MC:なるほど。そして『友罪』では生田斗真さんと瑛太さんが演じる二人の中に通じる友情というのが…佐藤浩市さんからご覧になって生田斗真さんと瑛太さん、この二人はいかがでしたか?
佐藤:僕は役者に対して頑張っていましたと言うのは不遜で失礼なことだと思うので、そういう言い方はできないんですけど、ただご覧になってわかるように、この映画の役を自分の中に一回入れて吐き出すという瞬間の吐き気、そんなものを二人とも重々わかって吐き出しているんじゃないかなというふうに僕は完成したものを観て思いましたけれども。
MC:今のお話を聞いて、生田さん、いかがですか?
生田:なかなか浩市さんとご一緒する機会は少なかったんですけど、浩市さんは撮影が終えられても映画の撮影現場にずっと残って、ほんとに楽しそうにしていらっしゃって、本当にこの方は…。
佐藤:なんでだよ!アホみたいだね!?(笑)。
(会場爆笑)
生田:いやいや!(笑)。映画が大好きで、映画っていう世界でずーっと生きてきた方なんだなっていうふうに思って、すごく嬉しかったですよね!そういう方と現場を共にできるというのはすごく嬉しくて。
MC:なかなかそういう方って珍しいというか…。
生田:ずーっとウロウロしているんですよ、現場で。
佐藤:何か用事があったんじゃない!?(笑)。
生田:すごい素敵だなと思って!
MC:現場がお好きなんだなと。瑛太さんはどうですか?佐藤さんからの言葉を聞いて。
瑛太:達成感のようなものはないですけど、吐き出すことはできましたし、あと観た方はわかると思うんですけど、僕、結構暴力を受けるシーンが多かったんですけど、本当にパンチが当たったりとか、奥野瑛太くんっていう、あの人、本当にアクションが下手くそで…。
生田:先輩の役のね!
瑛太:本当に顔面に本番当ててきたり、急に首絞めてビンタしてきたりとかして、なんていうの…もう二度と共演したくないなと(笑)。
(会場爆笑)
瑛太:同じ瑛太っていう人なんですけどね。そういったところでの吐き気はありましたねぇ。
MC:そういうところで(笑)。監督、次に生田さんと瑛太さんの二人を共演させて作品を作るとしたら、どういう作品を作ってみたいですか?
瀬々:次は立場を逆転して、ショーン・ペン(出演)の『デッドマン・ウォーキング』っていう映画が好きなんですけど、次は生田斗真さんが死刑囚で、それを見る拘置所の刑務官を瑛太さんにやってもらいたいです。
MC:これ、観てみたいですけど…生田さん。
生田:でも(瑛太と)二人でよく話すんですけど、「次やるなら、もうちょっとポップなものがいいね」っていう話はしています(笑)。
(会場爆笑)
生田:ちなみにですけど!ありがたいですけど!(笑)。
MC:『デッドマン・ウォーキング』、いい映画ですけど重い映画ですよね!
生田:いい映画ですけど、もうちょっとポップなものがいいかなぁっていう気持ち(笑)。
瀬々:ということで!(笑)。
MC:(笑)。ここでもうお時間が来てしまいました。こうやって客席を見ても非常に幅広い年代の方に来ていただいているという感じですけれども、これから映画を楽しみにしている皆さまに一言ずつ最後にいただければと思います。まずは生田斗真さんからお願いいたします。
生田:本日は皆さん、わざわざお越しくださってありがとうございます。先ほども言いましたけれども、この映画はたくさんの願いや希望の光みたいなものを込めたつもりでいます。皆さんが今日ご覧になっていただいて、どういうふうなことを思って感じたのかということを、またご自宅に戻って考え直して、いろんなことに思いを馳せていただけたらなと思っておりますし、この映画を誰かと共有して“自分はこう思った、あなたはどう思った?”ということがいろんなところで巻き起こってほしいなと思っております。この映画、僕たちが一生懸命作りましたので、ぜひ大切にしてください。本日はどうもありがとうございました!
MC:ありがとうございます。では瑛太さん、お願いいたします。
瑛太:今日はありがとうございます。映画1本やる度にものすごい宣伝をいろんなところでさせてもらえるんですけれども、最終的に一番大切なのは皆さんの口コミだと思っています。なので、皆さん、よろしくお願いします!
MC:ありがとうございます。では最後に瀬々監督、お願いいたします。
瀬々:この映画、なかなか難しいところもあると思うんですけど、おもしろいとかつまらないとか、いいとか悪いとか、そういうことを超えたところで存在しているような映画のような気が自分自身ではしています。そういう映画っていうのもあっていいと思うし、映画っていろいろなものがあったらいいと思っています。もし好きなシーンがあったら、今日帰りにでもちょっと思い出してもらったり、数年後にもう一回この映画について考えてもらったり、そういう出会いがこの映画と皆さんの間にできたら、皆さんにとっても映画にとっても幸せなことだと思います。ぜひまた、他の映画でもずっと映画を観て好きになってください。今日はどうもありがとうございました!
MC:ありがとうございました!以上をもちまして、『友罪』公開記念舞台挨拶を終了いたします。最後にもう一度大きな拍手をお願いいたします。ありがとうございました!
『友罪』
5月25日(金)より全国ロードショー中
監督:瀬々敬久
出演:生田斗真 瑛太 佐藤浩市 夏帆 山本美月 富田靖子 奥野瑛太 飯田芳 小市慢太郎 矢島健一 青木崇高 忍成修吾 西田尚美 村上淳 片岡礼子 石田法嗣 北浦愛 坂井真紀 古舘寛治 宇野祥平 大西信満 渡辺真起子 光石研
配給:ギャガ
【ストーリー】 ある町工場で働き始めた、元週刊誌ジャーナリストの益田(生田斗真)と、他人との交流を頑なに避ける鈴木(瑛太)。共通点は何も無かった二人だが、同じ寮で暮らすうちに少しずつ友情を育ててゆく。そんな折、彼らが住む町の近くで児童殺人事件が起こり、世間では17年前に日本中を震撼させた凶悪事件との類似性が指摘される。当時14歳だった犯人の少年Aはすでに出所しており、その後の行方を知る者は少ない。果たして今回の事件も彼の犯行なのか…。驚きと疑問に突き動かされ、ネットに拡散していた少年Aの写真を見た益田は愕然とする。そこにはまだ幼さの残る鈴木が写っていた―。
(c)薬丸 岳/集英社 (c)2018映画「友罪」製作委員会