第89回アカデミー賞にて8部門にノミネート、作品賞ほか3部門を受賞した『ムーンライト』で世界中を熱狂させたバリー・ジェンキンス監督が、キキ・レイン、ステファン・ジェームスのダブル主演で贈る最新作『ビール・ストリートの恋人たち』が、2月22日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。
70年代のニューヨーク・ハーレムに生きる若い二人の愛と信念の物語を、圧倒的な映像美と叙情的な音楽で描き出す本作。原作は、オバマ大統領やマドンナらが敬愛し、今年はドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』が公開された、作家ジェームズ・ボールドウィンによる著書「ビール・ストリートに口あらば」。ジェンキンス監督は、長年この物語の映画化を熱望、前作『ムーンライト』の撮影以前に脚本を執筆し権利を獲得し、念願の映画化を果たした。
本作は、第76回ゴールデン・グローブ賞で、主人公の母親役で熱演を見せたレジーナ・キングが助演女優賞を受賞。さらに、第91回アカデミー賞では、脚色賞、助演女優賞、作曲賞の3部門にノミネートを果たした。そのほか、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で脚色賞、助演女優賞、全米批評家協会賞で助演女優賞、サテライト賞で作品賞、助演女優賞など、数々の映画賞を受賞し、2月8日時点で、71映画賞を受賞、207のノミネートを記録している。
直木賞受賞作「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」など、これまで様々な愛の形を描いてきた作家の山田詠美、『きみの鳥はうたえる』など作家性の高い映画でみずみずしい演技を次々と見せている女優の石橋静河、そして来日中のバリー・ジェンキンス監督とイベントで対談した「水曜日のカンパネラ」のコムアイら、豪華著名人より本作への絶賛コメントが寄せられた。
著名人 絶賛コメント
■山田詠美(作家/直木賞受賞作「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」ほか)
ジャズの流れる中、おずおずと互いを慈しみながら身をまかせて行く若い恋人たちの姿が息を呑むほど美しい。ジェンキンス監督は、前作に続き、ハードでアンフェアな人生の中にも確実に存在する、きらめくかけがえのない宝物たちを見せてくれた。
■石橋静河(女優)
どんな制圧のなかでも人の心が屈することはないのだ、と思った。いまだに答えの見つからない現実を思いながら、光にあふれる映像とすべての美しいまなざしに救われた。
■コムアイ(水曜日のカンパネラ)
最初の5分で、この監督は優しい光と音で世界を見ていると、みんな感じると思います。恋愛しているときに一瞬見える光。この世には存在しない“永遠”という概念が垣間見える瞬間。2人の姿にとてもシンプルな気持ちにさせられました。苦しみを濃く描くと共に、それを利用するかのように、根本的な強さや美しさが描かれた、愛の神話です。
■小島秀夫(ゲームクリエイター)
バリー・ジェンキンスの新作は、「ムーンライト」と同じく、マイノリティへの迫害を描く作品である。しかし、社会や体制への反発ではなく、過酷な環境下にあっても、支え合う人々のポジティブな愛に満ちている。抵抗や破壊よりも、全てを受け入れて、愛で人生を創造する。これはマイノリティたちの「この世界の片隅に」である。
■髙城晶平(cero)
琥珀に閉じ込められた街の記憶を観ているようだった。肌が粟立つような喜び。声にならない苦しみ。愚かしい憎悪。そして慎ましやかな親切。全ての光景が飴色に香ばしく輝いている。
■野崎萌香(モデル)
詩的でロマンチックでPOPな世界の中目を離せなくなる美しくて瑞々しく色鮮やかに生きる1組の黒人カップル。時代の不遇を嘆く事なく、真っ直ぐに生きる二人を気がつけば応援している自分に気づきます。ふとした時に目に入る周りの人々の優しさも力強く惹かれます。
『ビール・ストリートの恋人たち』
2月22日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
原作:ジェームズ・ボールドウィン「ビール・ストリートに口あらば」
出演:キキ・レイン ステファン・ジェームス レジ―ナ・キング コールマン・ドミンゴ マイケル・ビーチ ディエゴ・ルナ エド・スクライン ブライアン・タイリー・ヘンリー デイヴ・フランコ ペドロ・パスカル
配給:ロングライド
【ストーリー】 1970年代、ニューヨーク。幼い頃から共に育ち、強い絆で結ばれた19歳のティッシュ(キキ・レイン)と22歳の恋人ファニー(ステファン・ジェームス)。互いに運命の相手を見出し幸せな日々を送っていたある日、ファニーが無実の罪で逮捕されてしまう。二人の愛を守るため、彼女とその家族はファニーを助け出そうと奔走するが、様々な困難が待ち受けていた…。
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