MC:おめでとうございます!
大泉:甘いわ~!
MC:香り、どうですか?
大泉:すっごい甘い!おいしそうな匂いがします。これやっぱり、飛び散ったらえらいことでしたよ!
MC:皆さん、ご無事でしたか?
大泉:大丈夫、大丈夫。ほんとに全部バナナジュース!
MC:では鏡開きをしていただいたので、明日の公開を祝して、皆様にこのバナナジュースで乾杯をしていきたいと思います。
大泉:さっきあれだけ文句言ったけど、ちょっと飲みたい(笑)。すごく今バナナジュースを飲みたい!
MC:よかったです(笑)。皆さんのもとのバナナジュースのグラスが渡りましたので、乾杯のご発声は、やはり乾杯といえば田中くん。
大泉:映画の中に出てきますからね。乾杯といえば田中くんだろ。
MC:ぜひ、三浦春馬さんにお願いしたいと思います。
大泉:お願いします!
三浦:それでは失礼しまして、映画『こんな夜更けにバナナかお』…え?ほんと?言えてなかった?
大泉:若干『バナナかお』的な感じで…。
三浦:ちょっと舞台中の稽古で疲れてるのかな!?
大泉:今日稽古終わりだから。もう1回言っておこうか。
三浦:じゃあもう一度。映画『こんな夜更けにバナナかよ』、多くの人に観てもらえるように祈って!乾杯!!
キャスト&監督:かんぱーい!!
MC:大泉さん、一気ですか?
大泉:うまい、これ!
MC:さんざん文句をおっしゃっていましたけど(笑)。
大泉:超うまい!バナナジュース最高!
MC:高畑さんもいきましたね。おいしいですか?
大泉:うまいよ、これ。うまい。何年かぶりに飲んだ、バナナジュース(笑)。
MC:よかったです。たくさん目の前におかわりもありますので。
大泉:ここで汲んでもあれだし…。おかわりは大丈夫。
高畑:温泉の後に飲みたい(笑)。
大泉:飲みたいね!わかる!銭湯とかでね!ビンのね!
三浦:わかるわ~。おいしい。すごいおいしい。
MC:ではここで、前夜上映会の締めにあたりまして、やはり大泉洋さんに締めのご挨拶を頂戴したいと思います。
大泉:今日観ていただいたお客様ということで、ちょっと真面目な話になるかもしれませんが…。この作品は鹿野さんに導かれ続けた撮影だったと思っています。鹿野さんの部屋というのは、本当に鹿野さんが住んでいた部屋でございまして、撮影の期間中だけポンッと、人が入っていなくて偶然そこで撮影できたり、最後に泊まった「トゥモロー」という宿も鹿野さんが泊まった宿でありました。そして12月26日が鹿野さんの誕生日だったというのも、なんだかすごいと思うんですよね。28日が公開で、26日が彼の誕生日だったというのはすごい話だなと思っております。映画をご覧になった皆さんにお伝えしたいなぁと思う話が、鹿野さんがどうやって亡くなっていったのかということなんですけど、これだけボランティアの方に囲まれながらずっと生きてきて、片時もボランティアと離れなかった鹿野さんが、本当に亡くなる日に倒れまして病院に運ばれたわけなんですけれども、その時に鹿野さんは、それに限っては最後、もうだめかもと思って、やっぱりもう1回蘇るんですよ。復活して息を吹き返して、ボランティアの皆さんも安心したわけなんですけど、鹿野さんは基本、ボランティアの人には「帰っていいよ」とは言わなかったらしいんですよ。何があってもボランティアにはいてほしい、ついていてくれっていう方だったらしいんですけど、その日に限っては「もう帰っていいよ」って言ったらしいんです。「もう大丈夫だから帰って」って。ボランティアの皆さんは帰して、プロのヘルパーの方だけを一人残して病院に残ったんですよね。それで、「今日はよく寝られそうだ」と言って、鹿野さんはボランティアを帰して、そしてめったに言わなかったらしいんですけど、ヘルパーの方に鹿野さんは「ありがとう」と言ったんですね。一言「ありがとう」と言って眠った。そしてそのまま、鹿野さんは亡くなってしまったんですね。どういうことかというと、鹿野さんがもし病院以外で亡くなっていたとしたら、ボランティアはおそらくすごく後悔したと思うんですよね、プロがついていない時に亡くなったとしたら。病院だったら鹿野さんを助けられたかもしれないという後悔を、その時についていたボランティアの方はずっと後悔したんじゃないかと思う。でも病院で、しかもボランティアの方を帰した後で、プロのヘルパーさんだけを残して、鹿野さんは亡くなっていったんですよね。ボランティアのみんなは、自分たちが助けられなかったという後悔をせずに済んだと思うんですよ。この世の去り方も、あれだけわがままを言った鹿野さんが、最後はボランティアの方にわがままを言わずに去っていったんだなぁと思うと、改めて私はこの人を愛せずにはいられないというか、この人を演じられて本当によかったなと思っております。生きていれば59歳だったということで、生きている間はお話できなかったので、鹿野さんと話してみたかったなぁという思いでいっぱいであります。いよいよ、明日初日を迎えるということで、鹿野さんがずっと言い続けていたわがままというのは、やっぱり動けない人たちの代弁だったんだろうと思うんですよね。自分が動けない分助けてほしい、助ければ、その人と全く同じことはできないまでも、近いことができるということで、そこは我慢して生きるよりも勇気を持って「助けてほしい」と、そういう願いで鹿野さんはいろんなわがままを言っていたんだと思います。この映画を観ていただいて、人に迷惑をかけないということが一番美徳とされるこの国の中で、それだけじゃないのかもなという考えが少し伝わればいいなと思いますし、皆さんがいろいろ考えるきっかけになればいいなと思うし、最終的にこの映画が、同じ障害を持つ皆さんのためになればいいなと願っております。今回の映画はメッセージ性が強い映画なのかなと思っております。だけど、気難しくなく、楽しく爽やかな映画に出来上がっていると思いますので、どうぞ皆さん、それぞれ皆さんに伝えていただいて、多くの方に観てもらえれば本当に嬉しいことですし、鹿野さんにもたくさんの方に観てもらえたよと報告したいなと思っております。どうか皆さん、あと少し力を貸していただければと思っております。明日公開です。どうぞよろしくお願いします!本日はどうもありがとうございました!
MC:ありがとうございました。これにて、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』公開前夜上映会の舞台挨拶を終了とさせていただきます。キャスト、監督の皆様、どうぞ盛大な拍手でお送りください!ありがとうございました!
『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』
12月28日(金)全国ロードショー
監督:前田哲
原作:渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(文春文庫刊)
脚本:橋本裕志
主題歌:「フラワー」ポルノグラフィティ(SMEレコーズ)
出演:大泉洋 高畑充希 三浦春馬 萩原聖人 渡辺真起子 宇野祥平 韓英恵 竜雷太 綾戸智恵 佐藤浩市 原田美枝子
配給:松竹
【ストーリー】 札幌で暮らす鹿野靖明(大泉洋)は幼少から難病の筋ジストロフィーを患い、車いす生活。体で動かせるのは首と手だけで、介助なしでは生きられないのに病院を飛び出し、ボランティアたちと自立生活を送っていた。夜中に突然「バナナ食べたい」と言い出すワガママな彼に、医大生ボランティアの田中(三浦春馬)は振り回される日々。しかも恋人の美咲(高畑充希)に一目ぼれした鹿野から、代わりに愛の告白まで頼まれる始末!最初は面食らう美咲だが、鹿野やボランティアたちと共に時間を過ごす内に、自分に素直になること、夢を追うことの大切さを知っていく。そんなある日、鹿野が突然倒れ、命の危機を迎えてしまう…。
©2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会