【全起こし】消し去りたい過去は?池田エライザ「邪念」に、オダギリは「(空白)」!その理由は?『ルームロンダリング』完成披露試写会レポート 全文掲載

MC:よろしくお願いします。ありがとうございます。本作は「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」にて準グランプリに輝きましたオリジナル企画の映画化となっております。“事故物件”、“幽霊”と聞くと、じとーっとしたイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、本作はとても爽やかに、からっとコメディタッチに描かれた作品になっております。まずは池田さん、オダギリさん、本作の脚本をご覧になって惹かれた部分、こういうところがおもしろかった、惚れ込んだという部分を教えていただけますか?

池田:私…?私…(笑)、私がちょうど台本をいただいた時というのは、母の実家に帰っていた時で、長らく会っていなかった家族に久しぶりに会っていた時でもあったので、私にとって最初に読んだ『ルームロンダリング』の印象は、やっぱり母とのお話なのかなと思いました。観ていただけると分かると思うんですけど、コメディだったりハートフルな要素があると思うんですけど、私は現場に入って渋川さんと同じシーンをやるまで、この作品がコメディだってことには気づいていなかったです。渋川さんとお芝居してみて、「あれ!?これ、もしかしてちょっとコメディなのかもしれないよ?」ということに気づきました。

渋川:それはどういうことなんでしょうか?(笑)。

(会場爆笑)

池田:ディスっているわけじゃないですからね!御子ちゃんとのやりとりで。

渋川:そうですね。監督が書いた本だからね。

池田:ということです(笑)。

MC:オダギリさんは台本を読んでどんな印象を持たれましたか?

オダギリ:感無量というか…監督と脚本を書いた梅本さんとは昔から知っていて、梅本さんとはサッカー仲間だったので、わりと友達に近い感覚で。この二人が脚本を書き上げたということ自体が嬉しくて。それがオリジナルストーリーだということもまた嬉しくて。だから1枚1枚大切に読んだ記憶がありますね。

MC:梅本さんと書き上げられた監督、すごくおもしろい題材だと思ったんですが、どんなきっかけでこの作品を思い浮かばれたんですか?

片桐:元々はいろいろな本を書き溜めてはいたんですけど、中村義洋さんの『残穢』という作品をやっている時に思いついた題材で。それを下北沢の居酒屋でおっさん二人が話をしてプロットをまとめていったという感じですね。

MC:『残穢』から派生されて。監督、池田さんってはつらつとした…女性らしい、セクシーな役柄も今まであったと思いますが…健太郎さん、吹きましたね、今ね。

(会場爆笑)

健太郎:いや!言い方がすごく困ってるなぁと思って(笑)。

MC:セクシーって私が言うのも変じゃないかなって一瞬迷っちゃったんですけど(笑)。今回、池田さんは自分の殻にこもりがちなこじらせ女子、しかも幽霊が見えてしまうという特殊な能力を持った女の子です。監督、なぜ池田さんを今回キャスティングされたんですか?

片桐:池田さんが「ダ・ヴィンチ」で書評を書かれていたりとかで、ビジュアルよりもまず考えという内面がわかったというのと、僕がよくお仕事させてもらっていた(映画監督の)廣木隆一さんが、池田さんの名前を出した時に、「エライザ、暗いよ」って言ったのがやっぱりガツン!ときた感じですかね。ならば、暗いのは大好物なので、という感じでした。

MC:池田さん、首をかしげていましたけれど、廣木監督からはそう思われていたというのは…。

池田:監督ってよく見ていらっしゃる方なので、監督がそう思うのであれば間違いないと思います。

MC:今回の役柄の御子には共感する部分、重なる部分はありましたか?

池田:生活リズムがとても近くて、私も御子ちゃんと同じように低い机に覆いかぶさる感じで絵を描いたりとか。それこそ書評を、パソコンだと行き詰まってしまうことがあるので手書きにする時があって、そういう時にああいう体勢だったりするので。自分が一人でいる時に、誰かの意識がないという状態でそういうふうになるというのは、御子ちゃんと一緒だなって思いました。