MC:心して(笑)。楽しみに待っています(笑)。ありがとうございます。では続いて岸谷さんに伺いたいんですが、武田役は出向先から古谷さん演じる京極頭取に呼び戻されて、おおぞら銀行の専務に就任するという、いわば実力者の役どころなんですけども、2話からの登場ではありますが予告を拝見した限りでも、とても豪腕と申しましょうか、武闘派と申しましょうか、力強い役どころなのかなという印象を受けたんですけども、ご自分では演じるにあたって一番こだわった点ってどんなところだったんでしょうか?
岸谷:今回の役作りには3つのポイントがありまして、ひとつはオールバック、ピカピカのオールバック。グリースを8話で6つ使いました(笑)。メイクさんが「ちょっと予算が…」って言ってました。そして二つ目は、妊娠8ヶ月ぐらいのお腹。ぜひ2話から見ていただきたいんですけど、ちょうど8ヶ月ぐらいのお腹をしています。そして三つ目は、ふてぶてしさ。これがなかなか、僕が持ってない部分だったので、とても苦労したんですけど(笑)。
MC:そうだったんですね?先ほど、皆さんが控えの場でお話されていて、岸谷さんの髪の毛がすごくピカピカ光ってらっしゃったという、それがグリースの影響なんですか?
岸谷:6つ使いましたから(笑)。メイクさんが「予算がない。あんたの頭のせいで」って。それでもつけてくれって(笑)。もうひとつ、監督の中で武田のこだわりは、テカっても抑えない。2話から8話までテカテカです。だれも抑えてくれない、そんな武田です。よろしくお願いいたします。
MC:ギラギラとした役なんですね。楽しみですね。ありがとうございます。続いて松嶋さんが演じられる立川祥子という女性はですね、おおぞら銀行初の女性支店長で、さらに役員になるという大きな野心を持っているという女性なんですけれども、松嶋さんからご覧になって、こういった女性はどのように映っていますか?
松嶋:とてもたくましいと思います。当時の時代背景を考えても、そういう場というのは女性になかった時期なので、その中でものし上がっていくパワフルさを持ち合わせる人は、なかなかいなかったんじゃないかと。その力強さみたいなものが出せたらいいなと思いながら役作りしました。
MC:女性の力強さ、たくましさが、2話以降どんな風に表現されているのか、皆さんぜひ楽しみにしてください。ちなみ松嶋さんと織田さんは、本作で17年ぶりに共演なさったということで、2000年公開の映画『ホワイトアウト』以来ということで、非常に大きな話題にもなっていますが、松嶋さんは久しぶりに織田さんと共演してみていかがでしたか?
松嶋:当時、実はあまり一緒のシーンがなかったので、久しぶりの共演という感じではなくて、今回初めてお会いしたような気分で。撮影の方が『ホワイトアウト』の方だったので、1話の仕上がりを観た時に、まさに『ホワイトアウト』っぽいカメラワークで、それを思い出させるような、懐かしいような感じもして、とても新鮮でもありました。今回、織田さんより私のほうが有利に立たせてもらっているような役柄だったので、役柄を通じた緊張感は持たずにやらせていただきました。
MC:なるほど、織田さんはいかがでしたでしょうか?
織田:そうですね、『ホワイトアウト』の時以来なんですけど、今おっしゃられたように、撮影をはじめ照明、録音と映画のスタッフがWOWOWをやってるんですけど、ちょっと珍しいというか驚いたことで。松嶋さんとは、本当にこれが初共演みたいな感覚で、実際僕の中では松嶋さんに経済ものをやっているイメージがなかったので。WOWOW経済ものの難しいセリフを松嶋さんはどう言うんだろうなと思っていたら、なんの苦もなくサラサラ~って言われちゃって「あ、あ、あ…」って言うぐらいさすがだなという印象でした。
MC:おふたりがどんな感じになっていくのか楽しみです。ありがとうございます。続いて古谷さん伺いたいんですが、古谷さんが演じられたのは、おおぞら銀行で圧倒的な権力を持つ頭取、京極雅彦。第一話から存在感を見せつけられたという感じなんですけども、先ほどのご挨拶にもありましたように、これまで数々のWOWOWドラマにご出演いただいております。そんな中、本作でご苦労なさった点はありましたか?
古谷:頭取という役で、すごいセットで頭取の部屋を作っていただいて、その空間を埋める存在感みたいなものを出すのは、ちょっと大変だなと思いました。「頭取、頭取」と言われてだんだん自分もその気になり、人に対して人と思わぬようなセリフを言わなきゃいけない。「このハゲ!」みたいなね(笑)。
岸谷:そこまではなかったと思いますが(笑)。
古谷:でもね、内容はそうなんですよ。言葉を柔らかく包んで言ってるから。本質はそうなんです。それを言う時にどれだけのリアリティをもてるか。そういのは考えましたよね。織田くんがぶつかって来て、それを倒していくようなところがあるんで、それなりの存在感をもたないと。小指で倒れちゃうんじゃマズいなっていうのはありましたよね。そんな意識をして作りました。
MC:織田さんは古谷さんとのやりというのは?
織田:初めてご一緒させていただいたんですけども、信じられないくらいのセリフ量なんですね。出てこられるとずっと話されているという役柄で、これを監督がカットかけずにずっとやっていくもんで(笑)、バテちゃうんじゃないかなと。自分の方がふた回りぐらい若いんですけども、自分が今やられてもキツいぞって思うくらいのことをサラッとやって帰られるんで、逆にこっちが間違えられないというプレッシャーでしたね。
MC:その臨場感というのはきっと、画面からも伝わってくるんでしょうね。
織田:たった1回しか観られないのが残念なくらい、いろんな方向から何回も同じセリフを言ってたりとかしてるんですけど、まあみごとに変わらずちゃんとやるんですよね。それを平然と、何の苦労もなくやっているように見えて、途中からセリフにもあったんですけど「あ、人間じゃないかも」っていう。本当に怪物と闘うんだなという気になりました。