MC:ありがとうございました。和久井さん、作品をご覧になってまず、いかがでしたか?
和久井:お母さんの立場になると、このキラキラした時間だけど、逆に二度と取り戻すことができない時間が少しずつ増えていくということを感じてしまう歳でもあるので、なおさらキラキラ眩しかったし、切なかったし、ラストはグッときましたね。
MC:和久井さんは高杉さんと共演されていかがでしたか?
和久井:高杉さんは、とても誠実で作品に対しても真面目に取り組まれていて。スタジオでLynnさんと高杉さんと私と、3人で並んでいる時、マイクに向かわれている2人の誠実さをひしひしと感じながら、「僕」というキャラクターがきちんとそこにそのまま存在されているような、本当に誠実な空気をずっと感じながら、隣に立たせていただきました。
MC:と言われておりますが。
高杉:う…れしいですね(笑)。自分はずっと緊張して現場にいたので、自分自身がどんなふうにして現場にいたのか、はっきり覚えてないんですけど、こう言っていただけて本当に自分は「僕」という役にどれくらい向き合えていたのか分からないですけど、しっかりとこの子のことを理解して演じてあげたいなと思っていましたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
MC:ありがとうございます。sumikaの皆さんにもお聞きしたいのですが、作品を観ると曲が物語になっているのもすごく重要で、言葉のシャワーを浴びているような気がしたんですけど、実際にご自分たちで歌を作られて、出来上がった作品をご覧になってどんなお気持ちになったんでしょうか?
片岡:そうですね、まず映画の中で自分たちの音楽を使っていただく、一種の掛け算をするのがバンドとしての夢でもあったんだよね。まず、それが実現するとなった時に、ちょうど一年前なんですけれども、話が決まって「よっしゃ!」と思ったんですけど、同時に今回3曲担当させていただくことになりまして、牛嶋監督含め、制作チームの方と楽曲制作をする前に、事前に打ち合わせをさせていただいて、我々にとっても初の映画に向けた楽曲制作が始まるぞと、意気込み過ぎたらですね、どんどん自分たちが作っているものに納得できなくなってきてしまって、1曲できて、皆さんにお聞かせして、牛嶋監督や原作者の住野さんも楽曲の感想を聞かせてくれて、「良かったよ」と言ってくれて、ホッとして2曲目を作って、ホッとして。最後の3曲目になったら、ハードルがどんどん上がっていって、書き直す回数も曲数を追うごとに増えていって、最終的に最後に手がけた曲に関しては、音楽人生初めてなんですけど、15回書き直しました。監督が何回そのパターンを聞いているか分からないんですけども。その15回を経てsumikaとしても後悔のないものをチームの皆さまにお返しできたなと思いましたし、それが気持ちの良い形で『君の膵臓をたべたい』という作品に掛け算として、sumikaとして加われて本当に幸せでした。昨日観た時は曲が流れた時ももちろんですし、自分たちの曲が映画の中で鳴っているという。皆さんの声と画と、一緒に流れているというだけで泣いちゃったので、結局ずっと泣いてました(笑)。最初から最後までずっと泣いてました。本当に貴重な経験をありがとうございました。
MC:高杉さんはどうでした、曲を聞いた時。
高杉:僕は先日ライブにも行かせていただいて、それもあってsumikaさんが作った曲で自分の声と皆んなで作っている感じが映像から伝わってきていて、たくさんの方と一緒に出会って『君の膵臓をたべたい』という作品ができあがっているんだなと改めて思いました。ライブに初めていかせていただいたんですけども、意味も分からず、僕自身も泣きそうになっていまして、本当に素敵なライブで、皆さんに作っていただいているんだなと感じました。
片岡:ありがとうございます。今のを皆んなに言いふらしたいです(笑)。