【全起こし】生田斗真「浩市さんはずーっと現場をウロウロしていて…」、佐藤浩市「アホみたいだろ!」『友罪』公開記念舞台挨拶レポート 全文掲載

MC:ありがとうございます。そして瀬々監督、本作は撮る上でも非常に困難だったり葛藤だったり監督側にもあったと思うのですが、そして公開までにたくさんの取材を受けていらっしゃいました。いよいよ公開を迎えて気持ちを伺ってもよろしいでしょうか?

瀬々:この映画は一つの事件を扱っていますけど、一つというか、他にも多数の事件を扱っているんですけど、実際に僕たちは生きていると毎日毎日事件のニュースが絶えず聞こえてくるんですけど、それが使い捨てられてというか消費されて、どんどん更新されていくわけですよね。そういうのに関して、何か一つの事件のことだけ、一つの事件の被害者や加害者に思いを馳せるというのがなかなかできず、どんどん次々に変わっていくというか、そういう部分で被害者や加害者の人たちのことを考えていこうとするような方法というか、それはフィクションとか小説とか映画に求められている仕事の一つだと思って作ったところはあります。そういう部分で、そういう世界に対する憤りみたいなものが若干あったりもするんですけど、そういうことではない。これを観ていただいて今までとは違った目線でまたニュースとかを見ていただけることもできると思うので、ある意味大変な映画をこういういっぱいの劇場でかけられるというのが嬉しいというか画期的なことだと思いますので、製作の人にも配給の人にも宣伝の方にも、まず何より今日ここに来ていただいた皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございます。

MC:ありがとうございます。ここからは一つテーマを話題にしてお話していこうと思います。この映画『友罪』は“友情”が一つのテーマになっておりますが、友情、友達の定義は人それぞれだと思います。キャスト、監督の皆さんも「友達って自分にとって○○です」。ここは別に深刻にならなくても大丈夫でございます。「自分にとって友達は○○です」。○○のところに皆さんは一体何が入るんでしょうか?生田さん、自分にとって友達は何でしょうか?

生田:友達とは、自分を映す鏡みたいなものだと思います。自分と同じような思いを持っていたり、同じような仲間とか同志みたいなものが集まっているなぁと、なんとなく僕は思います。自分の身の回りにいる人たちを見て、自分がどういう人間だということも測れたりもするのかなぁと。そういうところですかね。

MC:瑛太さんはいかがですか?

瑛太:友達っていうのは、友達だと思ってない人ですかね。“この人、友達だ”と思って付き合ってない人ですかね。よく会ったりしていて、“俺、この人と友達だな”とかあまり考えないでいられる人が友達ですかね。

MC:“この人と友達になった”とは思わないっていう。

瑛太:そうですね。

MC:佐藤浩市さん、いきなりですけど…自分にとって友達は何でしょうか?

佐藤:年を取ると簡単なもの。若い時の友達ってすごくいろいろな定義とかハードルが高くなっちゃうじゃないですか、裏切らないものだったりとか。でもある程度年齢を経験すると、“まぁそんなことはいいや!ハードル低くして、友達!友達!友達!”というふうに考えたほうがいいもんじゃないのかなと思いますよ。

MC:これはこれで深い感じがしますね。では夏帆さん、いきましょうか。

夏帆:友達は友達ですよね(笑)。なんだろうなぁ…友達ですよね(笑)。でもたしかに、友達と知り合いの違いは何なんだろうとか考えていたんですけど、浩市さんがおっしゃる通り、友達はやっぱ友達なんだなぁと思って(笑)。すいません、ざっくりしてて(笑)。いろいろ考えたんですけど、対等であるとか、相手にもし何かがあったら自分が絶対に助けてあげたいと思う人とかいろいろ考えたんですけど…一緒にいたいと思う人じゃないですかね、友達って。

MC:わかりました。山本美月さんはどうでしょうか?

山本:すごい。皆さん上手に答えていてすごいと思います(笑)。友達はケーキをきちんと半分こできる人。

MC:かわいい!

山本:(笑)。親だったら娘に多く食べてもらいたいって多くなったりするじゃないですか。マネージャーさんとかにも気を遣って大きく切ったりするじゃないですか(笑)。でも、友達はきちんと半分こしてくれる人かなって。いい距離感で。対等に、それこそ。

MC:わかりました。富田靖子さんはどうでしょうか?

富田:こんな私にも電話をくれる人…いや、ほんっとうに電話が苦手で、自分からLINEまたは電話をするということがないんですけど、そんな私にも年賀状をくれたり電話してくれる人は友達です。

MC:年賀状は来たら返すんですよね。

富田:もちろんです!あぁ…あの…嘘です!

MC:嘘なんですか!?

富田:返さない年もありました!

MC:返したり返さなかったり混乱しませんか?

富田:でも、そんな私でも変わらずに友達は年賀状をくれて。やっぱり返さないんですけど…元気かなぁって。

MC:返しましょうよ!(笑)。

富田:返します!大人として自分もいかがなものかと今話しながら思いました(笑)。

MC:監督はどうですか?

瀬々:友達はもういない。

MC:え!?

瀬々:ほんとです(笑)。佐藤浩市さんが言っていることを逆説的に言っているんですけど、やっぱり僕らは飲み友達というか、もう仕事仲間しかいないんですね、実は。友達と呼べるかどうか怪しいというか、酒は飲んだりはしますけれども。やっぱり友達というと中高の時の純粋な関係を友達だなぁと思うので、そういう意味では、この『友罪』というのは純粋な友達関係で作られている映画だと思っております。