ミック・ジャガー「たくさん助けられた」、ライオネル・リッチー「思い出をありがとう」“ロックの女王”ティナ・ターナーを追悼

「愛の魔力(What’s Love Got to Do With It)」などで知られる歌手のティナ・ターナーが5月24日に死去した。83歳だった。訃報を受けて、ミュージシャン仲間のミック・ジャガーらが追悼メッセージをそれぞれのインスタグラムに投稿した。

ティナの公式インスタグラムは、「深い悲しみとともに、ティナ・ターナーが亡くなったことをお知らせします。彼女は音楽と人生への果てしない情熱で、世界中の何百万人というファンを魅了し、未来のスターたちにインスピレーションを与えました。今日、私たちに音楽という素晴らしい作品を残してくれた大切な友人に別れを告げます。彼女の家族に心からお悔やみ申し上げます。ティナ、あなたがいなくなるととても寂しくなります」と伝えている。

複数の海外メディアによると、ティナはスイス・チューリヒ近郊にある自宅で死去。彼女は近年、脳卒中や腸がん、腎不全など複数の病気と闘っていた。

ローリング・ストーンズのミック・ジャガーは、1985年に開催された大型チャリティコンサート「ライヴ・エイド」で共演した2ショットをシェア。「素晴らしい友人ティナ・ターナーが亡くなり、悲しみに暮れています。彼女は非常に才能があるパフォーマーでありシンガーでした。彼女は元気を与えてくれる、温かくて面白い、心の広い人でした。私が若かった頃、彼女にたくさん助けられました。彼女のことをこれからもずっと忘れません」と追悼した。

▼ミック・ジャガーのインスタグラム(mickjagger)より

1985年の楽曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」で共演し、ツアーでもコラボしたライオネル・リッチーも思い出の2ショットとともに「なんという人生!なんというショー!なんという才能だろう!あなたの立ち直る力は私たちにとっての教訓でした。大切な友人、あなたがいなくなると寂しくなります。思い出をありがとう」とメッセージ。

▼ライオネル・リッチーのインスタグラム(lionelrichie)より

ティナの半生を描いた1993年の映画『TINA ティナ』で主演を務めた女優のアンジェラ・バセットは、「ティナ・ターナーは恐怖の中で生きる人々に、愛と思いやりと自由に満ちた美しい未来がどのようなものなのか見せてくれました」と投稿。「彼女が私に、私のために残してくれた最後の言葉は、『あなたは決して私をまねようとはしなかった。そうする代わりに、自分の魂の奥深くに手を伸ばし、内なるティナを見つけた。そして、それを世界に示した』。この言葉をこれからもずっと大切にしていきます」「ティナ・ターナーを知ることができて光栄に思います。恐れ多くも、彼女を世界に示すというという役割を引き受けられました…ティナ・ターナーはどんな時も“本当に最高(simply the best)”な贈り物です」とつづっている。

▼アンジェラ・バセットのインスタグラム(im.angelabassett)より

1991年の楽曲「イット・テイクス・トゥー」でコラボしたロッド・スチュワートは、ローリング・ストーンズのロニー・ウッドを交えた3ショットを投稿。「悲しみに打ちひしがれています。なんて女性なんだろう!友人でありメンター。“2人がいてこそ(It takes two)”ですが、ティナ・ターナーは唯一無二の存在でした」

▼ロッド・スチュワートのインスタグラム(sirrodstewart)より

1985年にリリースされた「イッツ・オンリー・ラヴ」でコラボしたブライアン・アダムスは、肩を組んだ2ショットをアップ。「RIP、ティナ・ターナー。私をツアーに連れて行ってくれたこと、スタジオに一緒に入ったこと、友人でいてくれたことに永遠に感謝します。ありのままに語り、あなたの声の贈り物を届けてくれて、世界中の何百万人という人々に元気を与えてくれてありがとう…ただ一つの愛…それがすべてです(It’s Only Love…and that’s all)」と記している。

▼ブライアン・アダムスのインスタグラム(bryanadams)より

このほか、ダイアナ・ロス、エルトン・ジョン、ジェニファー・ハドソン、マライア・キャリーら多くの著名人が追悼の言葉をSNSに投稿している。

1938年に米テネシー州で生まれたティナは、60年代から70年代にかけて当時の夫アイク・ターナーと組んだR&Bデュオ、アイク&ティナ・ターナーとして活躍。70年代後半からソロシンガーとして活動し、これまでに8度のグラミー賞を受賞した。代表作は「愛の魔力」(1984)、「ティピカル・メイル」(1986)など。女優としては1975年のミュージカル映画『トミー』、1985年のアクション映画『マッドマックス/サンダードーム』などに出演。1991年にアイク&ティナ・ターナー名義でロックの殿堂入り、2021年にソロシンガーとして2度目のロックの殿堂入りを果たした。

▼ティナ・ターナー「愛の魔力」MV

私生活では1962年に音楽活動のパートナーだったアイクと結婚し、1976年に離婚。2013年、ドイツ人音楽プロデューサーのアーウィン・バッハと20年以上の交際を経てスイスで結婚し、同時にスイス国籍を取得した。