俳優・脚本家として唯一無二の存在感を放つ佐藤二朗が原作・脚本・主演を務める映画『名無し』の完成披露試写会が4月27日、都内で開催された。イベントには佐藤をはじめ、丸山隆平、佐々木蔵之介、そして城定秀夫監督が登壇し、作品への思いや撮影裏話を語った。

本作は、過激なテーマと特異な世界観ゆえに一度はお蔵入り寸前となった脚本が漫画化を経て映画化されたサイコバイオレンス。名前も持たぬ“怪物”の存在を軸に、人間の根源に迫る物語が展開される。
主演の佐藤は、「5年前に一人でウジウジと考えた物語がこうして皆さんに観ていただける」と感慨を語りつつ、「賛否が分かれる作品だと思いますが、人も沢山死にますから賛否があってもいい」と率直な思いを吐露。さらに「観終わった感想をSNSにどんどん書いてください。…はい、以上で舞台挨拶を終わります!」と突然締めるユーモアで会場を沸かせた。
また、「お蔵入り寸前になって僕も諦めたやつが、ようやく皆さんに観ていただける」と振り返り、「完成作を観て本当に素晴らしいと思った」と自信をのぞかせた。
終盤には「見どころやテーマを聞かれて答えるのが仕事ではありますが、本作においてはそれを言葉にしたくない」と語り、「人間の存在という根源を揺らしかねない映画」と強いメッセージを残した。
丸山は「ここまで刺激的で念のこもった台本は初めて」と戸惑いを明かしつつ、「問題作でもいい。それでも世に届いて多くの人に観ていただくことに意味がある」と作品の意義を強調。さらに「血がいっぱい出てくるけれど、それだけではない奥行きのある人間ドラマがある」と作品の深みを語った。
佐々木は本作について「虚構なのにリアリティを感じる。観終わった後に現実味を帯びた生暖かい感覚があった」と語り、「刺さるような、殴られるような衝撃」と強烈な印象を表現。「これぞエンタメ」と太鼓判を押した。
城定監督は脚本を読んだ際に「面白いけれど難産になる」と感じたと明かしつつ、「二朗さんの熱量が企画を通した」と分析。「変で面白い映画をやっていいんだという喜びがあった」と語り、結果的には「現場は楽しく安産だった」と振り返った。
イベントでは作品にちなみ「消し去りたいもの」を発表。佐藤は「舞台挨拶ってなんでも“ちなみ”がち!」と笑わせつつ「自分の五十肩を消し去りたい」と告白。丸山は「自分の弱さ」、佐々木は「飲んだ次の日の血中アルコール濃度」とそれぞれ回答し、会場を和ませた。
さらに、劇中のキーアイテムである“右手”の原寸大オブジェも披露。自身の手を石膏で型取ったリアルな造形に佐藤は「くどいようですが本当に僕の右手です」と淡々とコメントし、独特の空気を生み出した。
狂気と人間の深淵に迫る問題作『名無し』。キャスト・スタッフの言葉通り、観る者それぞれに解釈を委ねる“体験型”の映画として、大きな反響を呼びそうだ。





■作品情報
作品名:『名無し』
公開日:2026年5月22日(金)全国ロードショー
原作・脚本:佐藤二朗
監督・共同脚本:城定秀夫
出演:佐藤二朗/丸山隆平、MEGUMI/佐々木蔵之介
配給:キノフィルムズ
制作国:日本
上映時間:未定
レーティング:PG12
©佐藤二朗 永田諒/ヒーローズ
©2026 映画「名無し」製作委員会

