【全文掲載】山田涼介は「中心に立つべき方。私の中身を見てくれていた」、芳根京子が『記憶屋』座長に感謝!

MC:ありがとうございます。山田さんは、ありますか?

山田:僕はジャニー(喜多川)さんですけど。ジャニーズJr.時代に、ジャニーさんから急に電話がかかってきて、なんだろうと思って出たら、「YOUのこと、もうキライだよ!」って急に言われたんですよ。「何を言ってるんだろう?」と思うじゃないですか。理由を聞いたら、「なるほどなあ」と。僕とは関係ないことだったんですけど、なんで俺、関係ないのに嫌われてるんだろうと思いながら、でも社長に嫌われちゃったし、「もう残れないだろうな」と思ったんですね。で、そのまま、なんやかんや続けることができて、それから数年経ってまだJr.だったんですけど、そのときに滝沢(秀明)くんの舞台に出させてもらったときに、自分がソロで舞台上で踊らせてもらう機会があったんですね。その踊った公演後に急にジャニーさんバーっと楽屋に走ってきて、僕のことを抱きしめて『YOU、最高だよ!』って言ったんですよ(笑)。この人、わけわかんないなと思ったんですね(笑)。でも、それがジャニーさんなんだよなって(笑)。その時々を生きている人。その記憶は忘れられないですね。

MC:「嫌いだよ」は、インパクト大きいですよね?

山田:「嫌いだよ」は、やっぱり終わったなと思いますよね? でも、「最高だよ」って言ってくれたので…。何を思って「嫌いだよ」と言って、なにを思って「最高だよ」と言ったのかは分かんないですけど、その時々を生きている人なので。それは忘れられないなと。

MC:監督は皆さんの話を聞いて、いかがですか?

平川:「嫌い」というのは、「好き」があるからですよね。「好き」があるから「嫌い」になる。だから「好き」だったんじゃないですか?

山田:(天を見上げて)ジャニーさん、どうなのかなあ? ジャニーさん、どうよ? そうか。好きだったみたいです(笑)。

MC:好きじゃないと嫌いにはなれないですからね。ありがとうございます。監督はご自身のエピソードはございますか?

平川:僕は就職するときに、亡くなった父に「とにかく一生懸命やれと。そしたら誰かが見ていてくれる」と。それだけを信じて、こんなところまで来ました。本当にありがたい話だなと思います。とにかく一生懸命やるだけかなと。

MC:ありがとうございます。本作は記憶を巡る愛の物語ということで、きっと記憶に残る作品になったと思います。すいません、ここからはキャストの皆さんには秘密にしていました、平川監督から感謝の気持ちを伝えたいということで、メッセージをお手紙にしたためていただいております。

平川:もちろん、感謝の気持ちはあるんですけど、宣伝部の人が「やれやれ」と(笑)。

山田:そんなことは言わなくていいですよ(笑)。

平川:そうですか(笑)。すいません。僭越ながら。

キャストの皆様へ
一年前に撮影して作った映画『記憶屋 あなたを忘れない』がついに公開を迎えました。山田くん、初めて山田くんに会ったとき、あなたの顔の美しさに「きれいだね」と思わず言ってしまうほど、アイドルとして第一線で活躍するあなたに圧倒されたのを今でも覚えています。でも、それは外見の美しさだけではなく、内面の美しさだったということに、ここにきて知った気がします。それは撮影が始まると、俳優・山田涼介が遼一としてそこにいてくれたから。撮影中によく意見を交し、時には納得いかない部分もあったと思います。完成した映画を観た山田くんは、平川ワールドですねと言ってくれましたが、僕からしたら、山田ワールドにもなった作品だと思います。同じ事務所の先輩方とも仕事をしたことがある僕は、クランクインするまで山田くんに対して、木村拓哉さん、岡田准一さん、二宮和也さんに通じる系譜だと勝手に思っていましたが、撮影が進むにつれて山田くんは先輩方とはまた違ったオリジナリティを持っている唯一無二の存在だと感じました。この先、山田くんが持っている自分の色を大切にいろいろな作品に挑戦していってほしいと思いますし、また一緒に作品を作れることを願っています。

そして、芳根さん。私の要求がとても多かったと、少し反省しております。ほんの少しです(笑)。この作品では、真希という役が、最も難しかったかもしれません。それでも僕がイメージする真希に近づけようと、何度も何度も表現する姿には、思わず胸が熱くなりました。本当に撮影中は辛かったと、苦しかったことと思います。何度も涙を流させてしまって、ごめんなさい。女優・芳根京子に出会えて良かったと思っております。

最後に、佐々木蔵之介さん、蓮佛美沙子さん。撮影前からいろいろなご意見をいただき、また現場でも忠実なお芝居で非常に助けられました。本当にありがとうございました。

本日、無事に映画公開を迎えられたのは、今日ここに一緒に立っている方たちをはじめとする、キャスト・スタッフ、皆様のおかげです。皆さん、一人一人に感謝を伝えていきたいところですが、お時間も限られておりますので、この辺にしておきます。また、皆さんとお仕事ができることを、楽しみにしております。

平川雄一朗

MC:ありがとうございます。山田さん、いかがでしたか?

山田:すごくフラッシュバックしましたね。僕ももちろんそうなんですけど、芳根さんが本当に大変なお芝居をされている中で、監督から「もう一回、もう一回」と、何度も何度もテイクを重ねていく中でも、負けじと前回よりも良いお芝居を何度も繰り返す姿勢がすごく僕は見ていて感動しましたし、そこに対する監督の愛というか、皆さんに対してもですが、すごくこの作品に対して愛を持って接してくれているんだなと思いながらも、納得いかない部分もたくさんあって。でも本当にこの映画を観てくださった方は分かる通り、平川監督だからこそ撮れた作品なんだと、僕たちキャスト全員が思っていると思いますし、そこは本当に僕たちも監督に感謝しているので、みんなで力を合わせてこの作品ができて良かったと改めて監督のお手紙をいただいて、そう思いました。

MC:同時に、監督は山田ワールドでもあるとおっしゃってましたけど。

平川:いろいろな山田くんを見たいと思って、本を作ったので。

山田:山田ワールド(笑)。いろんな僕、見られましたか、監督? あと、監督は絶対言われたくないと思うんですけど、僕すごく嬉しかったというか、えーっと思ったのが、監督がクランクアップのときに涙されていたじゃないですか?

平川:そうでした? 覚えてないなあ(笑)。記憶にございません(笑)。

山田:絶対、言われたくないとは思ったんですけど(笑)。泣いていらっしゃいまして、本当に強い思いを持ってこの作品に挑んでいたんだなと思いましたし、僕たちが知らないところでの、僕の目線で言うのも変なんですけど、監督の努力というか、この作品に対してどこまでできるのかということを常に模索しながらこの作品に挑んでいたんだなと、クランクアップのときに感じまして。だからこの作品が完成したときに、平川ワールド全開だなと、温かい気持ちになったんですね。山田ワールドなんて、そんなの置いておきましょう(笑)。