MC:ありがとうございます。さあ、星野さん高橋さん。本作は江戸時代の国替え、つまりお引越しを題材にした物語なんですけど、原作または脚本を読まれてどのようなご感想を持たれましたか?
星野:まず初めに脚本をいただいて、それがおもしろくてしょうがなくて、すぐに出たいというお話をさせていただいたんですけど。とにかく僕の役が引きこもり侍なんですね。まずその設定がすごくおもしろいと思ったんですけど、引きこもるのが家じゃなくて職場に引きこもっているという。職場の書庫に引きこもって、本が大好きでずっと本を読んでいる。本を読んでいる生活だけで良かったのに、鷹村に引きずり出されて引っ越し奉行をやらなくてはいけなくなるんですけど、そこで大好きだった本の知識がすごく生きてきて、自分の大好きだったものを消さないでどんどん大きくなっていくという男の話で。時代劇では見たことがないようなストーリーで、おもしろくて笑っちゃうし、しかも最後にすごく感動するし。こんな時代劇はなかなかないなと思いました。
MC:高橋さんはどのようなご感想をお持ちですか!?
高橋:僕も源ちゃんと同じでですね、脚本を読ませていただいてすでにおもしろいんですね。監督とお話して、キャストの皆さんとお芝居をして、とても楽しい作品に仕上がったなと思っております。
MC:ぜひ皆さん、ご期待ください。そして、高畑さんは今回紅一点という形でしたけど、於蘭を演じるに当たって心がけたこと、意識されたことはなにかありますか?
高畑:意識か…。あ、私は源さんより10歳ぐらい下なんですけど、役では姉さん女房感が出たほうがいい感じの役で、かつ子持ちのバツイチといういろいろ背負いすぎている感じだったので、そこは姉さん感が出るようにあんまり気持ちで負けないようにしました。
MC:なにか所作とかで気をつけたことはありますか?
高畑:所作は…。私は時代劇をあまりやったことがなかったので、今回は結構所作の先生に、なんで?なんで?星人で聞きまくって、いろいろ教わって、一生さんは所作をやられているから身体の動きが美しくて、見とれる前に勉強しなきゃみたいな感じで(笑)。必死にいろいろ教わって、所作はちょっと頑張りました。
MC:ありがとうございます。そして及川さん。松平直矩は実在した大名ですけど、実在した人物を演じられるというのはいかがでしたでしょうか?
及川:プレッシャーを感じるというよりも、お会いしたことがないので、エンターテイメント作品として役に向き合ったという感じですね。
MC:大名ですからね。
及川:大名です。存在感の重さと軽さを意識して演じましたね。スイッチングというか。(指をパチンと鳴らす)
MC:流石でございます(笑)。ありがとうございます。そして小澤さん。実直な姫路藩士という役柄でございますけれども、演じるにあたって監督となにかやり取り、お話はされたんでしょうか?
小澤:もちろんお話させていただいて、今回私がやらせていただいた山里という役は“愚かなほど素直”と書いて“愚直”。真っ直ぐで星野源ちゃん演じる春之介とは本で通じ合っている役柄で、目と目で信用し合える役柄だったので、もちろん難しかったですけどそれを表現していこうと決めてやっておりました。武士というのは口約束が一番大事なんですね。史実であるんですけど、紙の契約じゃなくて口約束でお殿様についていくみたいな。別に今の問題(連日ワイドショーを騒がせている吉本興業の闇営業問題とお家騒動)に絡めているわけじゃないんですけど…(笑)。そういう歴史が日本にはあるということです。その口約束で春之介のことをずっと信じて生きていくという…なんだこの空気は(笑)?やらさせていただきましたよ(笑)。
MC:勉強になりました(笑)。ありがとうございます。そして正名さん。嫌な上司役ということで、演じるに当たって意識されたことなどありますか?
正名:基本、コミュニケーションが、ほぼ恫喝だったんですよ。私が今まで人生で受けた恫喝とか、目の当たりにした恫喝とかを思い出して現場に入りましたけど、実際星野くん演じる春之介にほぼ恫喝するんですけど、春之介が人の恫喝心をくすぐるというか、誘発するなんともいえない表情をしてくるので(笑)。
星野:なんですか、恫喝心って(笑)。
正名:怒鳴りたくなっちゃうんですよ。まんまと乗せられて気持ちよく恫喝させていただきました(笑)。
MC:受け手としては恫喝心をくすぐってやろうみたいなことはあったんですか?
星野:正名さん演じる佐島が、本当にムカつくやつなんですよ(笑)。本当に腹が立つんで、腹が立つなと受け止めながらも今は我慢っていう、その感じが恫喝しやすかったのかもしれないですけど。特に恫喝しやすいように演じようというのは、全然なかったです(笑)。