2018年より開幕した、宇宙世紀の新たな100年を紡ぐ「UC NexT 0100」プロジェクト。その第2弾作品として、1989年に出版された富野由悠季による同名小説を映像化した『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が、2020年冬に公開される。このほど、原作者の富野由悠季より、映画化についてのコメントが寄せられた。
本作は、劇場版3部作のアニメーション。宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)で苦い別離を経験した、ブライト・ノアの息子ハサウェイが、新型モビルスーツ・Ξ(クスィー)ガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。なお、本プロジェクトの第1弾作品『機動戦士ガンダムNT』は昨年11月30日より公開中。
監督を『虐殺器官』の村瀬修功が務めるほか、脚本は『機動戦士ガンダムUC』のむとうやすゆき、キャラクターデザイン原案を『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の美樹本晴彦、キャラクターデザインを pablo uchida、恩田尚之、工原しげきの3名が担当し、メカニカルデザイン原案を森木靖泰、メカニカルデザインはカトキハジメ、山根公利、中谷誠一、玄馬宣彦の4名、音楽は『機動戦士ガンダムUC』の澤野弘之が手がけるなど、豪華スタッフが結集した。
本作の前売り券(ムビチケカード)は、現在『機動戦士ガンダムNT』の上映劇場90館にて販売中。特典はクリアファイル(全1種)。一般券1,800円。
▼前売り特典 クリアファイル 表(左)と裏(右)
■富野由悠季(原作者) コメント
30年ちかく前に書いたノベルスの映画化は、原作者として嬉しい。まさかという驚きがあった、しかも3部作。製作関係各位から、本作のテーマは現代にこそ必要だと判断をされてのことだと聞けば、あらためて内容をチェックした。そして、また呆然とした。現実の世界は進歩などはしないで、後退しているかも知れないのだ。だから、ガンダムのファンの皆々様方が牽引してくださった道筋があったおかげで、今日、本作のテーマが現実にたいして突きつける意味があると知ったのである。その意味では、本シリーズを牽引してくださった皆様方に感謝をするだけである。同時に、諸君等ひとりびとりも本作のメッセージの希望である解決策を次の世代は開拓してもらいたいと願ってのことでもあろうとも想像する。すなわち、大人になったガンダムファン世代は、ファンの力だけではリアリズムの閉塞感と後退感を突破する力はなかったと自覚もしたからこそ、その申し送りを本作に託していらっしゃるのではないかとも想像するのだ。アニメがリアルである必要はないのだが、映画という公共の場に発表されるものであるのなら、少なくとも幅広く若い公共に響くものであっても良いのではないかと信じるのである。製作する世代が若くなり、それを享受する観客がさらに若くなれば、それら次の若い世代が、いつか人の革新――ニュータイプ――への道は拓いてくれるのではないかと信じるのである。
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
2020年冬 全国公開
監督:村瀬修功
原作:富野由悠季 矢立肇
脚本:むとうやすゆき
キャラクターデザイン:pablo uchida 恩田尚之 工原しげき
キャラクターデザイン原案:美樹本晴彦
メカニカルデザイン:カトキハジメ 山根公利 中谷誠一 玄馬宣彦
メカニカルデザイン原案:森木靖泰
音楽:澤野弘之
配給:松竹
©創通・サンライズ