【全文掲載】神尾楓珠「一日一日を大切に」、佐野晶哉「最後まで生き抜く」“伝説の男”から学んだ生き様!

MC:ありがとうございます。今、原作の中井さんのお話が出ましたけど、どこにいらっしゃいますか?ちょっと出てきていただいて宜しいでしょうか?(原作の中井由梨子が登壇)よろしくお願いします。中井さんが、高橋先生のところに「お話聞かしてください」と言ったところから取材が始まって、本になって映画になったという流れがあるということでございます。実はですね、中井さんをお呼びしたのはほかでもないんですけど、佐藤浩市さんが演じられました高橋健一先生からお手紙を頂いておりまして、中井さん宛のお手紙でございまして、代読させていただきます。

中井さん。おめでとうございます。本日は、この場をお借りして、お伝えしたいことがあります。シャイで人思いの、それでいて目立ちたがり屋の浅野大義を数多くの方々の前に連れ出してくれてありがとうございました。心よりお礼申し上げます。私はもちろんのこと、大義を慕う仲間、何より大義のご両親、ゆみちゃん、おじいさま、おばあさま、大義を取り巻く方々が舞台「JASMINE」をご覧になられたとき、小説「20歳のソウル」を読まれたとき、寂しさの中にあふれる幸せを垣間見、中井由梨子という生きることに迷っていたひとりの女性に、私が知る浅野大義について語りに語ったことは間違いでなかったと力強くうなずくことができました。人の縁とは不思議なものです。あの日、大義のお母さんが朝日新聞の「声」に投書されたその小さな、小さな声を、朝日新聞の岩崎さんが朝日新聞の一面に取り上げてくれなかったら。中井さんが名乗らずに突然私のフェイスブックに現れなかったら、大義が今、こうして多くの方々の心に触れることはなかったと考えると、人の縁の不思議さを感じずにはいられません。その縁の中でも大義に恋するほどの情熱を注がれた中井さんの心が、人の心を動かし、現実には起こりえなかった事を現実にされました。まさか映画になるとは。出会ってから瞬く間の5年間、明日から全国ロードショーとは信じられません。感無量とはこのことです。中井さんの湧き上がるメロディーは、利己ではなく利他からくるものなのでしょう。そのメロディは、優しくも力強いエネルギーとなり、こんなに多くの方々の心を突き動かしたんだと思います。私自身は、中井さんが大義を呼んでくださったことにより、もう一度大義と向き合うことができました。ありがとうございました。大義は明日から日本中を旅します。きっと、空から、「やったぜ!日本中の人に会えるぜ!ありがとう、中井さん」という声が聞こえます。明日から、秋山監督と中井さんの手を離れ、『20歳のソウル』という映画は、一人歩きしていきますね。もう見守るだけですね。何度も言わせてください。中井さん、大義をこのように連れてきてくださり、ありがとうございました。高橋健一。

ということです。中井さん、いかがですか?ひとことお願いします。

中井:本当にびっくりしております。高橋先生から、お手紙をいただき、またこのように出演者の方々に温かい眼差しも頂けるという瞬間をとっていただきまして、本当にありがとうございます。浅野大義くんは、お母様、そして妹さんも会場にいらしてくださっておりますが、大義くんを私が連れ戻したことができたとすれば、それはご家族の皆様の本当に温かな気持ちがあったからこそだと思っております。大義くんに2度目の死を迎えさせない。人の心に残り続ける作品にできたのは、このご家族の愛があったからこそだと思います。本当にありがとうございます。あの、一つだけ。164人という数字がよく出回っているんですけれども、実際に浅野大義くんの葬儀に訪れた人は700名以上でした。その長蛇の列が駅まで続き、おじいちゃんに「だれか芸能人の葬儀なのか?」と聞いた人もいたそうです。それほどに愛された大義くんを、これからスクリーンで全国の皆様に、そして世界の皆様に愛していただきたいと思っております。今日、私をこの場に上げてくださった関係者の皆様、秋山監督、俳優の皆様、本当にありがとうございます。そして、ご両親、ありがとうございます。

MC:ありがとうございました。最後に主演の神尾さんから皆さんに一言お願いいたします。

神尾:はい。この映画は本当にたくさんの方の思いと、大義くんの、すごくかっこよく、たくましい生き様が描かれています。この映画を観た方々のことを、大義くんはこれからもずっと見守ってくれているだろうなと思います。本当にたくさんの方に観ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

『20歳のソウル』
2022年5月27日(金) 全国公開
監督:秋山純
原作:中井由梨子「20歳のソウル 奇跡の告別式、一日だけのブラスバンド」
脚本:中井由梨子
主題歌:Kenta Dedachi「Jasmine」
出演:神尾楓珠 佐野晶哉(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.) 尾野真千子 佐藤浩市 福本莉子 前田航基 若林時英 佐藤美咲 宮部のぞみ 松大航也 池田朱那 石崎なつみ 菅原永二 平泉成 塙宣之 石黒賢 高橋克典
配給:日活

【ストーリー】 浅野大義(神尾楓珠)は市立船橋高校吹奏楽部に所属する男の子。担当はトロンボーン。活発で優しく、そして真っすぐな大義は、いつも周囲を明るく照らし、そして大義自身も部員たちに支えられ、青春を謳歌していた。なにより特別な存在である顧問・高橋健一先生(佐藤浩市)に大きな影響を受け、心身共に成長していった。大義は、野球の強豪校でもある市船・野球部のために、オリジナル応援曲の作曲に挑戦。作曲の難しさと葛藤しながらも、高橋先生からの叱咤激励や親友・佐伯斗真(佐野晶哉)の助けもあり、「市船soul」を誕生させる。そして、いざ試合で演奏されるとたちまち得点を呼ぶ“神応援曲”として呼ばれる様になる。高校を卒業した大義は、高橋先生の様な教師を志し音楽大学へ進学、夢に向かってキャンパスライフを過ごしていた。そんな中、ある日突然、大義の身体に異変が襲う。診察の結果、大義の身体は癌に侵されていた…。

©2022「20歳のソウル」製作委員会

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