MC：そうだったんですね！じゃあ塩田監督的には3人のギター、そして歌は完璧だったと？

塩田：完璧です、もちろん。撮影のインする3日前くらいですかね、お祓いやって、オールスタッフで色んな最終的な打ち合わせをするっていうときに、初めて（小松と門脇）の二人が本番と同じ衣装を着て、本番のギターを持って、関係者皆の前で歌うっていう儀式があったんですよ。

小松＆門脇：儀式（笑）。

塩田：儀式ですよね？（笑）

成田：怖い顔した大人に囲まれて…（笑）。

塩田：いや本当に感動的だったんですよね。「あ、目の前に本当にハルレオがいる」って思ったんですよね。僕だけじゃなくて、結構スタッフの中に泣いてる人もいたんですよ。グッときちゃったんです、それまでの努力を知ってるから。で、その頃成田くんは別室で一人、ギターを練習してたんです（笑）。その後に演奏があるからって言ってね。

MC：ああ～、そのときも混ざらず？

成田：そうですね（笑）。孤独な戦いを。

MC：でも本当に、皆さんが人知れず努力されてたということが結実した素晴らしい演奏シーンになっていると思います。是非皆さん、期待してご覧ください。そして、撮影は昨年の6月末から一ヶ月間、川崎から始まり、都内、足利、大阪、新潟、函館と夏のかなり暑いときに撮影されていたということなんですけど。本当のライブツアーみたいに回ってみて、小松さんいかがでしたか？

小松：各地方に行かせてもらって、お客さんの反応も違いますし、立ってみるのも座ってみるのも全然違ったり。一ヶ月ちょっとだったんですけど、アーティストの方の気分になったというか、「これは気持ち良いだろうな」って。皆が声かけてくださったりとか、一緒に歌ったりっていうのがすごく感動的で、良い経験させてもらったなと思いました。

MC：なるほど。門脇さん、撮影とはいえ、目の前にお客様がいて演奏するというのは、気持ちが良いものですか？

門脇：あの～、気持ちが良いのもそうですし、ギターが完全じゃないから不安っていうのが撮影ギリギリまであって。だけどいざお客さんを、エキストラの方なんですけど、目の前にすると「楽しんでいただきたい！」「少しでも良い時間だったなって思って帰っていただきたい！」っていう気持ちが自然と沸いてくるもので。なんかもう「不安」とか言ってる場合じゃないというか、そういう気持ちが自然と沸いてくるというか。だから、お客さんが私たちをミュージシャン役にしてくれたというか、そういうのがすごくありました。

MC：そういった撮影をされて、新たに発見されたこと、音楽の聴き方だったりとか何か変わったことはありましたか？ミュージシャンに対する気持ちですとか。

門脇：それは今回に関わらず、私たちの仕事は“書かれているのを言う”っていうのが仕事だけど、やっぱりアーティストの方とか、自分の言葉で歌詞を綴って、自分の音楽で勝負してるっていうのはなんかこう、体一つで勝負じゃないですけど、本当に叶わないなって常々すごく思ってるので。今回もミュージシャンの役をやるというのは、そういう方たちに対して失礼のないようにという言い方はあれですけど、リスペクトみたいなものはさらに大きくなりました。