【全起こし】妻夫木聡、子供に「遺伝子は継いで欲しくない」、蒼井優「名前は決めさせて!」映画『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』初日舞台挨拶レポート全文掲載

MC:ありがとうございます。まず山田監督、『東京家族』から数えると4作目ということになりました。シリーズを重ねるごとに、出演者の皆さんが奏でるハーモニーとかアンサンブルのようなものが生まれてきていると思うのですが、今回の作品でなにか感じた変化はありますか?

山田:はっきりと目に見えて、耳に聞こえてということではなくて、撮影しながら、ある時「なんでこんなに皆さんの気持ちが良いバランスで、音楽で言えばとても良いハーモーニーを奏でているのかな」という、そういう瞬間は何度もありました。それは最初の作品から4回目、こうしてみんなと一緒に仕事をして、その年月がものをいってるんだと感じました。

MC:ご覧になっている方も、シリーズを観ていますと関係性のハーモニーを感じていただけているのではないかと思いますが、ありがとうございます。続きまして、キャストの皆さんにもお話を伺っていきますが、シリーズを振り返って印象深いシーンですとか、撮影現場での日々についてお話を伺えればと思いますが、橋爪さん、吉行さんにお聞きします。一作目では離婚の危機に陥ったお二人、今回は最後にラブシーンがございましたね?夫婦間に変化があったように見受けられたのですが?

橋爪:普段からとても仲の良いお友だちというか、先輩なんで。ことさら映画の中で、別にね? とりたてて言うようなことはなかったよね。

吉行:いや、私はすごく嬉しかった。橋爪功じゃなくて、このお父さんがハグをしてくれた時は、本当に嬉しかったです。また新たな気持で(笑)。

山田:普段は橋爪さんが吉行さんを先輩として尊敬してますからね。

橋爪:はい。そうです。

山田:それは僕、感じるな。

吉行:(橋爪が)先輩、先輩って言って、私のことを怖がってるの。この間、テレビでも言ってたんですよ。「吉行さんは怖い」って。

橋爪:あれ観たの?

吉行:観ましたよ!言わなくていいことを。突然名前が出てきたからびっくりしちゃった。

橋爪:(笑)、吉行さんとは本当に長いんですよ。何度も夫婦をやってるし。ね。いろいろあって。いや、いろいろない(笑)。なにもないんだけど(笑)。本当に幸せです、夫婦役をやっているのは。です!

MC:ありがとうございます(笑)。続いては、中嶋さん、正蔵さんにお聞きします。平田家に問題が起きたとなると、いつも一番最初に家族のもとに駆けつけるのがお二人だと思うんですけど、家族とのやりとりで印象に残っているシーンなどがあればお聞かせください。

中嶋:やっぱり家族会議ですかね。今回はさまざまに寄り合って、史絵さん大丈夫?って時に集まることもあれば、まさに家族で話し合わなきゃいけない時もありましたけど、ただ家族会議の中でも家族という形式だけじゃない個人戦が繰り広げられるところが、兄妹だったり婿と義理のお父さんだったり、そういうのが面白くって、アンサンブルというか皆んなのチームワークというのを現場でも楽しんでました。

林家:お兄さんが戻ってくるシーンが、お姉さんを連れてね。本当にいいシーンなんだけど、あれ頭の中が真っ白になるくらいダメ出しされたんで、すごい泣けるんです。あの時、自分頑張ったなって。監督のダメ出しに耐えて。あとお父さんと、お母さんを運転しながら戻ってくる時、マスクをとるシーンがあるのですが、あのマスクも100回近くとったような気がするんですよ。(監督が)「君はどういう気持でマスクをとるんだ!?」って。「指がちゃんと物語らないとダメなんだよ!」って。それ以来、マスクはしないことにしました(笑)。でも、楽しんでいただけたら良かったなと思っています。(会場拍手)ありがとうございます。

MC:まさかあのシーンが、そんなに何回も撮っていたとは、知りませんでした(笑)。もう一回観たいですね。それでは妻夫木さんと蒼井さんにお聞きしたいのですが、ラストにはお二人のこれからの気なる楽しみなお知らせもありましたけど、庄太さんと憲子さんの未来はどうなってほしいですか?

妻夫木:そうでうすね。できれば(子供に)平田家の遺伝子はあまり継いで欲しくはないんですけど(笑)、最近憲子も実家に来てはお腹が減っただの、わりと図々しくなってきたので、僕たちの色に染まってきたのかなと。凸凹ながらも良い家庭が築けたらいいなと、そういう未来があればいいなと思ってます。

蒼井:(子供の)名前は私達に決めさせてほしいです(笑)。

妻夫木:そこは口出すのかな!?

蒼井:絶対、会議開いて、「俺の一文字を使え」って言い始めるから(笑)。

妻夫木:会議いらないでしょ!? それ嫌だなあ。

山田:なるほどね。

蒼井:なるべく、この家族の会議に入れないようにしてあげたいです(笑)。

MC:監督が、いいアイデアが浮かんだみたいな表情をされていましたが(笑)。

山田:最後に誰かが泣き出したりしてね。なんでこんなめでたいことで泣かなきゃいけないんだって。