村の復興に命を懸けた二宮金次郎の生き様『二宮金次郎』予告編&場面写真 田中美里&五十嵐匠監督よりコメント

勤勉少年として有名な二宮金次郎が、青年となり村の復興に身を捧げた姿を描く、合田雅吏が主演を務める映画『二宮金次郎』が、6月1日より公開される。このほど、予告編と場面写真がお披露目となった。併せて、金次郎の妻・なみを演じた田中美里、五十嵐匠監督よりコメントが寄せられた。

幼い頃、両親が早死にし、兄弟とも離れ離れになった二宮金次郎。青年になった金次郎は、小田原藩主に桜町領(現・栃木県真岡市)の復興を任され、“仕法”と呼ばれる独自のやり方で村を復興させようとする。金次郎が思いついた新しいやり方の数々は、一部の百姓たちには理解されるが、保守的な百姓たちの反発に遭う。そんな中、小田原藩から新たに派遣された侍・豊田正作は、百姓上がりの金次郎に反発を覚え、次々と邪魔をし始める。

場面写真は、主人公・金次郎(合田雅吏)と村人たちとの感動的なシーン、金次郎に駆け寄る妻・なみ(田中美里)の姿、金次郎と侍・豊田正作(成田浬)との決闘、村人・岸右衛門(犬山ヴィーノ)が異議を唱える場面に加え、金次郎に反発する百姓・五平(柳沢慎吾)、成田山新勝寺伝説の貫主・照胤(田中泯)、金次郎の有名な子供時代(安藤海琴)の姿などを収めたカットとなっている。

■田中美里(二宮金次郎の妻・なみ役) コメント
五十嵐匠監督の作品に初めて参加したのは私がまだ20代の頃。監督は全てを包み込んでくれるあたたかさと同時に、目はまっすぐで鋭く、表面的に芝居をしようものならすぐに見破られてしまうような緊張感もありました。今回またお声をかけて頂いて、脚本を読んで、なみを絶対に演じたい!と強く思いました。嬉しいと感じるとともに、40代まで歩んできた私の生き方をまた見透かされるような気がして身が引き締まる思いでした。なみを演じるにあたっては二宮金次郎を「全力で感じる」ということだけを意識しました。なみをどう演じるかよりも金次郎の言葉、目つき、息遣い、動き全てを見逃さないように心がけ、その上でなみがどう行動に出るのかを待つような日々でした。完成した作品を観てその目に見えない2人の絆みたいなものが見えた気がしました。また、それぞれの登場人物の苦悩や諦めや、心の変化も強く伝わってきますし、そのバラバラの人の想いを一つにまとめていくために、みずからが葛藤し行動していく金次郎の姿は静の時も動の時も鬼気迫るものがありました。そんな金次郎を1番近くで感じることができたことは大変でもあり、それ以上にとても倖せな時間でもありました。「今」だからこそ観て欲しい映画です。

■五十嵐匠監督 コメント
幼い頃、家を洪水によって流され、両親も失い、兄弟生き別れになった二宮金次郎にとって「貧しさ」との戦いがまさに「生きる」ことそのものだった。そして、そのことが土台となって後年次々と復興を重ねてゆく。その手法は、報徳仕法と呼ばれ、独自のものだった。その仕法を施す上で反対する者や邪魔する者も出てくるが、二宮金次郎は一心に自分の道を突き進んでゆく。私はその突き進む姿に真っ先に魅力を感じた。二宮金次郎―。ともすれば偉人伝になりがちな題材であろうと思った。明治時代に修身の教科書に載った二宮金次郎のイメージがまだ残っているからだ。私は、二宮金次郎が夜中に村人が怠けていないか一軒一軒のぞき穴から覗いていたということを知った。その二宮金次郎を映画で描きたいと思った。復興に憑かれたようになった人間・二宮金次郎がそこにいた。道徳と経済を結び付け、独自の仕法で村々を復興させてゆく二宮金次郎。まわりの人間達とぶつかりながら、妻・なみに見守られながら、そして孤独に苦悩しながら突き進むその姿はまさに青年期のものだ。私はそこにこそ二宮金次郎という偉人の本質があると思った。だから映画化を決意したのだ。

『二宮金次郎』
6月1日(土)より東京都写真美術館にて公開ほか全国順次公開
監督:五十嵐匠
原作:三戸岡道夫「二宮金次郎の一生」(栄光出版社刊)
脚本:柏田道夫
音楽:寺嶋民哉
出演:合田雅吏 田中美里 成田浬 榎木孝明 柳沢慎吾 田中泯 犬山ヴィーノ 長谷川稀世 竹内まなぶ(カミナリ) 石田たくみ(カミナリ) 渡辺いっけい 石丸謙二郎 綿引勝彦
配給:映画二宮金次郎製作委員会

【ストーリー】 幼い頃、両親が早死にし、兄弟とも離れ離れになった二宮金次郎。青年になった金次郎(合田雅吏)は、文政元年(1818年)、小田原藩真(榎木孝明)に桜町領(現・栃木県真岡市)の復興を任される。金次郎は、「この土地から徳を掘り起こす」と、“仕法”と呼ぶ独自のやり方で村を復興させようとするが、金次郎が思いついた新しいやり方の数々は、金次郎の良き理解者である妻・なみ(田中美里)のお蔭もあり、岸右衛門(犬山ヴィーノ)ら一部の百姓たちには理解されるが、五平(柳沢慎吾)ら保守的な百姓たちの反発に遭う。そんな中、小田原藩から新たに派遣された侍・豊田正作(成田浬)は、「百姓上がりの金次郎が秩序を壊している」と反発を覚え、次々と邪魔をし始める。はたして、金次郎は、桜町領を復興に導けるのか?

(c)映画「二宮金次郎」製作委員会