瀬戸:あのー…映画の話をしましょう!
MC:そうですね(笑)。
瀬戸:撮影現場では、唐ちゃんがねぇ、すごく写真をいっぱい撮っていて。
唐田:撮りました。
瀬戸:だから思い出というものが、自分たちの頭の中にも残っているけど、ちゃんと画としても残っているというか。
東出:それがパネル展か何かになっているんですよね?
唐田:そうなんです。今、新宿TSUTAYAさんで展示させていただいているので見てみてください。
瀬戸:行くしかないですね!
唐田:行くしかない!
渡辺:行くしかない!
瀬戸:なんだこれ、ふざけてないんだけどな(笑)。でも、距離が縮まる時間というのは本当に短かったというか。
東出:この現場ならではのことって何かありましたか?例えば濱口監督の演出方法とか。
瀬戸:演出方法は…これはこの作品だからなんですか?
濱口:ちょっと前の作品ぐらいから…本読みのことですよね?
瀬戸:そうです。
濱口:ひたすら本読みをするっていうのをやっていました。
渡辺:毎回ニュアンスを抜いてですか?
東出:急に言われてもよくわからないと思うんですけど、脚本をひたすら無感情にまず読んでもらってから現場に入ってもらっていたんですよね。どうでした?伊藤さん。その演出。
伊藤:…すいません、聞いてませんでした(笑)。
東出:まじで!?(笑)。
伊藤:ほんとごめんなさい!
山下:(伊藤と唐田からマイクを向けられて)今、マイクがすごい私にばかりきて…ごめんなさい!遊んでないです(笑)。
伊藤:でも、すごい楽しかったです!初めての経験でしたよ。
東出:本読みって大体他の現場でもあるんですけど。本読みって椅子に座りながら初めて読むけど、お互いの芝居のニュアンスがわかるように、それなりに本域でやるんです。ただ、銀行のカードをお財布から出してくださいと言われて、例えば(棒読みで)「三井住友 ○○支店」みたいな、そういう読み方で台詞を読んでくださいっていう本読みを何百回もやっていたんです。ワークショップがこれだけ長く映画(の撮影)前にあるっていうのは本当に稀有な現場です。それゆえに仲が良くなったというのもあるし…。『ハッピーアワー』ってご覧になった方っていらっしゃいますか?この中で。
濱口:(挙手した観客に対して)ありがとうございます。
東出:濵口監督の前作の『ハッピーアワー』って、僕も役者として観た時に衝撃を受けすぎて、こんなに台詞っぽくなく自分の言葉でしゃべっているってすごいなって思ったんです。それを再現するために、いっぱいワークショップをやっていたので。たぶん、かなり問題作ではあると思います。お芝居をしているトーンでしゃべっていないので、そういうところも楽しみにしていただければ嬉しいなぁと思います。
MC:ありがとうございます。東出さんが演じている麦(バク)というキャラクターはとてもミステリアスで、なかなか女性からしたら理解しにくいキャラクターだと思うんですけれども、女性キャストの皆さんは麦についてどんな感想を持たれたとか、東出さんが演じている姿を見てどう感じられたか、お伺いしてもよろしいですか?
山下:3人で話していた時に、「麦ってちょっと怖いよね」って言っていたよね。
伊藤:怖かった…。
唐田:怖かった…。
東出:なんかもっとないの?(笑)。
伊藤:(笑)。ミステリアスというか、何て言うんだろう…読めなすぎて。この人はもはや生きているのか、何て言えばいいんだろうなぁ…。
唐田:「宇宙人みたいだった」って言ってたよね。
伊藤:うん。異生物だった。
山下:麦の時、話しかけづらかったですよね。
伊藤:それはありましたね。
唐田:怖くて。「目が合ったら殺されそうだよね」みたいなことを言ってたよね。
伊藤:そのまま気づいたら死んでた、みたいな…。
唐田:ね!