MC:いきなりですか?
前田:まあ、ちょっと酔っ払ってたんでしょうね。でも、向こうで一緒に行った日本人の女性スタッフさんたちも、すごい求婚されてましたよ。向こうの男性は、「可愛い=結婚してくれ」って言ってくれるみたいで(笑)。
MC:その場にいらした監督たちは、どのように見られていたのですか?
黒沢:現場見ました。おじさんでしたね。それなりに衝撃だったんですけど、今考えるとすごいですね。その時はいろんなことに気を取られていて、こんなこともあるんだなと自然に受け止めてました。
加瀬:僕は、無責任なので「良いんじゃないの」って(笑)。
柄本:僕は、からまれてるなあと思いながら、席を立つことなくしゃべってました。
MC:助けには行かなかったんですか(笑)?
柄本:何やってんだろうと思って。まあ大丈夫かなと思って(笑)。しゃべってました(笑)。
MC:なかなか経験できないエピソードですね。
前田:誰も助けてくれなかったですけどね(笑)。厳しい世界だなと思って、明日から頑張ろうって感じでしたよね(笑)。
MC:ありがとうございます(笑)。柄本さんも九死に一生のできごとがあったと伺っているのですが。
柄本:エレベータに閉じ込められて。5階で急に真っ暗になって。チェーンとかが「ガキン!」ってなって。もうこれ、逝っちゃうなと思って、動画に残して。まず、(前田)あっちゃんと加瀬さんと染ちゃん(染谷将太)にメールしたんですけど、あっちゃんは電波の届かないところにいて、加瀬さんと染ちゃんはホテルで寝てて、30分ぐらい中で座ってたら、上から「時生〜」って染ちゃんの声が聞こえて、助けていただいたっていう話があります(笑)。
MC:監督、なかなかいろいろなエピソードがあったんですね?
黒沢:それは知らなかったですね。撮影はそれなり順調に進んでおりましたので、撮影意外で何が起こっているのかは全く知りませんでした(笑)。
MC:ありがとうございます。加瀬さんは一ヶ月間の滞在中、どこかへ行ったりしたのですか?
加瀬:結構プラプラしてましたし、前田さんはずっと出ずっぱりだったんですけど、時生と染谷くんは割と終わる時間が一緒だったので、ご飯食べに行ったりとかしました。
MC:柄本さんはいかがですか?
柄本:楽しかったですね。あまり僕は外に出たがらないタイプで、海外がビビっちゃう人間なんで、特にあっちゃんが毎回、点々と移動する度に誘ってくれて、外に出る機会を作ってくれて楽しみました。
MC:前田さんはいろいろなところに自ら行かれていたんですね。
前田:そうですね、時間があればと思って(柄本に)連絡して、「みんなでいこうね。伝達係だよ」ってお願いしているのに、「で、どう?」って言ったら、「あ、ごめん連絡忘れてた」みたいな(笑)。夕方までずっと部屋でDVDとか見てるだけなくせに、なにもやってくれないんですよ(笑)。
柄本:ごめんね(笑)。本当に、その時に連絡すればいいかなと思って(笑)。
前田:まあね、まあね。みんなそれぞれやることなかったと思うから(笑)。
柄本:あと、加瀬さんとコーヒーを飲みに、よく喫茶店に行ったりしてました。
MC:楽しかったですか?
加瀬:そうですね。あと自転車を借りて結構遠くまで行ってましたね。帰りに時生の自転車が壊れて、歩いて帰ってきたという(笑)。
柄本:チェーンがぶっ壊れましたね(笑)。
MC:ハプニング続きですね(笑)。ありがとうございます。最後に注目ポイントとともに、一言ずつお願いできますか?
前田:はい。ウズベキスタンの中でも本当にいろいろな場所を回って、撮影をさせていただいたので、いろいろな風景も見られますし、歌は私なりに頑張ったつもりではいるので、少しでも響いていただければ嬉しいなと思います。楽しんで帰ってください。
加瀬:個人的に染谷くんと僕が映画の中で微妙な喧嘩をするんですけど、そこは見逃さずに観ていただきたいです(笑)。今日はありがとうございました。
柄本:ワンカットだけ…、いや。あ、ウズベキスタン綺麗です(笑)。僕らみんなで言ってたんですけど、本を読んだ段階で本当に面白いと思っていて、その通りにできあがっていると思います。楽しんでください。よろしくお願いします。
黒沢:ウズベキスタンは、ほとんど皆さんは初めて見る光景だと思います。いろいろな場所を画面で楽しんでいただきたいと思いますが、たぶんそれ以上に映っている俳優、前田さんを中心に他の俳優たちも、日本の映画やテレビで観る時と少しずつ違う顔をしていると思います。それは向こうにいる独特な雰囲気、空気感が俳優の方たちにも、少しずつ違う表情を作っているんだなと思っています。その美しい、見慣れない美しい風景と同時にこれまであまり見たことのなかった俳優の顔を見逃さず、じっくりと楽しんでください。よろしくお願いします。
MC:ありがとうございました。
『旅のおわり世界のはじまり』
6月14日(金)テアトル新宿、渋谷ユーロスペースほか全国公開
監督・脚本:黒沢清
出演:前田敦子 染谷将太 柄本時生 アジズ・ラジャボフ 加瀬亮
配給:東京テアトル
【ストーリー】 テレビ番組のリポーターを務める葉子(前田敦子)は巨大な湖に棲む“幻の怪魚”を探すため、番組クルーと共に、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。夢は、歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事をこなしている。収録を重ねるが、約束どおりにはいかない異国でのロケで、いらだちを募らせるスタッフ。ある日の撮影が終わり、ひとり街に出た彼女は、聞こえてきた微かな歌声に誘われ美しい装飾の施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする──。彼女が、旅の果てで出会ったものとは…?
(C)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO