グリーンランドを舞台に青年教師が成長する姿を描くフランス映画『北の果ての小さな村で』7月公開!

北極に位置する世界一大きな島、グリーンランドを舞台にしたフランス映画『Une année polaire』(原題/英題:A POLAR YEAR)が、邦題『北の果ての小さな村で』として、7月より公開されることが決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、北極に位置するグリーンランドを舞台に、人口80人の村の小学校に赴任したデンマーク人の新人教師アンダースが、村の人々や子供たちとの交流を通して、異境の地で生きる術を学んで成長していく姿を描き、2018年のサンダンス映画祭に出品された。監督は、初短編作『Du soleil en hiver』(2005)で第58回カンヌ国際映画祭SACD賞を受賞し、その後、初の長編作『L’apprenti』(2008)で第65回ベネチア国際映画祭国際批評家週間作品賞を受賞したフランスの俊英サミュエル・コラルデが務める。

日本の約6倍の面積をもつグリーンランドは、東京ドームの収容人数とほぼ同じ約56,000人が暮らし、大地の80%以上が氷に覆われた世界一大きな島。2015年にはじめてグリーンランドを訪れたコラルデ監督は、雪に覆われた遠く離れたこの世界に魅了され、映画の撮影を決意。グリーンランド東部のチニツキラーク村にたどり着き、“狩る、食べる、学ぶ、楽しむ”などすべてがシンプルで、それでいて心豊かに暮らす村人たちと出会い、この村を舞台にすることに決定した。撮影前に、数ヶ月にわたり3回チニツキラークに滞在したコラルデ監督は、村の人々の生活リズムのなかで共に暮らし、徐々に村人たちから受け入れられるように。そんな中、デンマークから新人教師が赴任するという話を聞き、その青年を物語の中心に据えることに決め、1年の撮影期間を要して本作を完成させた。

主人公アンダースをはじめ、村の子供たちや猟師などの登場人物は、すべて本人自身が演じ、ドキュメンタリーとフィクション、それぞれのショットを織り交ぜながら独特のリアリティがあるドラマを生み出した。また、200年以上の植民地時代を経て内政自治権を獲得し、その後も独立をめざして自立性を高めるグリーンランドと旧宗主国デンマークの関係性は、その地に暮らす人々が演じているからこそ、よりリアルに感じられ、本作の重要な側面として描かれている。さらに、一面の氷の大地や雄大なフィヨルド、オーロラなどの美しい手つかずの大自然、シロクマ親子やクジラの群れなどの野生動物は、撮影監督としても活躍するコラルデ監督自らの手腕によるものであり、その圧倒的な景色も大きな見どころとなっている。

予告編は、グリーンランドの小さな村にやってきた主人公アンダースが、徐々に村の暮らしの中で自分の生き方を見つけ出していく様子が映し出されており、犬ぞりの躍動感やオーロラの美しさが印象に残る映像となっている。ナレーションは、俳優の三上博史が担当している。

『北の果ての小さな村で』
7月より、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
監督・撮影・脚本:サミュエル・コラルデ
脚本:カトリーヌ・パイエ
音楽:エルワン・シャンドン
出演:アンダース・ヴィーデゴー アサー・ボアセン チニツキラーク村の人々
配給:ザジフィルムズ

【ストーリー】 北極に位置するグリーンランド東部の、人口わずか80人の小さな村チニツキラークに、デンマークから28歳の青年教師アンダース(アンダース・ヴィーデゴー)が、子どもたちにデンマーク語を教えるために赴任した。家業の農場を継ぐか否か、迷った末の“自分探し”の選択だったが、そんな甘い考えはすぐに打ち砕かれる。言語、習慣の違いで授業はままならず、考え方の違いから村人からは孤立気味。そして想像以上に過酷な自然…。そんな時、狩猟のために学校を休んだ児童の一人アサー(アサー・ボアセン)の家を、叱責するつもりで訪ねたアンダースは、少年の祖父母から様々なことを教えられることになる。それはこの地で暮らす者に必要な生活の知恵だけでなく、しなやかに強く生きていくための哲学でもあった…。

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