MC:ではお話しを伺っていこうと思います。まず西島さん、完成披露の日を迎えて、今の気持ち伺ってもいいですか?
西島:この映画は群像劇で、それぞれが主役のようなストーリーで、こうやって久しぶりにお会いして、あの時の現場どうだったんですかっていうことを改めて聞いて、なるほど、この現場はこういう現場だったんだってことが自分の中で腑に落ちるとうか。そういう作品なんですよ(笑)。観ていただくと分かるんですけど(笑)。僕自身も皆さんに観ていただいて、みんなと会って映画がやっと自分の中で完成するというか。なので非常にうれしく思っています。
MC:監督、この超豪華なキャストを迎えてのクライムエンターテーメント。そもそもの作品の着想はどういうところから?
大森:この映画のプロデューサーと二人でお酒を飲んでる時に、楽しい映画の会話をしながら、「そういう映画、作りたいね」っていう、僕らが観てきたいろんな映画の記憶を辿りながら、「いいね。あの時の音楽いいねぇ」なんて言ってるときに、「そんな映画、観たいね」って言ってるところから生まれてきたので、本当に小さなところから、こんな大きなところに今いる感じはね、映画っていうのはそういうことができるので面白いなと今思ってますけども。
MC:西島さんが今回演じられた安西という男性は、一夜限りの強盗団という裏仕事に参加したことがきっかけで、こんなはずではなかったという展開にどんどん巻き込まれていってしまうという役でした。SNSなどでは今回、西島さんのバイオレンスをすごく楽しみにしてると思うんですよ。演じられていかがでしたか?
西島:最近は結構、穏やかな役が増えていて、あまり確かに暴力にさらされたり、暴力を振るうと言っていいのか分かんないですけど、そういう世界の役を最近やっていなかったので、今回はかなり追い込む人たちが強烈な人たちなので、どんどん本当に追い込まれていく役なので、そういう追い込まれる役をやっている僕が好きな方とか…、そんな人いるか分からないですけど(笑)、楽しみしていらっしゃる方がいらっしゃれば、きっとご期待に添えると思います。
MC:斎藤さん、いかがでしたか?
斎藤:最高ですよ、西島さん。シビレます。この間まで地球を守っていたのに。車も運転してくれるし。貴重な西島秀俊が観られます。
MC:斎藤さんの役は、見るからに怖い萩原という人物を演じられました。役をどういうふうに作っていかれたんでしょう?
斎藤:台本に役割はしっかりと書き込まれていたので、なかなか友達になりたくないような人間像ではあるんですけど、どこか成り得た自分というものにこのキャラクターを自分の中で位置づけしておきたいなという思いで、愛しい想いを持ちながらいろんな足し算、やりすぎたら引き算をしながら、監督と一緒に「行くならとことんいこう」ということでキャラクターを監督と一緒に作ってたという感じです。
MC:西島さんから見た今回の斉藤さんの萩原はどうでした?
西島:背景が見えないけど、何か衝動みたいなものを持っている役で。工くんがそれをちゃんと肉体化、身体化しているっていうか、肉体を感じる役に作り上げていたので、本当にすごいなぁと思いながら。いろんなことを深く考えて役に向かって行ったんだろうなというふうに思いました。
MC:宮沢さんは、今回ラブホテルの従業員、矢野役でしたが、印象が変わっていく役というか演じる側もなかなか難しい部分もあったんではないかと思いますが。
宮沢:多くを語らない青年なので、いかに表情であったり目のお芝居で何かを伝えることを気をつけて演じたんですけども、まず最初は生きていることであったりとか、この世の中に対する不満があって希望が見えないような感じに見えるんですけれども、実は僕が感じている矢野っていうのは、すごく希望を持っていてそんな辛い世の中でも生きていきたいという思いがあるので、そこは目の輝きというか、絶望すると目の輝きがなくなってくるじゃないですか。希望がないと。でも矢野は最後まで目の奥にある輝きみたいなものを失わないでいたいなという思いがあったので、そこは気をつけながら演じました。