筧昌也監督が登壇!観客全員で「愛してるニャ~」北山宏光『トラさん~僕が猫になったワケ~』号泣嗚咽応援上映 レポート

ある日突然死んだ男が猫の姿で家族の元に戻ってくるという、ファンタジーな世界観と温かいストーリーで人気を博したマンガ「トラさん」を、Kis-My-Ft2の北山宏光映画初主演で実写映画化した『トラさん~僕が猫になったワケ~』が2月15日より公開中。このほど、3月7日に池袋HUMAXシネマズにて号泣嗚咽応援上映が行われ、メガホンをとった筧昌也監督が登壇した。

集まった300人以上の観客は、ペンライト、タンバリン、うちわ、鈴、猫じゃらしなど、トラさんらしさも垣間見える、思い思いの応援グッズを持ち込みスタンバイ。そこに、MCとともに“前説”として、筧昌也監督が登場すると、すでにテンション高めの客席から拍手と声援が。早速、観客に向かって「まさかのまさかですが、今回が『トラさん』を初めて観る人!?」と筧監督がたずねると、数名が手を挙げる。「なかなか奇特な方たちですね」と苦笑いをする監督は「いいんですか?まだ、他の映画館でもやってますよ!(笑)」と声をかけ、会場は笑いに包まれた。さらに監督が、複数回観たという多くのお客さんに声をかけていくと20回を超えているリピーターも!監督は、「それだけ観た方々なら、もっとこうしたほうがおもしろかったとか言ってください(笑)」と嬉しそうにコメントしていた。

「声を出して応援をすると結末が変わるかも!?」というジョークをとばしながら、筧監督は「主人公の寿々男に向かって、『死ぬよー』とか言わないでください」「あぶりサーモンラップを皆さんが歌ってくれると、僕にチャリンと入ります(笑)。嘘です(笑)」など、ユーモア溢れるトークも。応援上映の諸注意の中、“筧監督の出演シーン”についての話になると、回数を重ねて鑑賞しても、意外にも見つけられていない人が多く、MCから「監督も一緒に観ているので(そのシーンになったら)監督が言ってください!」と言われ、監督は「え?自分で?俺俺!って?(笑)」とたじたじ。そこで、監督から出演シーンに関してのヒントが出され、観客は「なるほど!」と思い当たっている様子だった。

前説の最後には、筧監督の「愛してるニャ~」の呼びかけに、観客全員で「愛してるニャ~」と掛け声を返し映画がスタート。監督も客席に座り一緒に鑑賞するという贅沢な企画となった。テンションも上がってノリノリの会場では、本編前の「盗撮防止の映像」ですでにタンバリンと鈴の音が鳴り、笑いが起こる。配給会社のロゴが出ると、「ショウゲートさんありがとう!」と配給会社に向けたお礼の掛け声に拍手喝采、開始からすぐに一体感が溢れていた。

北山演じる寿々男の初登場シーンでは、喜びのため息とも言えるような声がもれ、軽快なBGMにはタンバリンと鈴でリズムをとり、寿々男が出版社からアパートに帰宅した際の「ただいま~」には、皆で「おかえり~」と返事、「手洗った?」と声をかける人も。まさに会場だけでなく、映画とも一体となり、劇中のキャラクターたちと会話している気分を味わっているようだった。そして、前説で本人からヒントをもらった“筧監督の出演シーン”では、ひときわ会場も沸き、北山と筧監督の共作「あぶりサーモンの歌」のシーンでは、待ってましたとばかり、リズムを取り、口ずさむ人たちも。要潤演じる浦上栄剛のシーンでは終始笑いが起き、「浦上先生!」という呼びかけも相次いでいた。

前半は大いに盛り上がり、笑い、劇中のキャラクターたちとも会話をしながら鑑賞をしていた観客たちも、後半は「号泣嗚咽上映」のタイトルにふさわしく、会場のいたるところで鼻をすすり、ハンカチを目にあて泣いている人が続出。本作の見どころのひとつ、前半と後半のコントラストに、いつもより魅了され、大きく感情を揺さぶられているようだった。

エンドロールでは、思い思いの応援グッズを振りながら、Kis-My-Ft2が歌う主題歌「君を大好きだ」を口ずさむ。物語の最後とエンドロールの最後、2回にわたり大きな拍手が会場を包む、満足度の高い「号泣嗚咽応援上映」となった。さらに会場には、筧監督だけでなく、なんと北山演じる寿々男の娘・実優役の平澤宏々路も来場。タンバリンを持ちながら、自身の出演作を存分に楽しんでいた。

『トラさん~僕が猫になったワケ~』
2月15日(金)より全国ロードショー中
監督:筧昌也
原作:「トラさん」板羽皆(集英社マーガレットコミックス刊)
出演:北山宏光 多部未華子 平澤宏々路 飯豊まりえ 富山えり子 要潤 バカリズム
配給:ショウゲート

【ストーリー】 売れないマンガ家の高畑寿々男(北山宏光)は、妻・奈津子(多部未華子)がパートで稼いだお金をギャンブルに使い、お気楽な生活を送っていたが、ある日突然、交通事故であっけなく死んでしまう。そんなスズオのダメ夫っぷりに“あの世の関所”が下した判決は、「執行猶予1ヶ月、過去の愚かな人生を挽回せよ。但し、猫の姿でー」。トラ猫の姿でナツコとミユ(平澤宏々路)のもとに戻ったスズオは、「トラさん」と名付けられて高畑家で飼われることに。愛する家族のために何かしたいと思うトラさん=スズオだが、猫だから言葉さえ通じない。スズオは、家族に何ができるのか。どうやって人生を挽回するのか―。

©板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会