MC:ありがとうございます。監督は前田さんを主演にするというのは、最初から決まっていたのですか?
黒沢:そうですね。通常、僕は最初から俳優を決めて脚本を書いたりすることはめったにないんですけど、今回はそうですね。かなり最初の段階から、できたら前田さんにと思っていました。歌も歌ってもらおうと思っていたので、断られたらどうしようかと思いましたね(笑)。前田さんをかなり最初からイメージしちゃってました。
MC:ありがとうございます(笑)。続いて加瀬さん。黒沢さんの作品には何本も出演されていますが、経験があるこそ今までの監督とは違ったということはありますか?
加瀬:これまでご一緒させていただいた作品が、変な役ばっかりだったので(笑)。今回も脚本を開く前はちょっと緊張していたんですけど(笑)。最初、監督が書かれた本じゃないのかと思うぐらい、いつもと違っていて、自分の役も初めて真っ当な人で。かなり今までの監督の作品とは違う印象を受けました。
MC:ありがとうございます。監督、今回は加瀬さんに真っ当な役を(笑)?
黒沢:はい(笑)。これまでも、そんな変でしたかね? いろいろな人が出てきますけど、最も真っ当な人、この人こそが真っ当という人を演じてもらいました。
MC:ありがとうございます。続いて柄本さん、黒沢組初参加となりますが、ご家族全員が黒沢監督の大ファンだとお聞きしているのですが、今回のオファーがあった時はどんなお気持ちだったのかと、真っ先にどなたにお伝えしたのかお話いただけますか。
柄本:お話をいただいた時は、今年一年、仕事チャラだなと思いながら、これからどんな仕事が来ても、黒沢組やれるならどんな仕事でも大丈夫だみたいな気持ちになったのと、一番最初に伝えたのがお兄ちゃん(柄本佑)。昔から僕は兄ちゃんの家に行くんですよ。で、鞄から台本を出して黙って読んで、ちょっと兄ちゃんの前にポンっと置いて(笑)。兄ちゃんが見て、「え? 黒沢監督?」みたいな(笑)。で、兄ちゃんが別の台本を出してきて、「あ、荒井晴彦監督?」みたいな感じで(笑)。軽い“この現場やります名刺バトル”みたいなのをちょいちょいやってます(笑)。まあ、兄ちゃんに最初に自慢しましたね(笑)。