窪田：兄が指標になればいいんですよね。例えばキャバクラにしても、自分なりに楽しめればいいんですけど、器用さがないのが和成ですよね。

MC：観れば観るほど、和成の見え方が結構変わってくるんですよね。人に興味がなさそうで、劇中でも人を殺しそうな目だと言ってましたけど。ご自身的には、和成をどう思っていました？

窪田：言ってることは正しいと思いました。マジメな人ほど発散する場所が見いだせなかったり、仕事の顔と裏の顔がある。自分で自分がわからなくなるのは、正直自分もこの仕事をしていて、ちょっとわかるなと思って。自分が何者なのかわからなくなる。ふと休みのときに何していいかわからないとか。自分の役って何なんだろうとか。そういうのがわからなくなるとき、どこかで爆発するんですよ。あの感覚はわかりますね。

吉田：新井くんがさ、ギャンブルの話とか趣味の話を窪田くんに振っても響いてない感じが、卓司が和成に言って響かない感じとすごいかぶってるよね（笑）。

窪田：響かないですね（笑）。だから知らない間に、自分はどこに行くんだろうとか考えたりしますね。そういうことって男性のほうが多いんですかね？ 女性でもそういうのありますか？（会場、無反応に）全然共感されない（笑）。

MC：ひょっとしたら和成も人によってキャラクターが違うのかなと思いました。和成も真子の前と由利亜の前とではキャラクターが違うじゃないですか。そういうことって女性でも結構あるんじゃないかなと。

窪田：表の顔と裏の顔って誰にでもありますよね？

吉田：逆に言うと裏の顔と表の顔がない奴が卓司みたいなやつ。世の中から見ると「大人になれよ」って言われる。素直なはずなんだけど「大人になれよ」って言われている人。使いやすい、仕事ができるやつっていうのは二面性を持っていて、そっちがスタンダードな感じなのかな。

窪田：社会的には和成のほうが生きていける可能性はあるかもしれないですよね。

MC：ひとつ気になるのが、本当に真子のことが好きだったんでしょうか？

吉田：俺もちょっと、それ思うね。俺が書いたんだけど（笑）。性的対象としてはOKかなってぐらいの感覚でしかない。別れようってなったときも、「別に」っていう気持ちで、「そっか…」っていうのを演じている自分がいる雰囲気かな。

窪田：たぶん付き合ってから、変わっていくタイプかもしれないですね。和成のほうが。お兄ちゃんのほうがずっと変わらないというか。

吉田：でも和成は器用だから、真子の性格にも微妙に合わせるというか。「にゃん」って絶対やんないだろって感じなのに（笑）。あ、これやればいいのね、みたいな（笑）。あれ、台本にないからさ（笑）。富士急に連れて行って、そこで「ニャンってやって」って言って、「今度筧美ちゃん（筧美和子）だけヨリで撮るから」って言ったら、筧美ちゃんが「これ、何用ですか？」って（笑）。「いろんなニャンが欲しいんだよ」って（笑）。

窪田：監督にそう言われて、僕は「はい」って感じで。いくらでも合わせられますね。

MC：卓司と由利亜は、この先どうなっていくんですか？

っｙ：どうにもならないでしょ（笑）。

MC：そこが付き合っちゃえばいいのに。

っｙ：卓司は「ブス嫌だし」って言ってたし、俺の中では、卓司は全然違う国の人と結婚してほしい。あのフィリピーナのおばちゃんと結婚して欲しいなと思います。

MC：緊張されていたという噂が。

っｙ：そうそう（笑）。あのすごいキャラの強い、立川マリさんっていうフィリピーナの太ったおばちゃんで。新井くんは、衣装合わせとかでも会ってないから、「今日、連れている女の人です」って紹介したら、「う…、ああ…」って俺のところ来て、「パンチありますね」って（笑）。

窪田：さすがノーチェンジですね。