【全文掲載】岡田准一「男同士の愛というか…、深いところを触り合っている感じ」映画『ヘルドッグス』テーマは“愛”だった!

岡田:今、思い出したんですけど、20年ぐらい経つんですかね。20年前も「本番前、緊張する」って嘘つかれたんですよ。絶対嘘だと思うんですよ。本番始まったら「わー」って言ってみんなを動かしてたんで、多分嘘だと思うんですけど(笑)。今回も20年ぶりに会って、「わー、緊張するー!」って言って、嘘ついてました(笑)。絶対、緊張されないですよね!?

大竹:あんまりしない(笑)。

岡田:やっぱり嘘だったんですね(笑)。

MC:それでは監督にうかがいます。本作は大変人気の原作小説があったわけですが、映画化するにあたって、特にこだわられた点、どういうところがあったんでしょうか?

原田:原作が極道社会をかなり細かく描いているので、その情報をどれだけ映画で、解説にならないで入れられるか、そこが一番大変だったですね。ただ、原作に『地獄の黙示録』の要素はあったし、ですから、そういうところを映像的に広げていこうかというんで、多少原作からそれたところもありますけど、原作者の深町秋生さんもすごく楽しんでいただいて、現場にも見に来てもらったんですけど。ですから苦労というよりは楽しい作業でしたね。基本的には原作を読んだ段階で岡田さんのイメージが浮かんだし、MIYAVIのイメージも浮かんだし、健太郎君はもう会った時に「室岡だ」っていう。そこら辺で、あとは人ありきでどんどんイメージが広がってたっていう感じがあります。

MC:岡田さん、今まで結構ハードなアクションシーンだったりの話なんかもしましたが、男同士の愛にも似た情だったりとか、すごく人間関係とかが厚くて面白いですよね。

岡田:そうですね。男同士の愛というか、全員に対して、深いところを触り合っている感じっていうんですかね?僕は潜入捜査官ということで、嘘をつきながら無表情でバレないようにいるんですけれども、それでもどこか男同士の、そして女性もですけど、触れちゃいけない場所を触れ合っている人たちみたいな。そういう信頼っていうか、何かそういうつながりみたいなものを感じている映画ではありますよね。なんか愛ですね。テーマは。

MC:お時間が迫ってまいりました。最後に作品を代表して主演の岡田さん、そして監督からこれから映画を楽しみにご覧になる皆さんに向けてのメッセージを。まずは監督から願いします。

原田:この作品のキャッチで「98%相性の良いコンビ」って言われてますけど、このキャストも98%以上相性が良かったです。ですから、その演技のアンサンブルの部分を楽しんで頂きたいのと、それをうまく生かしたスタッフ、キャスト、脇の人も含めて、ロケーションも素晴らしいですし、音楽も素晴らしいので、全体的な心で役者個々に目を奪われることなく、すべてのところで、何回観ても楽しめると思うので、一回きりで終わらせないでください。劇場にも足を運んで、何回でも納得のいくまで観てください。よろしくお願いします。

岡田:裏側の話になるかもしれないですけど、例えばお芝居って、そこの場所に行ってセリフ言って、立ち止まって、話して、「じゃあ」って去っていくみたいな段取りみたいな決まったパターンがあって、よく皆さんも見ると思うんですけども。原田監督は、そういうこと全部排除して、「そこにお前はどうしていたいんだ?」とか、「どうしたいの?」っていうことを、エキストラのような役者さんの、端っこにいる役者さんにも役柄をつけて、「今、あなたはなんでそこにいたんですか?なんでそう動くんですか?」って、全部にエネルギーを通すことをされるんですよね。その場のエネルギーを作るということをされる監督で、それが本当に毎回ハリウッド方式で挟み込むように、何テイクも重ねていくんですけども、僕らはメインキャストだけじゃなく、全員がそのカットで被らないようにとか、課題を重ねていくんですよ。そういう全部の細かいとこまで愛情をかけていらっしゃるんですよね。普通、メインキャストがいたら、周りのエキストラの方に、「そこらへんにいて」で済ませたりする現場ももちろんあるんですけど、そうじゃなく全員が動いて、「なんの為に何の意志があって、そこに居るんだ」「今、役者さん隠してないか」とか、全カットに魂を通そうとされる。そういうエネルギーがこの映画には本当に詰まっているというか、全部のキャストの皆さん、全部のスタッフが全員必死で食らいついて集中して撮っていくっていうのが、原田監督の現場なんですよね。そういう熱をこの映画自体も持っている作品になっていると思いますので、その熱を浴びて細やかな熱とハリケーンのような熱をぜひ感じてもらえたら嬉しいなあと思っております。よろしくお願いします。

『ヘルドッグス』
2022年9月16日(金) 全国公開
監督・脚本:原田眞人
原作:深町秋生「ヘルドッグス 地獄の犬たち」
出演:岡田准一 坂口健太郎 松岡茉優 北村一輝 大竹しのぶ
配給:東映 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

【作品概要】 裏社会をドラマティックに描く究極のエンターテインメント。

©2022 「ヘルドッグス」製作委員会

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