【全起こし】二階堂ふみ「自分はこう感じる、自分はこう思ったと、監督も含め全員で話して考えて、それぞれの思いや気持ちをぶつけた作品」『リバーズ・エッジ』ベルリン凱旋・公開記念舞台挨拶 全文開催

MC:ありがとうございます。では続いて、上杉さんにお伺いしたいと思います。観音崎くんは、映画の中で一番喜怒哀楽がはっきりしているキャラクターだったと思うんですよね。観音崎くんを演じるうえで、非常に熱量がありすぎて靴を壊したと聞いたんですけれども。

上杉:そうなんですよ。靴もスタイリストさんが当時の90年代の物を用意してくださって、なかなかダメージがきていたというのもあるんですけれども。パッて見たら履いているんですけれども、底だけ抜けちゃっているんですよ!だから、僕が何も言わなきゃ気づかないんですけど、裏はずっと地面を踏みしめているような状態だったので、途中で僕がその当時の物の色違いを持っていたので、その時は自分の物を使って替えていただいてやらせていただきましたね。

MC:それだけパワフルに演じていたということですよね。

上杉:皆さんもそうですけど、体を使った激しいところが多かったので、結構靴にダメージが蓄積されちゃったのかなという感じですね。

MC:ありがとうございます。では続きまして、SUMIREさんにお伺いします。SUMIREさんの初めての行定組の撮影はどうだったのかということと、実際に過食のシーンは大変だったと思うんですけれども、今回の映画の中での体験はいかがでしたか?

SUMIRE:演技自体がそんなにまだ経験がないんですけど、なんの練習もなく、吐くシーンで「はい、スタート!」みたいな感じで。こずえのキャラクター的に、多く食べて吐くというのが『リバーズ・エッジ』の世界観を彼女なりに表しているのかなと思って、そういう面ではこなせていたのかなと思っています。行定組の撮影も初めてなんですけど、キャストの方たちが年が近かったりして、みんな話しやすかったりしたので、楽しく撮影できたかなと。

MC:そうですよね。二階堂さんと吉沢さんとのシーンもありましたが、共演してみていかがでしたか?

SUMIRE:二人ともお会いしたことがなかったので、この撮影で初めてで、思っていたより気さくというか(笑)、話しやすいというか。ふざけたやりとりとかも、私から仕掛けたりもしたんですけど(笑)、楽しくできたかなと。

MC:二階堂さん、吉沢さん、いかがですか?

二階堂:ムードメーカーでした。

吉沢:ムードメーカーでしたね、完全に。相当おもしろかったですよ(笑)。

二階堂:主にすーちゃんと柊平くんが現場の笑いを作っていたと言っても過言ではないと思います。楽しかったですね。

上杉:いじられていましたね、僕とSUMIREさんは。「盛り上げてよ!」みたいな感じで。体張ってるのは僕とSUMIREちゃんが多かったですかね(笑)。

行定:SUMIREは「まじ吐きますか!?」って言いましたからね(笑)。

SUMIRE:(笑)。

行定:「これ、まじいきます?!」って(笑)。

SUMIRE:気持ちだけを…(笑)。

行定:気持ちだけ伝えようと(笑)。

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MC:ハードで大変だったシーンがあった中で、実はそういう笑いもあったということですね(笑)。ありがとうございます。そして土居さんにもお伺いしたいと思います。土居さんは本当に体を張った演技で、私も魅せられていたんですけれども、特に外見の部分も90年代にマッチしているというか、髪型やメイク、仕草一つもと思ったのですが、これについては何かご自分でアイディアがあったんですか?

土居:私は全然あんな恰好はしないんですが…「どうしようかな」という感じだったんですけど(笑)。前髪は原作を読んでくださった方はわかると思うんですけれども、ずっとルミっちの前髪は上に向かって浮遊しているんですよね。「これを実写化したいな」って監督が衣装合わせの時に言っていて、「これはやりたいね」って。それで、毎朝現場に行ってカーラーを巻いてガンガンに立ち上げてやっていたんですけど、やっぱり風が吹いたりするとペローンとなってくるので、最後の観音崎との河原のところとかも90度ぐらいになっていて(笑)。そんな感じでした。

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MC:髪型一つも苦労していたんですね。ありがとうございます。そして吉沢亮さん、一つひとつが大変なシーンだったと思います。でも皆さん、魅せられましたよね。

吉沢:ありがとうございます。

MC:特にご自分の中でどんなところを苦労されていたのかお聞きしたいです。

吉沢:山田は、周りから見られている山田と、山田自身が持っているもののギャップというか、この作品で山田って、自分が何かを見ているとか何かを発している山田というよりも、他人に見られている山田を撮ることがすごく多かったから、山田自身が発しているものの情報量がすごく少なくて、原作もそうなんですけど。そういう中で余白をどう自分で埋めるのかとひたすら、撮影が始まってからも終わるまでずーっと悩んだ結果、わからないまま終わったという感じだったんですけど。でも、これだけ悩める役に出会えるというのは役者としてとても幸せなことだなぁというのは感じました。

MC:ご自分にとってもすごく響く、残る作品になったということですね。

吉沢:役者人生のなかですごく重要な役だったなぁと思っています。

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