【全起こし】前田敦子、ウズベキスタンの山頂で熱唱!「嫌なお客さんがいました…」『旅のおわり世界のはじまり』完成披露試写会レポート 全文掲載

MC:ありがとうございます。黒沢監督、お願いします。

黒沢:本日はありがとうございます。この作品は今日初めて一般の方に観ていただく機会を得ました。久しぶりに緊張しております。僕はもう何本目の映画になるのか良く覚えてないんですけど、40年近く映画を撮ってきました。昔からの友人に、この映画を観てもらったら「極初期の作品に似ている、20代の頃に撮った作品に似ているね」と言われて、半分はとても嬉しく、半分はショックでもありました。40年間、成長が無いわけ?っていう(笑)。ただ、全く行ったことのない国で、なにかすごく自分でも新鮮な、俳優の人たちとはこれまで何度かやったことのある人達が多かったんですけども、ウズベキスタンの俳優や、ウズベキスタのスタッフたちは全く初めてですし、すごく新鮮な何かが生まれたのかなという気もしています。ですから、久しぶり新人監督に戻ったような気分でこの場に立っております。皆さんもこれからご覧になっていただく映画、新人監督が撮ったと思って観ていただくと、新人なのにこんなに頑張ってるよと(笑)。ちょっと甘いところもあるけど新人だからしょうがないと(笑)、いろいろ寛容な気持ちで観ていただくと嬉しいです。楽しみにしていてください。

MC:ありがとうございます(笑)。まず、黒沢監督、ウズベキスタンで映画を撮りませんかというお話があったとき、魅力的だったところはどこしょうか?

黒沢:僕もこの話をいただいたときには、行ったこともない国だったんですけど、シルクロードというのは昔から興味があったんですが、シルクロードというとユーラシア大陸を東西に走っている道なんですが、昔は東西と南北にも走っていたんですね。その東西と南北が交わる点が、サマルカンドという古代からの都市で、一度行ってみたいなと思っていたんですが、サマルカンドがある国がウズベキスタンだったんですね。だから本当に古い、昔からある場所で、ユーラシア大陸の中心でかつては世界の中心でもあったという、そんな認識でウズベキスタンに行ってきました。

MC:ありがとうございます。前田さんは今回黒沢さんの作品でウズベキスタンでの一ヶ月の撮影、また映画の中では歌を歌うなどいろいろな挑戦があったと思うのですが、この映画の主演のオファーをいただいたとき、どんなお気持ちだったのですか?

前田:最初に、「歌を歌ってください」とお話をいただいて、一度監督にミュージックビデオを撮っていただいたことがあったので、そういう感じかなと思っていたら、「『愛の讃歌』を歌ってください」と言われて、ん? 『愛の讃歌』って、あの『愛の讃歌』だよね?っていう(笑)。しかも「アカペラで歌ってください」って!? アカペラですか!?って(笑)。でも、監督が言ってくださるなら、やるしかないと思って、すぐに「ボイトレを始めさせてください」とお願いさせてもらって、3ヶ月ぐらい特訓をさせていただいて。でもすごい贅沢な時間でした。すべてひっくるめて。そういう準備をして、なにか撮影に臨むのは今まで初めてだったし、ウズベキスタンも初めは名前も知らなくて。でも行ってみたら、知らないからこそ全てが楽しかったですし、良い思い出しかありません。