【全文掲載】金子大地、黒木華と2人きりの車中で「ほぐしてくれて…」 奈緒、“不倫夫”柄本佑は「珍味すぎる」

MC:そして奈緒さん。千佳さんは、ある意味元凶になっている部分もありながら、漫画愛に溢れた行動をとっているとも言える素晴らしい魅力的なキャラクターだったんですけれども、俊夫を手のひらで翻弄してるような感じは爽快にも見えたんですが、この映画をご覧になってどんな感想を持ちになりました?

奈緒:脚本を読んだときから本当にお話が面白いって思っていたので、台本を読み終わったあとも本当に声に出して千佳さんみたいに「面白い!」って言ったんですよ(笑)。どういうふうに映像化されるんだろうと思ってたんですけど、漫画と実写がどう切り替わっていくのかなとかも、初めて観る感覚でわくわくしましたし、あっという間に観終わってしまって、最終的にすごくミステリーだったなぁというか、最後までどっちなんだろうっていう、すごく余白の多い映画になったと思うので、この映画だったら不倫を題材にしてるけど家族でも観に来れるんじゃないかって思いました(笑)。

柄本:全然いいんじゃないですかね。ファミリームービー? ファミリームービーではないか(笑)。でも、そのぐらい健康的に不倫を描いてますので。あと千佳さんは、現場中もそうでしたけど、結局一番楽しんだのは千佳さんじゃね?っていう(笑)。俺とのことは本当に遊びだったのねっていう(笑)。そこらへんの爽やかさもありますよね。それを奈緒さんが演じることによって、とっても可愛らしい、本当にピョンって膝の上に乗ってきちゃったのねって、その後スルッといなくなったのねみたいな(笑)。それは奈緒ちゃんの持つ魅力で出てるのかなというふうに思ってます。

MC:最初は、こんな人が夫の近くにいたら嫌だなと思いながら観てたんですけど、途中から友達に欲しいないって思いました(笑)。奈緒さんは、何か心がけていたことはあったのですか?

奈緒:最初に監督とお会いした時に話したんですけど、不倫相手という設定ではあるんですけど、人間としてすごい竹を割ったような不倫をしている人だと思って、千佳さんの愛はもちろん俊夫先生も好きだけど、佐和子先生のこともすごい好きで、もっと言うと漫画が一番好きっていう作品愛に優れた人だったので、そこだけ握り締めてあとは現場で楽しもうって思ってましたね。ただ、俊夫さんは不倫常習犯の方じゃないので、最初に選ぶ不倫相手というか、選んだ不倫相手がちょっと珍味すぎるんじゃないかと思って(笑)。しかも奥さんの担当編集ですし、私は千佳さんすごいなーと思ってましたけど、そういう俊夫さんの選んだ相手としても俊夫さんはやっぱり憎めないなぁと思いました。

MC:佐和子先生はライバルというか、夫を追っていく女性のはずなんですけど、編集者としても共闘していかなきゃいけない、そのあたりはどうご覧になりますか、黒木さん。

黒木:やっぱり優秀なんだと思うんですよね。千佳さんがすごく。すごく信頼できる、あっけらかんとした性格もそうですし、仕事として俊夫さんを任せられるといいますか、そういう面があるっていうところがすごく大きいのかなって思いますね。出てくる女の人がみんなやっぱり強いというか、しっかりしてらっしゃるので。

MC:ありがとうございますとにかく魅力的なキャラクターにあふれた作品なんですが、今トークの中でも出てきましたスカッとした爽快だったという感想が上がっているんですけども、そこで皆さんにこの夏に経験した想像以上に爽快だったことをお聞きしたいと思います。堀江監督からどうぞ。

堀江:昨日、妻に「僕が爽快そうな顔をしていたときなかった?」と聞いたら、妻が洗面所で洗濯洗剤を床にぶちまけてしまったんですね。「その掃除をやった後が一番爽快そうな顔をしていた」と聞きました(笑)。気づいたら3時間ぐらい経ってたので(笑)。夢中で洗濯洗剤を拭き続けましたね(笑)。スイッチが入ってしまって(笑)。「すごい良い顔してた」って(笑)。

MC:黒木さんはいかがでしょうか?

黒木:舞台でフライングしていること。思っているより飛んでます(笑)。ちょっと舞台をやっていて、空を飛んでいるんですけど、それが結構爽快ですね。高さは10何メートルかなんですけど、ハーネスを付けて飛んでいて、高いところは好きみたいで爽快ですね。いい景色です。普段見ない目線の世界が広がってますね。

MC:ありがとうございます。柄本さんはいかがでしょうか?

柄本:とある地方ロケで、撮影前6カットあったところ、引きのワンカットでそのシーンがOKになった。撮影というのは、シーンの中にセリフがあったりするんですけれども、このセリフは寄ってとか、引いてとかってやるんですよ。で、そのシーンは作品の中でも重要なシーンだったんですけど、そのシーンを撮影前に確認をしたら監督の台本の中には線が5本入ってて、6カットで割ってあると。「まず引きの1カットを最初から最後までやります。その後、残りの5カットは寄りで一言一言もらっていきます」みたいなことで、いざ最初から最後までのカットをやって、助監督の方が監督に「じゃあ次、このセリフのカットはどうしますか?」みたいな事を言ったら、監督が「そんなもん、いらん! OK! 今ので分かる!」とおっしゃられて。そういうのはスッキリしますね。別に割らないのが良いというわけではないんですけど、最初から最後までやって、「今の引きで分かる」って言っていただけると、やりがいもありますし、スッキリしますよね。