前田敦子、ウズベキスタンでおじさまから求婚「結婚してほしいって」『旅のおわり世界のはじまり』完成披露試写会レポート

日本・ウズベキスタン国交樹立25周年、ナボイ劇場完成70周年記念の国際共同製作企画となる黒沢清監督作で、前田敦子が主演を務める『旅のおわり世界のはじまり』が6月14日より公開される。このほど、6月3日にスペースFS汐留にて完成披露試写会が行われ、前田敦子、柄本時生、加瀬亮、黒沢清監督が登壇した。

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本作は、日本のテレビバラエティ番組のクルーと共に取材のためにウズベキスタンを訪れた女性レポーター・葉子が、現地のコーディネーターや異文化の人々との交流によって新しい世界を開き、成長していく姿を描く。黒沢監督がオリジナル脚本を手掛け、シルクロードの中心ウズベキスタンで、1ヶ月にわたり全編オールロケ撮影を敢行した。

主人公の葉子を演じた前田は、オファー時に監督から「アカペラで『愛の讃歌』を歌ってください」と言われて尻込みしたようだが、「監督が歌ってくれと言うなら仕方ない」と思い直し、ボイトレで猛特訓したという。「それも全て贅沢な時間だった」と晴れやかな表情で語った。

葉子と行動を共にする番組クルーのスタッフ役の加瀬。黒沢作品には何度も出演していたようだが、「今までご一緒させていただいた役は、変な役ばっかりだった」と苦笑い。脚本を読んで「監督が書いた本ではないのかと思うぐらい、いつもと違っていて、自分の役も初めて真っ当な人で。かなり今までの監督の作品とは違う印象を受けた」という。

同じくスタッフ役の柄本は、家族全員が黒沢ファンだという。黒沢組も初参加ということで、「今年一年仕事チャラだなと。黒沢組をやれるなら、この後どんな仕事が来てもやれる」と思ったという。初めは兄の柄本佑に報告したそうで「台本を兄ちゃんの前にポンっと置いて。兄ちゃんが見て、『え? 黒沢監督?』みたいな(笑)」やり取りがあったことを伝えた。

標高2443メートルの山頂で歌ったという前田は「空気って大事なんだ」と山頂の空気の薄さに驚いたという。また、「加瀬さんが撮影を見に来てくれたんですけど、それがプレッシャーでしかなくて、『なんでこの人、来るんだよ!』って言えないじゃないですか!? ずっと無視してたんすけど…なんで見てるんだろうって(笑)」と思わぬ観客に困っていたことを明かすと、加瀬は「単純に歌を聞いてみたいなと思って(笑)」とのん気に笑いつつ、「本当にすいませんでした(笑)」と謝っていた。

さらに現地で求婚されたという前田。「ご飯会の時にトイレに行ったら、おじさまになんか言われた」そうで、意味もわからず言葉の分かる人を呼んだら「結婚してほしいって言ってるよって(笑)。でも、ちょっと酔っ払ってました」と話し、観客を驚かせていた。

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『旅のおわり世界のはじまり』
6月14日(金)テアトル新宿、渋谷ユーロスペースほか全国公開
監督・脚本:黒沢清
出演:前田敦子 染谷将太 柄本時生 アジズ・ラジャボフ 加瀬亮
配給:東京テアトル

【ストーリー】 テレビ番組のリポーターを務める葉子(前田敦子)は巨大な湖に棲む“幻の怪魚”を探すため、番組クルーと共に、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。夢は、歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事をこなしている。収録を重ねるが、約束どおりにはいかない異国でのロケで、いらだちを募らせるスタッフ。ある日の撮影が終わり、ひとり街に出た彼女は、聞こえてきた微かな歌声に誘われ美しい装飾の施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする──。彼女が、旅の果てで出会ったものとは…?

(C)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO