MC:ありがとうございます。さすがに3つの作品となりますと、大所帯という感じですね。さて、ここからは描く作品のキーワードを元にお話を伺っていきたいと思いますが、まずは「透明人間」からお話を伺ってまいります。今日は残念ながら、オダギリジョーさんが参加できませんでしたけれども、その透明人間を代表して、田中泯さんお願いします。作品のキーワードは、山下監督お願いします。
(山下監督がフリップを見せる)キーワードは「存在」ということですが。存在がキーワードですか、監督。
山下:そうみたいですね(笑)。なにを描こうかとしたかというと、そこにいるんだけど、いないと同然の扱いを受けている人がいるんじゃないかと思って。「いるんだよ本当は」というのを認めたほうがいいと思うし、透明だと思っている人も「いるんだよ」という自信を持って欲しいという映画にしたつもりです。
MC:これは、映画を観るとよく分かりますよね。田中泯さんは「存在」というエピソードで、何かエピソードはありますか?
田中:僕も小さい頃はいないも同然のような子供だったので(笑)。大人になって、僕は小さい頃の友達のことを皆んな覚えてるのに、あちらの人たちは覚えていないというような。(自分は)いなかったのかあ…(笑)という思いは随分いたしました。ただ、「見えていてもいない」というのと、「見えないからいない」というのはちょっと違いますよね。どちらも透明ですよね。でも「見えていて、いない」というのは、辛いですね(笑)。
MC:辛いですね…。なんかあの…、話の展開が暗くなりつつありますが(笑)。ただ、田中泯さんのアフレコはすごかったとお聞きしました。
西村:田中泯さんは盲目の男を演じているんですけど、アフレコの時に目をつむって演じられたという。
MC:それはどうしてですか?
田中:いや、見えてしゃべるのと、見えないでしゃべるのとでは、全く世界が違うと思います。で、やってみたら(笑)。
MC:でも目を閉じていたら台本が見られないじゃないですか?
田中:台本は覚えてますので大丈夫ですけども(笑)。
MC:愚問でした(笑)。
田中:要するに、絵を全く観ない状態でやったんですね。
MC:それがあの存在感につながっているわけですね。
西村:そうですね、上手いですね(笑)。
MC:このあたりはアナウンサーなので(笑)。どうもありがとうございます。この言葉をヒントに映画を御覧いただきたいと思います。
MC:続きまして、「サムライエッグ」チームですが、キーワードを百瀬監督、お願いします。(百瀬がフリップを見せる)テーマは「歯」。尾野さん、歯にまつわるエピソードが撮影中にあったということですか?
尾野:この物語の中で「歯」が、キーワード?ちょっと出てくるんです(笑)。歯が出てきます(笑)。
MC:そうですか(笑)。坂口さんはどうですか?「歯」というテーマが出ましたけど。
坂口:そうですね、歯が印象的なシーンがあったりとか…、何か、シュンくんにつながる…、まあ観ていただければ分かっていただけると(笑)。
MC:なるほどね、このキーワードを元に観ていただければ分かりますよね。
西村:注目すると見えてくるものがあるかもしれません。
MC:篠原くんはどうですか? 「歯」というキーワードで。
篠原:シュンに大切な歯が、その最後の最後に大切なママからの言葉があるので、そこに注目してください(笑)。
MC:上手いですね(笑)。今の言葉を聞いちゃうと、本当に気になっちゃいますもんね。監督はいかがですか?
百瀬:そうですね、生命とか生きているとか、そういうものの成長とか象徴として見えるといいなと思っております。
MC:なるほど。西村さん、声の撮り方で「サムライエッグ」は非常に特徴的だったそうですね。
西村:普通は絵ができあがってから声をあてるんですけども、尾野真千子さんだけは、絵が全く無いところで。プレスコという手法なんですけど、やっていただいたんですよね。岸和田弁でやっていただきましたけれども。
MC:そのあたりはどうだったんですか、尾野さん。
尾野:とってもやりにくいです(笑)。あの、アフレコというお仕事をさせてもらうことが初めてなんですけど、その段階でこのよく分からないやり方で、やるわけです(笑)。とても苦労してですね、声優さんのお仕事にとてもすげーなって尊敬しました。
MC:すげーなと思いました(笑)?
尾野:超すげーなと思いました。本当にすごいです。