香取慎吾 × 白石和彌監督 映画『凪待ち』香取演じる主人公の悲しみと狂気が交錯する予告編

香取慎吾が、白石和彌監督と初タッグを組み、人生につまずき落ちぶれた男の喪失と再生を描く映画『凪待ち』が、6月より公開される。このほど、予告編がお披露目となった。

本作は、人生どん底まで墜ちきった男のバイオレンスと狂気、怒りと裏切り、不条理と悲劇、そして映画史上最も切ない暴力を描いた衝撃のヒューマンサスペンス。毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男は、パートナーの女性とその娘・美波と共に彼女の故郷、岩手県石巻市で再出発しようとするが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう。

主演は、『クソ野郎と美しき世界』、『人類資金』などエンターテイメントから人間ドラマまで幅広い役柄をこなすだけでなく、オリジナリティ溢れるアートでも才能を発揮しつづける香取慎吾。郁男の恋人の娘・美波役には、『くちびるに歌を』、『散歩する侵略者』の恒松祐里。さらに、郁男の恋人・亜弓役に西田尚美、亜弓の父・勝美役に、白石監督が若松孝二監督の助監督時代のスターとして見てきた吉澤健、亜弓の元男・村上役に、白石組の名バイプレイヤー、音尾琢真。そして、郁男を気にかける製氷工場の社員・小野寺役をリリー・フランキーが演じる。

監督は、『孤狼の血』、『彼女がその名を知らない鳥たち』、『麻雀放浪記2020』など、今、日本映画界で最も勢いのある白石和彌。脚本は、白石監督とはNetflixオリジナルドラマ「火花」でも組んだ、『クライマーズ・ハイ』、『ふしぎな岬の物語』の加藤正人が担当する。

予告編は、香取演じる主人公・郁男の“悲しみ”と“狂気”が交錯する場面が目を惹くほか、白石監督が以前から注目していたという美波役の恒松祐里、香取が「現場に西田さんがいるととても安心した」と語る亜弓役の西田尚美、さらに、香取が現場で思わず高揚する気持ちを押し殺したという小野寺役のリリー・フランキーのリアリティある演技に息をのむ映像となっている。

『凪待ち』
6月 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:白石和彌
脚本:加藤正人
出演:香取慎吾 恒松祐里 西田尚美 吉澤健 音尾琢真 リリー・フランキー
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 毎日をふらふらと無為に過ごしていた木野本郁男(香取慎吾)は、ギャンブルから足を洗い、恋人・亜弓(西田尚美)の故郷・石巻に戻る決心をした。そこには、末期がんであるにも関わらず、石巻で漁師を続ける亜弓の父・勝美がいた。亜弓の娘・美波(恒松祐里)は、母の発案で引っ越しを余儀なくされ不服を抱いている。美波を助手席に乗せ、高速道路を走る郁男に美波の声が響く。「結婚しようって言えばいいじゃん」半ばあきらめたように応える郁男。「言えないよ。仕事もしないで毎日ぶらぶらしてるだけのろくでなしだし…」実家では、近隣に住む小野寺(リリー・フランキー)が勝美の世話を焼いていた。人なつっこい小野寺は、郁男を飲み屋へ連れていく。そこで、ひどく酒に酔った村上(音尾琢真)という中学教師と出会う。村上は、亜弓の元夫で、美波の父だった。新しい暮らしが始まり、亜弓は美容院を開業し、郁男は印刷会社で働きだす。そんな折、郁男は、会社の同僚らの誘いで競輪のアドバイスをすることに。賭けてはいないもののノミ屋でのレースに興奮する郁男。ある日、美波は亜弓と衝突し家を飛び出す。その夜、戻らない美波を心配しパニックになる亜弓。落ち着かせようとする郁男を亜弓は激しく非難する。「自分の子供じゃないから、そんな暢気なことが言えるのよ!」激しく捲くし立てる亜弓を車から降ろし、ひとりで探すよう突き放す郁男。だが、その夜遅く、亜弓は遺体となって戻ってきた。郁男と別れたあと、防波堤の工事現場で何者かに殺害されたのだった。突然の死に、愕然とする郁男と美波。「籍が入ってねえがら、一緒に暮らすごどはできねえ」年老いた勝美と美波の将来を心配する小野寺は美波に言い聞かせるのだった。一方、自分のせいで亜弓は死んだという思いがくすぶり続ける郁男。追い打ちをかけるかのように、郁男は、社員をトラブルに巻き込んだという濡れ衣をかけられ解雇となる。「俺がいると悪いことが舞い込んでくる」行き場のない怒りを職場で爆発させる郁男。恋人も、仕事もなくした郁男は、自暴自棄となっていく―。

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