MC:ありがとうございます。ここからは、SNSで映画に関する質問を募集しましたので、いくつか私の方から読ませていただきます。まず宮城県の方から。「10代の私にも響くものが多くあり、観終わった後、席を立つことがなかなかできませんでした。守りたい人を守れる。そして『助けて』の声に気づくことができる。私がもう少し大人になったとき、そんな社会であってほしいなと願っています。魂が泣かずにいられない。すごすぎる演技を作品を届けてくださり、本当にありがとうございました。健さんが素うどんを食べるシーン、とってもほっこりしました。そこで質問ですが、皆さんがこれを食べると元気になる、心が温まる食べ物はありますか?」。健さん、ありますか?
佐藤:僕は、ご飯もそうなんですけど、やっぱり美味しいごはんを食べて、その後に飲む美味しいお酒にすごく「ああっ…幸せ」って思いますね。でも、和食ですかね。和食をいただいた後に、美味しい日本酒だとかを飲んだら幸せだなあと思いますね。
MC:清原さんはなんでしょうか?
清原:私も和食が好きなんですけど、かぼちゃの煮物とかほっこりしません?(笑)。かぼちゃの煮物をうまく作れた時とか、ほっこりうれしくなるなって今思いました。
MC:ご自分でも作るんですね。
清原:ちょこっとですが(笑)。
MC:監督はなんですか?
瀬々:数の子ですか。数の子が大好きで、正月に食べるのがほんと嬉しいんですよ。
MC:ありがとうございます(笑)。続いて、大阪府の方から。「利根という主役がいながらも、登場するすべてのキャストに物語があり、それをキャストの皆さんが体現されているのがとても印象的でした。佐藤さんに質問なんですけど、倍賞美津子さんが佐藤さんの髪をカットするシーンがありましたが、そこで本当に切ってしまったそうなんですが、健さんは気付いていましたか? その後のヘアースタイルで撮影に影響なかったのですか?」。
佐藤:僕も撮影後の取材でみんなから言われて知ったんです。僕、切られてたんですか(笑)?
瀬々:ちょっとだけ、ハサミが入ったんじゃないですかね?
佐藤:何も知らされてないです(笑)。全然構わないんですよ(笑)。構わないけど、知らなかったなーって。言ってくれればいいのになぁって。むしろ、切らないようにする、切ってないよって聞いてたんで。切られてたんですね…(笑)。
瀬々:思わず入っちゃったっていうことですよ。倍賞さんのハサミが。イージーミスです(笑)。
佐藤:ミス!?(笑)。
MC:そして、せっかくですから、ご来場の皆様からの質問にも答えたいと思います。会場に皆様に書いていただいた質問を箱の中に入れていただきました。じゃあ監督から1個を引いていただいて、読み上げてください。
瀬々:はい。「皆さんに質問です。役作りが大変だったと思いますが、クランクアップしてから役が抜けるまでどのくらいかかりますか?」という質問です。
佐藤:ちょっとこれ、先に答えて。
清原:分かりました。そうですねえ…、もちろん役によるとは思うんですけど、“入った”っていう感覚より“抜けた”という感覚のほうが感じづらいような気がしていて。ついこの間まで同じ役をずっと1年間、私も演じていて、もう次の現場にいるんですけど、「抜けたのかどうなのか分からないけど、役入れよう」みたいな(笑)。わりと力ずくみたいな(笑)。
佐藤:そういう感覚はないんだよね(笑)。僕はどっちかというと、入った感覚もない。分からないですね。だから友達に「役の時と違うね」と言われるんですけど、無自覚なんですよね。分からないんですよね。抜けるとか入るとか。
MC:役を抜くために旅行に行く方もいるじゃないですか?
佐藤:理論が分からない。なんで海外旅行に行くと抜けるの? その理論がを説明してほしい(笑)。どういうこと?
MC:理論とかうるさいなあ(笑)。
佐藤:飛行機のスピードで抜けるってこと? 高いところへ行くと抜けるってこと? 分からない(笑)。
MC:監督はどう思いますか?
瀬々:役になりきるっていうこともあるかも知れませけど、やっぱり普段の佐藤さんや清原さんが映ってるんですよ。延長線上というか。だから面白いと思うんですね。境目っていうか、そういうもんだと思うんですけど、だから映画の演技って面白いなあと、僕はいつも思って皆さんのことを見てるんですけどね。
MC:なるほど。続いて、質問を清原さんにひいてもらいましょうか。
清原:はい。「健さんへ質問です。おヒゲ姿がこれまたかっこいいですね。ご自分では、おヒゲスタイルはどう感じていらっしゃいますか? ありですか?」と書かれております(笑)。
佐藤:ありかなしかで言ったら、ありなのかな(笑)。なしだと思ってやってるのが、全国の皆様に大画面で観られる見られるなんてねえ(笑)。
MC:清原さんから見て、ありですか?
清原:ありだと思います。でも私…、見ましたっけ、撮影中に(笑)?
佐藤:俺、ヒゲ生えてたっけ?
瀬々:最初の方は生えてますよ。ちょろっと。あるシーンでは。
MC:清原さんは、面と向かってヒゲは見てない?
清原:見たことないんですけど。あり…(笑)。
佐藤:覚えてなかったじゃん(笑)。まあ、俺もそうだけど(笑)。
清原:お会いした時に、ヒゲの印象がなかったんですけど、きっとなしではないと思うので、絶対。
佐藤:役者をやっていて、今までやっていた役から変わると安心できるんですよ。だからヒゲだとか髪型とか、変えたくなるんですよね。一つの拠り所と言いますか。本当はそんなところに頼らずに表現できたら一番いいなと思うんですけど。私はまだまだなので、ヒゲだとかに頼らせていただこうと思っております。
MC:それではもう一個質問いきましょうか。最後は健さんから。
佐藤:「皆さんへ質問です。ご友人やご家族など映画を観た方々からの反響はありましたか?」僕はありましたよ。親から。母親はもう2回か3回観てくれたらしくて、まだ観たいと言ってくれてますね。「いろいろ考えさせられるねー。利根くん、かわいそうだねー」って(笑)。うちの母親は皆様の感想だとかも血眼になって見てるので(笑)。その皆様からの感想も「いいことばっかり書いてあって嬉しいねぇ」って(笑)。
MC:清原さんは?
清原:私も親から連絡もらって、「すごい役だったね。観たよ」って。結構シンプルな言葉をもらいました(笑)。毎回、何かに出るたびに観てくれるんですけど。観てくれて良かったと思いましたね。
MC:監督はいかがですか?
瀬々:同居人が映画館で観てくれたんですけど。
MC:同居人?
佐藤:新事実(笑)。
瀬々:まあ家では仕事の話はしないようにしてるんで。
佐藤:でも、試写が終わった後に監督にいろんな人が感想を言うじゃないですか? 作品ごとの温度で分かりますか?
瀬々:違うね、でも当てにならないんだよね。試写会でめっちゃ評判が良くても、後でダメになることってあるし。その逆も然りですけどね。なかなか難しいですよね。
MC:じゃあ同居人さんからの感想はあまり聞いてないと。
瀬々:その代わり、すき焼きを作ってくれました(笑)。
MC:それは評判良かったということじゃないですかね(笑)。ありがとうございます。そろそろお時間が来てしまいました。最後に、佐藤さんの方から会場の皆様に一言御挨拶をお願いします。
佐藤:本日、短い間でしたけどもありがとうございました。日々生きてて自分ひとりで抱えきれないほどの感情だったりとか、モヤモヤだったりとか、本当は声を大にして叫びたかったり、伝えたかったりするんだけど、言えないことだとかあると思うんですよ。僕個人的なんですけど、あんまり芝居で怒鳴ったり叫んだりするのが好みじゃないというか、あんまり好んでそういうことをしないんですけど、今回の作品に関しては皆さんの思いを背負ったつもりで、思いっきり叫ばさせていただきました。今の苦しい世の中に生きるすべての皆様に、この映画をお届けしたいと思います。本日はありがとうございました。
『護られなかった者たちへ』
10月1日(金) 全国公開
監督・脚本:瀬々敬久
原作:中山七里「護られなかった者たちへ」
脚本:林民夫
音楽:村松崇継
主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」
出演:佐藤健 阿部寛 清原果耶 林遣都 永山瑛太 緒形直人 岩松了 波岡一喜 奥貫薫 井之脇海 宇野祥平 黒田大輔 西田尚美 千原せいじ 原日出子 鶴見辰吾 三宅裕司 吉岡秀隆 倍賞美津子
配給:松竹
【ストーリー】 全身を縛られたまま“餓死”させられるという不可解な連続殺人事件が発生。捜査線上に浮かび上がったのは、過去に起こした事件で服役し、出所したばかりの利根(佐藤健)という男。刑事の笘篠(阿部寛)は利根を追い詰めていくが、決定的な確証がつかめないまま、第3の事件が起きようとしていた。なぜ、このような無残な殺し方をしたのか?利根の過去に何があったのか?さまざまな想いが交錯する中、やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃の真実が明らかになっていく…。
©2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会