妻夫木聡&豊川悦司、ロケ地・台湾で「二日に一回は一緒にゴハン」『パラダイス・ネクスト』ジャパンプレミア レポート

妻夫木聡と豊川悦司がダブル主演を務め、全編台湾ロケでの撮影に挑んだ映画『パラダイス・ネクスト』が7月27日より公開される。このほど、6月26日にスペースFS汐留にて、本作のジャパンプレミアイベントが開催され、妻夫木聡、豊川悦司、半野喜弘監督が登壇した。

台北を舞台に、訳ありの男二人がシャオエンと名乗る女性との運命的な出会いを通して、楽園を探す逃避行に身をゆだねていく本作。お調子者で馴れ馴れしい男・牧野役の妻夫木は企画立案にも関与しており、「半野監督ともいっぱいお酒を呑みながら脚本の話をしたり、お金が集まらないという話をしたり。でも台湾に話を持っていたったらトントン拍子に話が進んで、まさに夢みたいだった」と作品お披露目に感慨もひとしお。妻夫木に「豊川さんが出演OKをしてくださったのが一番嬉しかった。お兄ちゃんのように甘えさせてくれる存在」と言われた豊川は、「台湾で撮ること、ブッキーが音頭をとっていること。やりたいなと。ただお話をいただいてから3年くらいあって。そういう意味でも難産の末の子供です」と心境を明かした。

ロケ地台湾では撮影以外でも行動を共にし「二日に一回は一緒にゴハン」と妻夫木が振り返ると、豊川も「ほぼ毎日会っていたよね。とりあえず夕方5時にフロント集合みたいな。ただ行く店といっても3軒くらいしかなくて」と回想。現地の大衆食堂に通い詰めていたそうで、妻夫木が「最初はそっけなかった店のおばちゃんが僕らのことを知り出して、サービスしてくれた」と口にすると、豊川も「どんどんサービスしてきて、食べきれないくらいだった」と懐かしそうに笑顔を浮かべた。

台湾ロケについて半野監督は「すべてのロケが素晴らしかった。ラストの海の景色は撮影しづらい場所だったので、スタッフから反対意見も出たけれど、結果的に選んで良かったと思う」と納得の表情。豊川はそのシーンに触れて「ブッキーが命がけで演じたラスト。台風の後の海で波が凄かった。ボートを出すのも危険だった」と紹介すると、妻夫木は「沖に出るのにヘルメットをかぶったのは初めて。撮影後に自分の乗っていたボートが波に飲み込まれて無くなるくらい凄い波だった」と命がけだったことを明かし会場を驚かせた。

最後に、半野監督は「この映画が今の時代に完成して観てもらえること自体が奇跡。自由な気持ちで観てほしい」とアピールし、豊川も「個性的な映画ですが、思い入れのある作品になりました」とシミジミ。妻夫木は「日本公開は何よりも嬉しいこと。台湾の街の風景が映画の力になり、役を通して人間のちっぽけさを痛感し、生きることの意味を考えさせられた。これから映画をご覧になる皆さんが何かを感じてくれたら嬉しいです」と日本公開後の反応を期待していた。

『パラダイス・ネクスト』
7月27日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
監督・脚本・音楽:半野喜弘
音楽:坂本龍一
出演:妻夫木聡 豊川悦司 ニッキー・シエ カイザー・チュアン マイケル・ホァン 大鷹明良
配給:ハーク

【ストーリー】 世間から身を隠すように台北で生きる男・島(豊川悦司)の前に、突然お調子者で馴れ馴れしい男・牧野(妻夫木聡)が現れる。牧野は初めて会う島の名前を知っており、島が台湾にやって来るきっかけになった“ある事件”のことを知っていると言う。その牧野が何者かに命を狙われていることを知った島は、追手から逃れるため牧野を連れて台北から花蓮へ向かう。花蓮に辿り着いた二人の前に、シャオエン(ニッキー・シエ)という女性が現れる。この運命の出会いによって、牧野と島の閉ざされた過去が明らかになり、二人の逃避行は楽園を探す旅に変わっていく…。

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