【全文掲載】岩田剛典「七三分けの髪型とメガネとスリーピーススーツに助けられた」、賀来賢人「心に引っかかるものが残った」

MC:そして納得いく作品ができたと。さて、ここでイベントのオープニングで本作の主題歌、「僕らを待つ場所」を歌っていただきました、AIさんにご登場いただきたいと思います。大きな拍手でお迎えください。よろしくお願いいたします。先程、こちらの舞台で主題歌を歌っていただいましたが、この曲にはどのような曲が込められているのでしょうか?

AI:最初は『AI崩壊』というタイトルを聞いたときは本当にどうしようかなと迷ったんですけど、映画を観させていただいて、自分には子どもがいるんですけど、そういう部分で共感できたりとか、いろいろなものに自分も頼っていて、AIがないと生活がしにくいというところでも。元に戻るというのが、ものすごく大事だというか、この映画でも思い出させてもらったというか。曲も自分の元にいた場所に戻るということを、かなり真剣に歌ったんですけど。最初は歌えなくなるぐらい感動しました。この曲はシングルにしたくて、『AI崩壊』の主題歌ですけど、生々しい声というか機械的な感じにしないでしゃべっているように歌いたいなと思って。人間の持っている優しさとかを出したいなと思って作りました。

MC:大沢さん、AIさんの歌声を聴いていかがでしたか?

AI:最初に、この映画に入る前に、主題歌をAIさんにお願いしていると聞いて、「それ、ひっかけてるの?」と言ったぐらい(笑)、どういう方なのかなと。制作サイドも深い思いがあって、オファーをしていると聞いて、実際に曲を聴かせていただいて、AIの映画で未来の映画なんだけど、やはりそこには人のつながりがあって、愛があって。原点があって初めていろんなものを、テクノロジーみたいなものを乗り越えられる、それをなくしてはなかなかこれからの時代を生きにくいんじゃないかと思っていて。この歌をいただけたことで、この作品が色づいたというか。最後に花を咲かせてくれたなと心から感謝してます。今日はなぜかステージの後ろで歌を聴かなくてはいけなくて(笑)。それは悲しかったです(笑)。

MC:松嶋さんは、AIさんの愛のこもった歌声はどのように響きましたか?

松嶋:とても重厚感があって、優しくて、力強くて。とにかく優しさがすごく溢れているなというのを感じて、本当にこの作品をさらに素晴らしいものにしてくれたと思います。

MC:AIさん、キャストの皆さんの感想を聞いて、いかがですか?

AI:今のを録音して世界中に聞いてもらいたいです、ありがとうございます(笑)。

MC:入江監督がミュージックビデオの監督もされたということでございます。それでは最後に、これから映画をご覧になる皆さんに、代表して監督と大沢さんよりメッセージをいただきたいと思います。まずは入江監督、お願いします。

入江:本作は日本映画の大作としては珍しく、オリジナル脚本で、ここまでこれたことをまず、キャストと大勢のスタッフの方に感謝したいと思います。子供のときに映画を観て、映画って面白いなと思ったのが『AI崩壊』で描かれる近未来のパニック映画で、地方都市で生活して、友達もいなくて、映画館にこもるようなガキンチョだったんですけど、そんなガキンチョを救ってくれたのが映画というもので、『AI崩壊』はそういう作品となって、日本全国の人に届いたらいいなと思ってたんですけど、さっきAIさんの話を聞いて、僕らを待つ場所って、僕にとっては映画館だと思って。映画館があるから僕は人生を生きてこられたというか。そういうことを思い出しました。公開まであと2週間ちょっとなんですけど、ぜひ日本全国でかつての僕のように映画を拠り所にしているような子供や、もしくは大人の方にこの映画を届けられるようにぜひお力を貸してくれたら嬉しいです。映画をぜひ楽しんでください。どうもありがとうございました。

MC:それでは大沢さん、お願いします。

大沢:今日は映画上映までこんなに長い時間付き合っていただき、本当にありがとうございました。なんか、みんなの顔が疲れてきているように見えるんですが、ちょっと映画の前に大丈夫かなと心配しているんですけど(笑)。この作品は本当に挑戦している作品で、僕たち映画人は、インターネットとかTVドラマも、生き残りをかけて戦う中で、僕は映画人として、映画俳優の1人として、本気で向き合わないと勝ち残っていけないし、自分も消えそうだなと思って。同じく映画界だけ見ても、アジアの映画がどんどん頑張っていて、アメリカの映画も頑張っていて、日本の映画が負けそうなぐらいしんどい時期だと思うんですよね。そんな中で、それでも戦って評価されたいし、まだまだ日本映画はすてたもんじゃないと思われたいと思って、監督やプロデューサーさんと話して、こういう挑戦する作品を思い切って作っていきました。それに参加してくれた皆さんと、その気持ちに応えて自分たちができることを全力でトライしたいと、プロの人達が集まってできたのがこの作品です。ものすごいエネルギーの強い作品ですし、ハラハラドキドキもするんですけど、2020年の日本映画はこれぐらいのものが、これからどんどん作られるんじゃないかという思いも含めて、今日僕は自信を持ってこの場所に立っております。皆さんは、その最初の目撃者として今日、これからの上映を、これからの僕らが、エンターテイメントの未来を感じながら、ぜひ期待を込めて。また厳しい言葉もいただきながら、頑張っていきたいと思いますので、今日は映画を楽しんでいってください。ありがとうございました。

『AI崩壊』
2020年1月31日(金) 全国公開
監督・脚本:入江悠
主題歌:AI「僕らを待つ場所」
出演:大沢たかお 賀来賢人 広瀬アリス 岩田剛典 髙嶋政宏 芦名星 玉城ティナ 余貴美子 松嶋菜々子 三浦友和
配給:ワーナー・ブラザース映画

【ストーリー】 10年後の未来。全国民の個人情報や健康を完全に管理し、生活に欠かせない存在になったAIが突如暴走。人間の生きる価値を選別し殺戮を始めた。日本中がパニックに陥る中、AI暴走のテロリストに断定されたのは開発者の桐生浩介(大沢たかお)。彼には、自身が開発したAIに対する国の認可が間に合わず、妻を亡くした過去があった。警察は最新のAI監視網で逃亡者となった桐生を追い詰める。AIはなぜ暴走したのか。決死の逃亡劇は衝撃の結末へ。

©2019映画「AI崩壊」製作委員会

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