はコチラ】

東都新聞記者・吉岡役を演じるシム。日本での初主演映画の公開を迎えて「実感がないですね。今、劇場で立っていることが不思議です」と緊張した面持ちで語った。内閣情報調査室の官僚・杉原役を演じる松坂は、完成披露舞台挨拶で「この作品がどういう作品か、自分の中でまだ見つかっていない」と述べていたが、映画の公開を迎えても「まだ、しっくりくる言葉がない。最終的に思ったのは、皆さんの感想がこの映画のすべて」だと、映画を観終わったばかりの観客に思いを託した。

昨日、映画の公式HPにアクセスが集中してサーバーがダウンしたようで、「皆さんの感想がすごく多くて。それぐらい熱量のある作品」だと改めて実感したという松坂。これについて初めて聞いたというシムも、「(劇場の客席も)満席で、正直驚いたんですけど、サイトまでパンクするなんて、すごいですね…。ありがとうございます(笑)」と驚いた様子で感謝を述べた。

杉原の妻、奈津美を演じる本田は、今回が松坂と初共演だったそうで、「静かな方です。とても落ち着いていて、一緒にいる時間が長かったんですけど、しゃべらなくて平気で居心地の良い雰囲気を持っている方」と松坂の印象を振り返る。これに同調したシムが「あまりしゃべらなくて平気で、すごく良い俳優さんだと思っています」と松坂に敬意を表すと、松坂は「あまりしゃべりません…(笑)。すいません。本当に(笑)」と照れ笑いを浮かべた。

本作のタイトルにちなみ、もし自分が新聞記者だったら、どんな見出しで記事を書きたいかという質問が。シムが「お祝い、公開、『新聞記者』」とフリップに書き「素晴らし俳優の皆さんと共演できて、たくさんの刺激を受けました。計り知れません!」と力強く答えたのに対して、「この後、すごく出しにくいんですけど…」と苦笑いの松坂は「テレビが…」と書かれたフリップを提示。「こんな素敵なコメントの後に…」とバツが悪そうな表情を浮かべつつ、「先日、テレビがうんともすんともいわなくなって。リモコンの電池をクルクルしてもつかないし、主電源もつかない。テレビがつかない生活をしていて、困っている」ことを明かして会場を笑わせていた。

【本イベントの模様の全文掲載はコチラ】

【フォトギャラリーはコチラ】

『新聞記者』
6月28日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国ロードショー
監督:藤井道人
企画・製作:河村光庸
主題歌:OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND「Where have you gone」
出演:シム・ウンギョン 松坂桃李 本田翼 岡山天音 郭智博 長田成哉 宮野陽名 高橋努 西田尚美 高橋和也 北村有起哉 田中哲司
配給:スターサンズ イオンエンターテイメント

【ストーリー】 東都新聞記者・吉岡(シム・ウンギョン)のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある強い思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原(松坂桃李)は葛藤していた。「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。愛する妻の出産が迫ったある日彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎(高橋和也)と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。真実に迫ろうともがく若き新聞記者。「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる。

©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ