MC：ありがとうございます（笑）。皆さんと一緒に和やかにお届けできればと思います。ではお話を早速伺って参りたいと思います。まずは古舘さん、今回、コウタ役ということで、実際に石橋さんにお会いするまでは役作りが大変だったとお聞きしました。
古舘：そうですね。取材とかでもこういう表現を使っているんですけど、変な言い方になっちゃうんですけど、コウタっていう人間をどうやっていいか、ずーっとわからなくなっている時期があって。何度も彼と喧嘩をしましたし、ある種、絶交宣言みたいなのも何度かしたことがあるぐらい。
MC：コウタに対して？
古舘：コウタに対して。もう途中でよくわからなくなるっていうのが続いていたんですけど、撮影が始まる前に、石橋さんが本読みに来ていただいてから、ガラッと何かが自分の中で変わりまして、「頭で考えるな、直感で演じろ」みたいなことを彼女に教えてもらって、劇中でもコウタが（石橋演じる）あーちゃんに対して女神だと崇めているんですけど、役以外でも本当に彼女のことを女神だとずっと思っております。
MC：横で笑いが止まらない石橋さん、いかがでしょうか？
石橋：ありがとうございます（笑）。
古舘：それで僕が初日に（石橋に）初めてお会いしたのに熱くなってしまって、「なんで僕を救ってくれたんですか？」って熱弁してしまいまして、そしたら一言、「仕事ですから」ってクールに言われて（笑）。そういうところもあーちゃんだなって、Sっ気もあーちゃんっぽくていいなと思います。
MC：石橋さん、その時のことは覚えていらっしゃいますか？
石橋：はい。私は初めて古舘さんにお会いしたのがこの作品の衣装合わせの時だったんですけど、私自身もすごく不安だったんですが、初めて古舘さんにお会いした時も、私はコウタにしか見えなくて、チャーミングというかユーモアのある動きをされるので、それがおかしくて、それから二人の関係性が始まっていったような気がしています。
MC：ありがとうございます。石橋さん自身も、撮影中に役に入り込みすぎて冷静になれない部分もあったとお聞きしています。
石橋：そうですね。すごく抱えているものが大きい役なので、ちょっと考えすぎてしまったりとか、ということはありましたけど…。そういう時に峯田さんの音楽を聴いて、本当に救われたなと思っていて、撮影中も、撮影に入る前も、終わってからも、聴いて励まされていました。
MC：峯田さん、どんなお気持ちでしょう？
峯田：ありがとうございます…！
石橋：ありがとうございます。
MC：ありがとうございます。そして宮本さん、本作のことを「静かな映画で、少し心が痛くなるような、最後には爽やか気持ちになる作品」とおっしゃっていましたが、コウタの姿を見ていて、ご自身の初恋の思い出と重なることってあったりされますか？
宮本：急に恋の話になって…もう認知症ですから（笑）。それは冗談（笑）。恋の話は忘れていますけど、でも小学校の時とか、素敵だなと思う先輩がいて、心臓がやたらドキドキして、それだけは覚えています。
MC：ありがとうございます。
宮本：（峯田に対して）あなたのは？
峯田：初恋というか、高校3年間、好きだった人がいたんですよ。でも一言も喋らないで終わったんですよ。
宮本：嫌われたわけじゃなくて？
峯田：じゃなくて、廊下から覗いて「今日もあの人、登校してるな」みたいな。それを3年間ずっと。でも全然喋ってなかった。それで、僕、大学でこっちに来ちゃって。もう会えないじゃないですか、普通に考えたら。でも去年、僕、40歳で、同窓会があったんですよ。行ってみようと思って初めて行ったんですよ。その方、いらっしゃってて！友達は僕の事情を知っているので、「こういう機会ぐらいじゃないと話せないよ！『あの時、実は好きでした』って言っちゃえ！」って言われて、周りに急かされて。いいかぁ！って思って、「サトミさん！」って言って。
宮本：サトミさんって言うの？（笑）。
峯田：はい。「サトミさん！実はあの時、僕、好きで、あの時バイトしてた花屋さんのところも知ってて見てたんですよ」って言って。そしたら「あ、それ、たぶん私のドッペルゲンガーです」って言われたんですよ。
宮本：ドッペル…？
峯田：ドッペルゲンガー。なんて言うんでしょうね、ドッペルゲンガーって…。
MC：姿がそっくりな人ですよね。別人で。
峯田：「よくある」って。「私、山形から出たことがないのに『仙台であなたが歩いてるのを見た』」とか、「お母さんに言われた」とか。僕、1週間ぐらい見てたんですけど、彼女が花屋でバイトをしてるの。「花屋でバイトした記憶がない」って言われて、じゃあ俺が見てたのは何だったんだろうなぁって（笑）。
宮本：全然違う人をずっと見てたってこと？
峯田：似てる人じゃなくて、本人なんですよ。でも、ドッペルゲンガーなんですよ。なので、キツかったなぁっていう（笑）。
