『悪人』、『怒り』など多数の著書が映像化されるベストセラー作家・吉田修一による傑作短編集「犯罪小説集」を、主演に綾野剛、共演に杉咲花、佐藤浩市を迎えて『64-ロクヨン-』の瀬々敬久監督が映画化した『楽園』が10月18日より公開される。このほど、9月5日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて完成披露イベントが実施され、キャストの綾野剛、杉咲花、佐藤浩市、片岡礼子、瀬々敬久監督が出席した。ここでは、本イベントの模様を全文掲載でお届けする。
MC:まずは皆様か一言ずつご挨拶をいただきたいと思います。まずはこの方、Y字路で起きた事件の容疑者として追い詰められていく青年、主人公の中村豪士を演じました綾野剛さんです。
綾野:皆さんこんばんは。綾野剛です。はい、こんばんは~(笑)。はい、どうも! 嬉しいですね。これだけの方が集まってくれて本当に嬉しです。ようやくこの映画が走り出すんだなと、皆さんの表情を見ていて、感じました。本日は短い時間ですけど、よろしくお願いいたします。
MC:ありがとうございました。続きまして、Y字路で消息を絶った少女と直前まで一緒だった親友、湯川紡を演じられました杉咲花さんです。
杉咲:こんにちは、杉咲花です。今日は来てくださってありがとうございます。約一年前ぐらいに撮影していた作品が、無事に完成して皆さんにようやく観ていただけるので、本当に今日は嬉しいです。皆さんがどんなふうにこの作品を受け取ってくださるか、すごくドキドキしてます。今日はよろしくお願いします。
MC:ありがとうございました。続きまして、Y字路に続く集落で村八分になり孤立していく男、田中善次郎を演じられました佐藤浩市です。
佐藤:どうもこんばんは。村八分で孤立していく男っていう設定も、もはや辛いですね(笑)。よもや、瀬々監督の作品でタイトル通りの楽園を期待して来られ方は、ここにはいらっしゃらないと思うんですけど、その中でも最後、何かの希望を持って、希望を見出して帰っていただきたいと思います。今日は楽しんでいってください。
MC:ありがとうございました。続きまして、善次郎を案ずる集落住民の娘、黒塚久子役を演じられました片岡礼子さんです。
片岡:黒塚久子役を演じました片岡礼子です。今日は、ちょっとこの場を借りて皆さんに御礼を言いたいことがありまして。私は20年前に脳出血で倒れて、生死をさまようということがありまして、そのときは自分では一生懸命頑張りたいつもりでも、引退みたいなことが起こるんだなと思ったことがありました。それから徐々に映画に戻ることができて、この久子役をいただいたときに、これは体当たりだぞと。自分にあんなことがあって、ちゃんとやりきれるのかなと、すごく怖かったんですけど、善次郎役の佐藤さんに着いて、監督の強い眼差しに応えるように頑張って、今日ここに立てたことは私にとってすごく大きなことだと、お伝えさせてください。本当にありがとうございます。
会場:(拍手)
MC:ありがとうございました。さあ、そして、この素晴らしい重厚な作品を作り上げました瀬々敬久監督です。
瀬々:瀬々です。今日はどうもありがとうございます。あまり、重厚とか、言わないで欲しいんですけど(笑)。敷居が高くなるので(笑)。皆さんにひとつお願いがります。観終わった後、「辛かった」「暗かった」とか決してつぶやかないでください。「『楽園』を観た」、こうつぶやいてください。よろしくお願いいたします(笑)。
MC:ありがとうございました(笑)。まずは瀬々監督。ついに映画が完成し、お客様へのお披露目となりましたけど、改めまして今どんなお気持ちでしょうか?
瀬々:今日、初めて一般の方に観ていただくので、この映画が皆さんの心に届けばいいなと思ってます。映画自体は実際の事件を彷彿させるような内容もありますが、その中で日本の姿が大変良く映っていると思ってます。きれいなシーンもあると思っています。ぜひ皆さんの胸に………、飛び込んでいけー!
一同:(驚いた表情で)え(笑)?
綾野:ど、ど、どうしたんですか?
瀬々:いや、今朝シンガポールから帰ってきたから、魂を向こうに置いてきちゃったんだよ(笑)。
綾野:置いてきすぎでしょう(笑)。そうだったんですね(笑)。びっくりしました。瀬々さんの、そういう声、初めて聞いたんで。どうですか、浩市さん、今の?
佐藤:呑んでるのかと思ったよ(笑)。
綾野:はっはっはっはっは(笑)。可能性はゼロではないですね(笑)。すいませんでした、皆さん(笑)。