【全文掲載】北村匠海「真っ先に消す」中川大志が「見返すと初心に帰る写真」に異論!

MC:清水監督、これから観ていただく皆さんに注目していただきたいポイントですとか、もしくは撮影中に印象に残っているエピソードをそれぞれ伺いたいんですが。

清水:映像のことで言うと、1カット目。映像が始まる最初のカットに注目してもらいたいなという感じですね。あとは特にこの4人ですけど、他のキャストも含めて自分がこういう人間が好きだなっていうふうに描くために、みんながすごく力を貸してくれたというか…、なんて言ったらいいんですかね?

北村:助けましょうか(笑)?

清水:すぐ助けてほしい(笑)。

北村:(笑)。でも、1カット目は映画史に残るというか。

中川:1カット目って言われても多分お客様、あんまりピンときてないと思うんですけど。

清水:映画史に残るまで言っちゃうと(笑)。

北村:いや、言っておきましょうよ。

清水:映画史に残したい!(笑)。

中川:1カット目は、撮影中も大変だったけど。どうなるのこれと思ったけどね。

清水:3回ぐらい回したんだけど失敗したりとかもあったから。

北村:終わったのは朝でしたね。夕方18時から始まって。

中川:ワンテイク目が回ったのが朝の3時とか4時とか?匠海が終わったのは何時?

北村:朝の8時とか9時だったかな。でも、すごい不思議だなと思ったのが、全く苦じゃなかったんですよ。そのワンカットのために、こんだけの時間をかけるっていうことが、誰も苦じゃない感じだったかなっていう。

中川:僕のそばにいた録音部の女の子、ずっと寝てましたけどね。限界で。「来るよ、来るよ!」って録音部の女の子を起こしてたから(笑)。

北村:(笑)。名シーンでございます。

MC:ぜひ期待してください(笑)。そして、映画のタイトル『スクロール』にちなみまして、皆さんが自身のスマホでスクロールして見返したくなる写真にお伺いします。北村さんからお願いします。

北村:正直、携帯で写真を撮るっていう感覚がなくてですね。写真が基本的に200から300枚ぐらいしかななくて。カメラで撮っちゃうっていうのもあるし。でも、さすがに思い出なさすぎるなと思って、今年から撮ろうと思ってるんですけど。スクロールしたいことで言うと、見返したくなるからではなく、恥ずかし過ぎてスクロールし続けちゃうのはメモ帳ですね。内容はもう絶対に言えないんですけど、清水さんともお互いのメモ帳を見せ合ったりしながら。恥ずかしかったですよね(笑)。

清水:恥ずかしいですね、あれは(笑)。

北村:お互いの裸を晒してるような。

清水:誰にも見せない自分だけのメモを見せるって、結構恥ずかしいですよ。

北村:なんで見せあったか忘れたんですけど、多分お互いの恥ずかしいところ見せようっていう、ちょっとエロスティックな流れになったんでしょうね。

清水:エロスティックな流れはないですよ(笑)。

MC:そのメモはどういう時に書き込むんですか?

北村:いつ何時も書いてますね。僕は車の移動中が多くて、ふと思ったことを書くんですけど、自分で書く割に二度と見たくないような恥ずかしい文字が並べられて。日記的なことでもあるし、一言の時もあるし。

清水:でも、いつかそれをみんなに共有したい気持ちがあるんだろうなっていう風に俺は読んだけど。

北村:お互いにそうですよねっていう。

MC:古川さんはいかがですか?

古川:私は実家で2匹兄弟の猫を飼ってるんですけど、その猫が家に来た日の写真を何回も見てしまいます。本当に片手で一匹ずつ持てるぐらい小さかったのに、今はもう1匹1匹重たいので、その軽さも可愛いし大人だった重さも可愛いなっていうのが、その来た日の写真を見ると二重に可愛いです。生まれて1ヶ月ぐらいで保護猫としていただいたので、写真もたくさん残ってます(笑)。

MC:北村さん、こういう時に撮るんですよ(笑)。

北村:勉強になります(笑)。

MC:(笑)。松岡さんはいかがですか?

松岡:私は北村さんと逆で3万枚ぐらいあるんですよ。携帯を更新してもデータフォルダだけは絶対入れるの。なので、北村さんの中学校1年生の写真も(笑)。

北村:マジでやめてくれ(笑)。

中川:出会ったときぐらいの?

松岡:そう。北村くんとは共演5回ぐらい?

北村:5回ぐらい。多分女優さんだと最多共演ですね。

松岡:だから最初に出会ったのが中学校1年生の北村で…

北村:「北村」呼びなんで気にしないでくださいね。ずっと北村呼びなんで。

松岡:かわいかったんですよ、前髪がね〜。それを本当にお見せしたいんだけど(笑)。だから、それはスクロールしちゃいますね。だから写真は2010年ぐらいから残ってますね。

中川:そこからずっと引き継いで?

松岡:大変よ、一日作業!再共演する度に、昔の北村はスクロールしちゃいますね。かわいいなあって。

北村:北村呼びなんで、気にしないでください(笑)。僕の知り合いで、北村呼びは彼女だけです(笑)。初めて共演したドラマがすごい濃かったので、本当に学校の仲間みたいな同級生みたいな感じで。

松岡:学校の机にこんなんなって寝てる寝顔もありますよ(笑)。

北村:まずい。まずいです。

中川:後ほど、映画の公式Twitterで(笑)。

北村:『スクロール』関係ないんで(笑)。

MC:ありがとうございます(笑)。中川さんはありますか?

中川:引っ越した時とかに内見した時に写真撮るじゃないですか。そのまっさらだった頃の部屋の写真とかを、たまに見返しちゃったりしますね。

北村:真っ先に消すね、俺は(笑)。

中川:いや、何もなかったんだ、この頃はっていう。なんもないとこんな広かったんだみたいな。ちょっと来た頃を思い出すじゃないけど、初心に帰れるというか。皆さんもぜひやってみてください。

MC:面白いですね。監督はありますか?

清水:自分の写真とかを見返したりして、若かったなとか。家族とか見ますね、でも写真を見返すってよりも、その時の自分を思い出すって感じですよね。

MC:松岡さんも中一の時の北村さんを見てその時を思い返して(笑)。

松岡:30歳ぐらいになったら許してくれるかもしれないから、そしたら一斉に放出したいと思います(笑)。

北村:もう13年前になりますから(笑)。

MC:ありがとうございます(笑)。最後に主演のお二人からご挨拶をお願いします。

中川:皆さん本日はありがとうございます。匠海と出会ったのが、僕が小学校4年生の時で、匠海が小学校5年生の時で。同じ事務所で演技レッスンを、小学生クラスみたいなので受けて、レッスンの帰りは一緒にファミレス行ってみたいな。そんな頃からでして、10代の頃は一緒に同じオーディションに毎回行って、「また匠海いるよ」みたいな、同じ役を奪い合ってどっちかが落ちてどっちかが受かってみたいなことを繰り返してきた仲でして、その後もすごく意識をする存在というか、匠海が頑張ってる姿を見て自分も頑張ろうと思えるような存在だったんですけども、そんな匠海と20代半ばぐらいになって、こうして同じ映画でダブル主演を務めることができたというか、こうして立ってることがすごく感慨深いというか。なので、ものすごく思い入れのある作品となっております。皆さん、ものすごく愛のある映画なので受け取っていただければなと思います。よろしくお願いいたします。

北村:大志が言ったように、本当に小さい頃から同じ役を取り合ってた、そして仲間である大志と『スクロール』でダブル主演をやることができたのはなんでだろうなぁとか考えると、多分ユウスケと“僕”が表裏一体だから、僕たち2人がこの映画でW主演という形でやれてるのかなっていう。だからきっとこういう形で僕らが共演するのが宿命というか運命というか、この作品でよかったなと思います。『スクロール』で描かれている人間というものは、すごく多面的というか、人は誰しもそうだと思うんですけど、表ではすごくかっこいいことを言って、裏ではものすごくかっこ悪いところがあったりとか、一面だけでは人間なんてものは語れなくて、今回のキャラクターは一人の人間のいろんな角度を見てるような感覚がしました。なのでこの話は皆さんの物語であり、そしてどこかの誰かの話である。そういう視点で見ていただけたら嬉しいですし、皆さんの感想がすごく気になる映画だなと思います。是非ともこの後楽しんでくれてください。ありがとうございました。

『スクロール』
2023年2月3日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本・編集:清水康彦
原作:橋爪駿輝「スクロール」
脚本:金沢知樹 木乃江祐希
出演:北村匠海 中川大志 松岡茉優 古川琴音 水橋研二 莉子 三河悠冴 MEGUMI 金子ノブアキ 忍成修吾 相田翔子
配給:ショウゲート

【ストーリー】 学生時代に友だちだった〈僕〉とユウスケのもとに、友人の森が自殺したという報せが届く。就職はしたものの上司からすべてを否定され、「この社会で夢など見てはいけない」とSNSに想いをアップすることで何とか自分を保っていた〈僕〉と、毎日が楽しければそれでいいと刹那的に生きてきたユウスケ。森の死をきっかけに“生きること・愛すること”を見つめ直す二人に、〈僕〉の書き込みに共鳴し特別な自分になりたいと願う〈私〉と、ユウスケとの結婚がからっぽな心を満たしてくれると信じる菜穂の時間が交錯していく。⻘春の出口に立った4人が見つけた、きらめく明日への入口とは?

©橋爪駿輝/講談社©映画「スクロール」製作委員会

< 123