お笑い芸人・松元ヒロの一人語り「憲法くん」を名優・渡辺美佐子が演じるドキュメンタリー『誰がために憲法はある』4月公開!

お笑い芸人の松元ヒロが20年以上舞台で演じ続けている、日本国憲法を擬人化した一人語り「憲法くん」を、名優・渡辺美佐子が演じるドキュメンタリー映画『誰がために憲法はある』が、4月27日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。

「憲法くん」とは、井上ひさし、永六輔、立川談志も絶賛したお笑い芸人の松元ヒロが、20年以上、日本国憲法の大切さを伝えるためユーモラスに演じ続けている一人語り。「憲法くん」は、「わたしというのは、戦争が終わった後、こんなに恐ろしくて悲しいことは、二度とあってはならない、という思いから生まれた、理想だったのではありませんか」と主張し、そして「わたしの初心、わたしの魂は、憲法の前文に書かれています」と憲法前文を一気に暗唱する。

憲法に対する深い愛と洞察が込められた「憲法くん」を語るのは、「戦争を知る世代として、再び戦争の悲劇がこの国に起こらないように、この役を魂を込めて演じました」という、今年87歳になる名優・渡辺美佐子。文字で読む憲法と違い、本作で朗読される日本国憲法前文は、心の奥深くに突き刺さる。

原爆朗読劇の全国巡演を続けてきた女優陣たちが語る戦後と、未来へ託す思いを綴る本作。渡辺美佐子は初恋の人を疎開先の広島の原爆で亡くしたことを、戦後35年目の1980年に知る。彼の死を知った渡辺は中心メンバーとなり、現在まで33年間、鎮魂の想いを込めてベテラン女優たちと原爆朗読劇をやり続け全国各地を回っている。しかし、その朗読劇は今年で幕を閉じる。本作では、渡辺をはじめ、女優たちがこの活動を通じて抱くそれぞれの思いを映し出す。

監督は、原発事故により汚染された土地で農作物を作り続ける農家と、そこを訪れる学生たちの姿を真摯に見つめたドキュメンタリー『大地を受け継ぐ』を手掛け、『止められるか、俺たちを』では脚本を担当した井上淳一。同作でもタッグを組んだ弁護士の馬奈木厳太郎とともに、「憲法とは何か?なぜできたのか?」という原点を見つめ直すことができる作品を完成させた。

■井上淳一監督 コメント
「映画を武器に世界と闘う」とは、我が師・若松孝二の言葉だが、憲法改正がいよいよ現実のものとなってきそうないま、表現にかかわる者の端くれとして、何もしなくていいのか。そういうやむにやまれぬ思いから、この映画を作った。戦争の記憶が薄れ、憲法にこめられた理想が忘れ去られつつあるいまこそ、ひとりでも多くの人にこの映画が届くことを願うのみである。

『誰がために憲法はある』
4月27日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督:井上淳一
原作:松元ヒロ「憲法くん」
音楽:PANTA
出演:渡辺美佐子 高田敏江 寺田路恵 大原ますみ 岩本多代 日色ともゑ 長内美那子 柳川慶子 山口果林 大橋芳枝
配給:太秦

【作品概要】 渡辺美佐子は初恋の人を疎開先の広島の原爆で亡くしたことを戦後35年目の1980年になって知った。彼の死を知った渡辺は中心メンバーとなり、現在まで33年間、鎮魂の想いを込めてベテラン女優たちと原爆朗読劇をやり続け全国各地を回っている。しかし、その朗読劇は今年で幕を閉じる。本作では渡辺をはじめ、女優たちがこの活動を通じて抱くそれぞれの思いを映し出す。

(C)「誰がために憲法はある」製作運動体