1988年には宮沢りえ主演で実写映画化もされた、宗田理によるベストセラー小説「ぼくらの七日間戦争」を原作としたアニメ映画『ぼくらの7日間戦争』が、12月より公開されることが決定した。併せて、特報映像とポスタービジュアルがお披露目となった。
30年以上にわたって多くの読者をとりこにしてきた累計発行部数2,000万部を超える「ぼくら」シリーズの第1作「ぼくらの七日間戦争」。宮沢りえ主演で実写映画化された『ぼくらの七日間戦争』で、親や教師からの管理教育に反抗し、廃工場に立てこもって大人たちをやっつけた少年少女たちの“七日間戦争”から30年ほどの時が流れた2020年を舞台に、原作のスピリットを受け継いだ新たなストーリーがアニメーション映像によって展開される。
過去に映画脚本を手掛けたことがある原作者の宗田は、アニメ映画化に対して「わくわくする」と期待を寄せ、脚本に太鼓判を押した。その新ストーリーの象徴として、タイトルは漢数字の「七」ではなく、アラビア数字の「7」で『ぼくらの7日間戦争』とし、劇場公開する。
アニメ映画化の企画は、1988年の実写映画公開から30年を迎え、「ぼくら」シリーズの累計発行部数が2,000万部を超えたことをきっかけにスタート。小説の刊行当時は、学生運動をした世代の管理教育といった社会背景が下地にあったことで中高生を中心に人気を呼んで大ベストセラーとなり、1988年に公開された実写映画は、宮沢りえの女優デビューにして初主演作として注目を集め、戦車や廃工場でのアクションといった大胆な演出が反響を呼んだ。また映画の主題歌となったTM NETWORKが歌う「SEVEN DAYS WAR」もファンの記憶に強く残った。その後も30年にわたって40作を超える続編が発表され、「ぼくら」シリーズの世界では、主人公の菊地英治や中山ひとみは中学生から高校生、大学生、そして大人へと成長していく姿が描かれている。
91歳となった今なお現役でシリーズの新作を書き続けている原作者の宗田に、「ぼくら」の世界で現代の少年少女たちが戦う“7日間戦争”をアニメーションで表現したいと提案したところ、シリーズのテーマである「大人への挑戦」と「ユーモラスな戦い」を描くことを条件に再映画化を快諾。監督は、アニメ「ブレイブビーツ」で監督デビューし、「ドリフェス!」などの話題作を手がけてきた村野佑太。脚本は、映画『ブレイブストーリー』やNETFLIXオリジナルシリーズ「DEVILMAN crybaby」など、数々のアニメ大作を執筆してきた大河内一楼が担当する。
スタッフ コメント
■宗田理(原作)
子どもたちが常に抱いているいたずら心や冒険心、悪い大人への挑戦を子どもの視点から描こうと思ったのがきっかけでこの物語は生まれました。今もこのテーマを変えることなく、シリーズの新作を書き続けていますが、これが子どもの本心をついているから、いつになっても子どもたちの心をとらえて読み続けられているのではないかと思います。これは作者にとってこの上ない喜びです。今回、この作品が新しいストーリーのアニメ映画になります。アニメ映画には小説とは違う感動と面白さがあります。あの物語がどんなふうに表現され、みなさんをとりこにするのだろう。それを想像すると、原作者としてもわくわくしてきます。小説とは違う感動をぜひ劇場で体験してください。
■村野佑太監督
解放区より愛をこめて―原作を読んで胸が一番高鳴った場面です。今の子どもたちが必要としている解放区とはなんだろうか。原作の発表された時代ほど大人は物分かりの悪い人間ばかりではないし、生まれた時から当たり前にあるネット環境は大人に内緒で冒険することを容易くさせました。しかしどうやら、自分たちの自由な居場所を獲得しやすくなったと同時に、その居場所を守る為にはまた別の不自由さが生まれているみたいです。今の子どもたちが巻き起こす、新しい7日間の冒険。原作と、そしてかつての映画に精一杯の敬意を持って、新しい「ぼくら」の7日間戦争を紡いでいけたらと思います。
『ぼくらの7日間戦争』
監督:村野佑太
原作:宗田理「ぼくらの七日間戦争」(角川つばさ文庫・角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:大河内一楼
キャラクター原案:けーしん
キャラクターデザイン:清水洋
配給:ギャガ KADOKAWA
©2019 宗田理・KADOKAWA/ぼくらの 7 日間戦争製作委員会