MC:ありがとうございます。さて、皆さん、いよいよ明日から公開ということなんですが、この映画に参加されまして、何か教えられたこと学んだことがありますでしょうか?
神尾:役者としては、一人の人生を演じることって、すごく大変だなということを改めて感じました。大義くんの生き様からは、一日一日を大切に、最後まで生き抜くという力強さみたいなものを、すごく教えていただきました。
福本:私も神尾くんと一緒なんですけど、撮影していた頃が私もちょうど20歳だったので、自分の人生と重ね合わせて本を読んでると、本当に涙が止まらなくて、一日一日を大切に生きようって本当に思いましたね。
佐野:僕は大義くんが作曲した曲をピアノで演奏するシーンがあるんですけど、家とかで練習していても全く弾けなくて。それが本番ワンテイクで弾ききれて、大義くんが見てくれていたのかなってすごく感じたので、最後まで生き抜く力強さを大義くんから学びました。
佐藤(美):私は演技をさせていただく機会が今回初めてだったので、演技の難しさ、何回も何回も繰り返し撮る楽しさを覚えたのと、大義先輩のお話は元々、顧問の高橋先生からお聞きしたりとか、中井由梨子さんの本(「20歳のソウル 奇跡の告別式、一日だけのブラスバンド」)を読んで知っていたりはしてたんですけど、映画を通してさらに大義先輩の事をもっと深く知ることができてとても良かったです。自分が明日起きて来られるか分からない、いつ死ぬか分からないっていう状況で、誰もがみんな最終的には死に至ってしまうんですけれども、そこまでの間に自分がどうやって生きるか、自分のやりたいことをやって、悔いのないようにこれからは生きようって、映画の撮影を通して思いました。
MC:神尾さんは、今、「いつ死ぬか分からない」というところで深く頷きましたけど、そういうことは感じました?
神尾:そうですね。そういうセリフがあるんですけど、曲に込めた思いを喋ったりするシーンがあって、そこは普段生きてるとちょっと見落としがちというか、当たり前のことになっちゃってる部分もあったので、それは今回の作品で改めて、その気持ちを大切にしなきゃなっていう風に思いました。
MC:佐藤浩市さんは先生役ということで、若い人たちに何かお伝えすることなどありましたらお願いします。
佐藤:難しいですねえ。でも、本当に自分も若い頃、そんなはずはないんだけど、この今が永遠に続くんじゃないか?みたいに勝手に錯覚してたけど、でもそう思っちゃうと、今起きてる事象をスルーしていっちゃうんですよね。そうではなくて、今はやっぱり今しかないし、だからこそ今起きてること、目の前にあること、それをしっかり記憶にとどめ、そして記憶というのは美化もされれば劣化もするんです。それを自分が止めて、正しく認識して、自分の中にちゃんと入れて行くか。それは絶対将来に役に立つと思いますね。今の過ごし方を大事にしてもらいたいですね。
MC:佐野さん、どうですか?今のコメントは。
佐野:大事にします。ありがとうございます(笑)。
MC:そして秋山監督、一言お願いします。
秋山:この映画は、演出とかは何もしてなくて、市船の吹奏楽部の中に飛び込んで、そこで一緒にもう一度部活の青春を過ごすみたいな。だから本当にみんなが、役として存在してくれてましたし、楓珠くんと佐野さんと浩市さんの3人のシーンがあったんですけど、そのシーンは本当にテストをしなくて、ピアノを弾きながらセリフもあってという難しいシーンだったんですけど、浩市さんが「やってみようよ」って言って、ぴったりだったんですよね。そこはきっと原作の中井さんの思いとか、いろんなものがそこで一つになって、奇跡的な瞬間っていうのがあったのかなと思います。そこはぜひ、注目していただければと思います。