MC:ここで皆様にご報告したいことがあります。第76回ベネチア国際映画祭公式イベント“ジャパン・フォーカス”、そして第24回釜山国際映画祭アジア映画の窓部門への正式出品が決定しております! (スクリーンにイベントの模様が映し出され)今週、ベネチア国際映画祭にてイベントと上映が行われまして、キャストの村上虹郎さんがプロデューサーと一緒に写ってますね(笑)。
綾野:虹郎カッコいいね。なんか主演たる感じで(笑)。
MC:虹郎さんが行ってくれまして、今回レッドカーペットを歩かれました。そのとき村上虹郎さんがこんなことをおっしゃってくれました。「日本映画の良さをもっと伝えていきたい」と、『楽園』を世界に向けて堂々とアピールしてくれていました。現地でも非常に称賛を浴びておりまして、それに対してどのようなお気持ちでしょうか? 綾野さんから参りましょうか?
綾野:素直に嬉しいですよね。映画祭って、本当にいろいろな国の作品が集まって、そこから発信していくので、僕も虹郎くんが言うように、自分が世界に行くということよりも、日本の作品を世界に持っていきたいと思いがずっと強かったので、その中で自分が行くことも必要だと学びましたし、映画祭という場所がもっと豊かになっていけばといいなと思いますね。東京国際映画祭もそうですけど。はい。
MC:杉咲さんはいかがですか?
杉咲:私もすごく嬉しですし、長野での実際のお祭りのシーンもたくさん出てきて、日本の文化とかも楽しんでいただけるんじゃないかと思いました。
MC:ありがとうございます。佐藤浩市さんはいかがですか?
佐藤:言語を超えて人がわかり合えるのが映画だと思って作ってますので、宗教とか慣習、習慣は難しいものがありますけど、それでも何かひとつ人間として、通ずるものを映像から感じてもらえると思って日本映画を発信していきたいと思います。
MC:ありがとうございます。片岡礼子さんはいかがですか?
片岡:物語の舞台が、本当に日本の舞台の小さな小さな村の出来事だからこそ、自分が思っているよりも海外のどの場所でも意外に、すごく伝わる、同じようなことがあるんじゃないかなと思ったので、現地で観た方の反応とか感想をぜひ一度日本まで届けてほしいなと思います。
MC:ありがとうございます。瀬々監督はいかがでしょうか?
瀬々:いろいろ今、外国との関係が難しい時代になってますけど、この映画の中で描かれているのは、限界集落での差別とか、外国人差別とか、そういうものが背景にあったりするんですけど、やっぱり最終的には隣の人と手を結ぶというか、そういう世界が『楽園』に通じるということも思いつつ作った映画なので、日本も含めて、今の現状を含めてそういうところに触れながら伝わっていけばいい感じだと思ってますので、そういう角度からも観てほしいなと思いますね。
MC:ありがとうございます。綾野さんと杉咲さんは、なにか共演されてエピソードですとか、思い出のシーンはございますか?
綾野:僕はずっとご一緒したかったので、過去にもドラマのワンシーンだけ一緒になったことがあるんですけど、ちゃんとお芝居を、感情を通して向き合うのは初めてだったので、願いが叶ったなということと、授賞式でも何回かお会いしていて、「ぜひご一緒したいですね」って言いながら…。ね? なんだこの空気(笑)。いや、分かる分かる(笑)。でも、この映画の中に映ってると思うんですよね、ちゃんと2人が返した機微みたいなものが、ちょっとしたことなんだけど、全てを変えるぐらいのちょっとしたことが起こるので、杉咲さんと共にそのベクトルに向かっていけたのは良い経験でしたし、またすぐに共演したいですね。
MC:対話劇でしたもんね。
綾野:どちらも受けなので、なおさら。浩一さんもそうですけど。
MC:杉咲さんはいかがですか?
杉咲:個人的に勝手に、きっと綾野さんは役柄によって入り込まれる方なのかなと思っていて、クランクインの日に、お話できることはないんじゃないかと思っていたんですけど。椅子に綾野さんが座っていらっしゃって、近づかないほうが良いかなと思って、その辺をフラフラ歩いていたら「花、おいでよ! 横に座りなよ!」と言ってくださって、全然映画とは関係ない楽しい話とかをいっぱいしてくださいましたし、撮休日には美味しいご飯に連れて行ってくださったりとか、誕生日を迎えたりもしたんですけど、お祝いをしてくださって、プレゼントを2つもくださって(笑)。それもすごい嬉しくて、本当に優しくしていただきました(笑)。
綾野:いや(笑)、違うんですよ、選べなかったんですよ(笑)。どっちも良いなと思ったので、本人に選んでももらうのが一番いいなとと思って。「どっちか悩みます」と言っていたので、「じゃあどっちも!」って言って(笑)。
杉咲:初めてです、2つもいただいたの(笑)。
綾野:すいません(笑)。
杉咲:ありがとうございます(笑)。
綾野:なんか、こういう作品だからこそ、母体になる僕たちが、何かに飲み込まれて良いこともあるんですが、ちゃんと心を豊かにしておくことが大事だと思ったので、お店とか見つけたりする時間も楽しかったですし、地方だからできることではありますけど、そういう時間が良かったですね。あれだよね、「花、座りなよ」って言って、「花のあれ最高だよねえ!」みたいな感じで入っちゃったんで(笑)。
杉咲:そうでした(笑)。ありがとうございました。