大ヒット映画『64-ロクヨン-』のプロデューサー浅野博貴が、永瀬正敏、菜 葉 菜、佐藤浩市、夏川結衣を再びキャスティングした、実話が元のミステリー・サスペンス『赤い雪 Red Snow』が、2月1日より公開となる。このほど、又吉直樹、瀬々敬久監督、行定勲監督ら著名人から本作を絶賛するコメントが寄せられ、併せて60秒本予告編がお披露目となった。
本作は、記憶の拠り所だったはずの証言を、容疑者の完全黙秘で失った「被害者の兄」と「容疑者の娘」の物語。雪の日に失踪した少年の兄・白川一希を演じるのは、デビュー35周年となる今年は『蝶の眠り』、『Vision』、『パンク侍、斬られて候』に出演する永瀬正敏。少年失踪事件の容疑者の娘・江藤小百合を、『ヘヴンズストーリー』、『ナミヤ雑貨店の奇跡』、『追憶』、『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶』に出演した菜 葉 菜が演じる。さらに、失踪事件から30年後に事件を調べる事件記者の木立省吾役に井浦新。少年失踪事件の容疑者であり、「完全黙秘」で事件を闇に隠しこんだ江藤早奈江役に夏川結衣が扮する。監督は、10代より舞台・映画の現場で助監督・美術として活動し、『オンディーヌの呪い』など上映作品を数多く持つ甲斐さやか。本作で長編映画デビューを果たし、オリジナル脚本も手掛けている。
著名人 絶賛コメント
■又吉直樹(作家、芸人)
素晴らしかった。雪景色が世界の余白ではないように、記憶が無いという状態も、忘却することによって埋められた場所なのだろう。それを掘り起こし、真実を見ようとする危険な行為が当事者に何をもたらしたのか、ご覧いただきたい。
■瀬々敬久(映画監督)
東北、雪、赫い記憶、若い頃読んだ推理小説を再び手にしたような感覚。だが、この切なさは何なんだ。過去が現在を次々と侵食していき、類まれな興奮を呼ぶ。油断していると大火傷するぞ。
■前田司郎(劇作家)
美しく配置された物々が人々の気味悪さを、雪原の赤のように際立たせる。菜 葉 菜さん最高。
■行定勲(映画監督)
深雪に朱く滲んだ点が揺れる不穏な像に引き込まれ、俳優たちの鬼気迫る演技に私の中の真実は最後まで翻弄された。
■加藤正人(脚本家)
日本映画界の貴重な女優、菜 葉 菜が、満を持して主演デビューを果たした。錚々たる俳優陣に囲まれ、期待通りの演技で主役を演じ切り、見事な存在感を示した。脇役として実績を積み、実力を磨き続けて来た努力の賜物だ。
■廣木隆一(映画監督)
サスペンス映画は改めて役者の芝居が生み出すものだと思い知らされる作品。是非、多くの人に観て欲しいです。
■akiko(ジャズシンガー)
かつてから日本の傑作映画が持っていた、陰鬱さとやるせなさ、そして生々しさと美しさ。それはまさしく東北地方に降る重く湿った雪と、朦朧と燻んだ血の赤のよう。一体、あの可愛らしい女性監督のどこにそんなドロっとした感情が潜んでいるのか、私は不思議でなりません。
■ホラン千秋(女優)
30年前の事件ーー。その渦中にいた早百合を演じた菜 葉 菜さんとは長く親交がありますが、彼女がここまで心をむき出しにして「早百合」に挑む姿には、恐怖すら感じました。「赤い雪」を観て、不運だったのだと。そう自分の中で結論付けたあと、思うのです…私たちも、不都合な現実から目を背けて生きてはいないだろうかと。
■篠原哲雄(映画監督)
この映画のただならぬ迫力、圧倒的な肌触りの気持ち悪さは女性監督ならではの意地悪さからきたのか?赤い点がいつしか何事にも御しがたいシミに広がる様な感覚は寒々しく、美しい。
■古賀俊輔(映像プロデューサー)
人間の記憶と存在、やがて豪雪がそれらを消し去ってゆく。全ての才能と全ての自然を味方につけた甲斐監督の手腕に脱帽。彼女が「赤い雪」でデビューした強烈な記憶はきっと消えることはないはずだ。
■鎌田義孝(映画監督)
地球のうねりを描こうとしたような*赤い雪*の作品世界、好きです。雪の中、もがき闘っていた菜 葉 菜ーー、その本能的で美しい姿に、深く撃たれました。ずっと疾走して来たんだろうと想う。死に切れず、生ききれず、ボンクラな日々の俺に、とても沁みました。
■岡野真紀子(WOWOWドラマプロデューサー)
映画の素人である私が感想を述べるのはとてもおこがましいですが、この作品と出会い、観るもの感情を抉る作品と言うのは、深い台詞と、最高の芝居と、力強い映像と、感情を揺さぶる音楽があれば説明など何もいらないのだということを実感させられました。まさに、五感で衝撃を受け止める作品です。作品創りの価値観をも変えさせられる、そんな映画でした。
■中島由貴(NHKチーフディレクター)
菜 葉 菜をスウェット女優と呼びたい。そう言えば、以前ドラマに出演して貰った時もスウェット率が高かった。私好みの俳優は、その場の空気を吸収出来る人。そう、彼女は吸収率の高い女優なのだ。吸収する女優が、省略する監督の元で格闘している。惚れ惚れする。
■木村達司(dip in the pool 音楽家・音楽プロデューサー)
赤い雪はとてもユニークな映画である。様々な価値が幾層にも混じり合う映画や音楽という表現において、一番大切なのは、ユニークであること、だと思っている。ユニーク=内宇宙を深化させる行為の果てに、不可欠な才能と当たり前の努力とちょっぴりの幸運を持った作品だけが、光を帯びて外宇宙=普遍性へと裏返る。その過程こそが表現の醍醐味であり、表現者の愉悦であろう。
『赤い雪 Red Snow』
2月1日(金) テアトル新宿ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:甲斐さやか
プロデューサー:浅野博貴
出演:永瀬正敏 菜 葉 菜 井浦新 夏川結衣 佐藤浩市 吉澤健 坂本長利 眞島秀和 紺野千春 イモトアヤコ 好井まさお
配給:アークエンタテインメント
【ストーリー】 ある雪の日、一人の少年が忽然と姿を消した。少年を見失った兄・白川一希(永瀬正敏)は、自分のせいで弟を見失ったと思いこみ、心に深い傷を負う。少年誘拐の容疑者と疑われた女の周りでは次々と怪しい殺人事件が起こるが、真実は闇へと落ちていった。30年後。事件の真相を追う記者・木立省吾(井浦新)が容疑者と疑われた女の一人娘・江藤小百合(菜 葉 菜)を見つけ出したことにより、「被害者の兄」と「容疑者の娘」の運命の歯車が大きく動き始める。一つの事件で深い傷を負った人間の、曖昧な記憶を辿る葛藤の中に垣間見えた真実は、それぞれの運命を予想もしない結末へと導いていく。それぞれの記憶が氷解した先に見えたものは何か。全てを信じてはいけない。
©2019「赤い雪」製作委員会