MC:そうですね。今までの『家族はつらいよ』作品を観ていましても、夏川さんの史枝さんという役は全然止まっていないんですよね。いつも手が動いていたり、家事をされている印象がすごく残っているんですけれども、その大変さというのは今日いらっしゃっている実際の奥様たちが非常に頷いて大変と思うところだと思います。では、これは男性陣に聞いてみたいんですけれども、普段皆さんは家事をされたりするんでしょうか?西村さん、どうですか?
西村:掃除はしますよ。食事も簡単なものだったら自分で作りますよ。
MC:家事の大変さというのは、ご自身は…。
西村:比じゃないですよ。今、夏川さんがおっしゃったように、24時間ですから。休みなし。男は会社に行って帰ってきたらお家で休めるけど、奥さんはずっとだから。スイッチがオンのままだから、大変だと思いますよ。
MC:橋爪さんは家事をなさったりするんですか?
橋爪:しませんよ(笑)。男性の方も今日たくさん来ていらっしゃると思うんですけれども、暗くなることないですよ!主婦だけがテーマではないですから!こう見えて女性陣もいい加減なんですよ。結構個性的な女たちで、だから男としても女性を笑いとばせる映画ですから、そんなに小さくならないで、胸を張ってご覧ください!
MC:たしかに男性陣の肩身が狭そうでしたね(笑)。皆さんも自信をもっていただいて(笑)。妻夫木さんもされるんですか?
妻夫木:僕もちょこちょこしますね。でも、掃除は結構任せちゃったりはしますけども…皿を洗ったりとかご飯を作ったりだとかはたまにします。
MC:正蔵さんはどうでしょうか?
正蔵:林家です(笑)。うちは女性陣が強いもので、もう言いなりです!(笑)。そういう人生を生きています!(笑)。以上でございます!
MC:ありがとうございます(笑)。やっぱりそうなんですね(笑)。
正蔵:追い討ちをかけますか!(笑)。ありがとうございました!
MC:ありがとうございました(笑)。ここで、『妻よ薔薇のように』完成披露を記念しまして、平田家の夫、幸之助さんを演じられました西村さんから、日本全国の主婦であり妻である女性たちを称え、薔薇の花100本をお送りいただきます。代表して、史枝さんを演じられた夏川さんに受け取っていただきます。すごいですね!100本ってこんなにたくさんの量になるんですね。この100本の薔薇というのは、“年を重ねても100パーセントの愛”という意味があるんだそうです。この作品を通じて家事の大切さ、大変さもありますね、妻の存在の大切さを知ってほしいという願いを込めてのプレゼントだということです。
それでは最後に、山田洋次監督より、これから作品をご覧になる皆様へ、また全国でこの作品を楽しみに待っていらっしゃる皆様に向けて一言ご挨拶をよろしくお願いいたします。
山田:今、日本の映画は一般的に言って、大変出演者の平均年齢が低くなっているような気がします。10代、20代全般の若者たちが映画の主役を務めるというケースが近頃多い気がするんだけども、そういう意味では、この作品は大変幅広い年齢の俳優さんによって、幅広い世代の人々の物語を描いたつもりです。特に、日本中の主婦である人たち、それから主婦であった人たち、さらには、これから主婦になろうとする人たち、及びその主婦を妻にする人たち、男性たちに、この映画を心を込めて贈りたいと思います。どうぞ、たくさんの皆さんが来てくださいますように。今日は本当にありがとうございました。
MC:ありがとうございました。それでは、これにて舞台挨拶を終了させていただきます。監督、出演者の皆様、本当にありがとうございました!もう一度大きな拍手でお送りください!
『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』
5月25日(金)全国公開
監督・脚本:山田洋次
脚本:平松恵美子
音楽:久石譲
出演:橋爪功 吉行和子 西村まさ彦 夏川結衣 中嶋朋子 林家正蔵 妻夫木聡 蒼井優
配給:松竹
【ストーリー】 史枝(夏川結衣)は、育ち盛りの息子ふたりと夫・幸之助(西村まさ彦)、その両親3世代で暮らす主婦。ある日、家事の合間にうとうとしていた昼下がり、泥棒に入られ、冷蔵庫に隠しておいたへそくりを盗まれてしまう。夫から「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と嫌味を言われ、余りに気遣いの無い言葉にそれまでたまっていた不満が爆発した史枝は、家を飛び出す。一家の主婦が不在となった平田家は大混乱。身体の具合の悪い富子(幸之助の母/吉行和子)に代わり周造(幸之助の父/橋爪功)が掃除、洗濯、食事の準備と慣れない家事に挑戦するがそんなこと続くわけがない。家族揃って史枝の存在のありがたみをつくづく実感するのだが、史枝が戻ってくる気配は一向にない。家族会議が緊急召集されるが、平田家は崩壊してしまうのか!?
©2018「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」製作委員会