フランスの社会問題となっている、移民の子供たちが直面する学力低下と教育の不平等を背景に、名門校から教育困難中学に赴任した教師と生徒たちの交流と成長を描く映画『12か月の未来図』が、4月6日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。
フランスが誇る名門アンリ4世高校の教師フランソワは、ある日突然、パリ郊外の教育困難中学に送り込まれる。いわゆる“生粋のフランス人”を相手にしてきたフランソワにとって、移民など様々なルーツを持つ生徒たちの名前を読み上げるのも一苦労。カルチャーショックに打ちのめされながらも、ベテラン教師の意地で問題児たちと格闘していく。そんな中、お調子者のセドゥが、遠足で訪れたベルサイユ宮殿でトラブルを起こし退学処分になってしまう。フランソワはこれまで感じたことのなかった使命感から、彼の未来を守るための戦いに挑む。
フランスでは今、移民の子供たちが直面する学力低下と教育の不平等が大きな社会問題となっており、日本でもこれらの教育問題は度々報道されている。監督のオリヴィエ・アヤシュ=ヴィダルは、よりリアルな教育現場を描くために中学校に2年間通い、500名の生徒と40名の教師と共に学校生活を送り、作品を完成させた。本作では、監督の入念な取材の結果、教育問題という難しいテーマを扱いながら、トラブルだらけの生徒たちと堅物なフランソワの交流と成長がリアルに描かれる。
予告編では、名門校で教えるエリート教師が、色んな問題を抱える生徒が集まる郊外の学校への異動で、様々な壁にぶつかる様子が描かれる。少し威圧的すぎるのでは?と感じる名門校での授業風景から一転、赴任した学校では生徒の名前を覚えるにも一苦労のフランソワ。赴任先の学校は、移民・貧困・学力低下など、フランス社会が抱える問題のまさに真っただ中にいる生徒の集まりで、「生徒の半分は役立たずだ」と半ば諦めている教師さえ少なくない。そんな中フランソワは決して諦めず、生徒一人一人と真剣に向き合う。勉強を教える“教師”である前に、“人”として生徒たちに接し、時にはぶつかるフランソワの姿にこそ焦点を当てたことで、生徒たちが次第に心を開き笑顔をのぞかせるシーンは強く胸に迫る。
『12か月の未来図』
4月6日(土)より岩波ホール他全国ロードショー
監督・脚本:オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル
出演:ドゥニ・ポダリデス レア・ドリュッケール
配給:アルバトロス・フィルム
【ストーリー】 フランスが誇る名門アンリ4世高校の教師フランソワ(ドゥニ・ポダリデス)はある日突然、パリ郊外の教育困難中学に送り込まれる。いわゆる“生粋のフランス人”を相手にしてきたフランソワにとって、移民など様々なルーツを持つ生徒たちの名前を読み上げるのも一苦労。カルチャーショックに打ちのめされながらも、ベテラン教師の意地で問題児たちと格闘していく。そんな中、お調子者のセドゥが遠足で訪れたベルサイユ宮殿でトラブルを起こし退学処分になってしまう。フランソワはこれまで感じたことのなかった使命感から、彼の未来を守るための戦いに挑む…。
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