伝説の男子フィギュアスケート金メダリスト、ジョン・カリーの知られざる人生を描いたドキュメンタリー映画『氷上の王、ジョン・カリー』が、5月31日より公開される。このほど、予告編がお披露目となり、併せて、1992年アルベールビル冬季五輪フィギュアスケート女子シングル銀メダリスト・伊藤みどりより、本作を絶賛するコメントが寄せられた。
アイススケートをメジャースポーツへと押し上げ、さらに芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリー。彼はバレエのメソッドを取り入れた演技で、1976年インスブルック冬季五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダルを獲得する。しかし、マスコミが真っ先に伝えたのは、表に出るはずのなかった彼のセクシュアリティだった。同性愛が公的にも差別されていた時代に、ゲイであることが公表されたメダリストの存在は、世界中を驚かせ論争を巻き起こす。しかし、彼は華麗な滑りで多くの人を魅了し続け、現在の日本人スケーターにも影響を与えている。
本作は、アスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独、自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでいく病魔AIDSとの闘いを、貴重なパフォーマンス映像と、本人、家族や友人、スケート関係者へのインタビューで明らかにしていく。新たに発掘された、ホームビデオで撮影された彼の最高傑作「ムーンスケート」について、監督のジェイムス・エルスキンは「どんなスケートより美しく心を打たれた。これをみて感動を覚えない人はいないだろう」と語る。
予告編のナレーションは、諏訪部順一が務める。
■伊藤みどり(アルベールビル五輪フィギュアスケート銀メダリスト) 絶賛コメント
フィギュアスケートを新しい時代へと導くには、大変な努力と勇気、そして誰しもの心に永遠に残るようなインパクトが必要です。ジョン・カリー氏はまさに芸術の領域を奥深く探り、フィギュアスケートの概念を変えるほどの演技を残して下さいました。彼なくして、今みなさんが心を震わせて鑑賞している美しいフィギュアスケートは存在しなかったことでしょう。スケートにおける芸術とは何なのかを考え直す機会になる作品です。
『氷上の王、ジョン・カリー』
5月31日(金)より、新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督:ジェイムス・エルスキン
ナレーション:フレディ・フォックス
出演:ジョン・カリー ディック・バトン ロビン・カズンズ ジョニー・ウィアー イアン・ロレッロ
配給:アップリンク
© New Black Films Skating Limited 2018 / © 2018 Dogwoof 2018