日本・中国・アメリカの才能が結集した映画『ゴースト・オブ・ウエノ』が、2026年8月より公開されることが決定した。監督はワン・チイ、脚本には『スモーク』で知られるウェイン・ワンが参加。主演を務めるのは門脇麦で、竹中直人らが共演する。

本作の舞台は東京・上野公園。ある日、一人の路上生活者が孤独死する。彼は“ゴージョー”と呼ばれていたが、本名も過去も不明。遺されたのは一冊の日記だけだった。ソーシャルワーカーとして働くサツキ(門脇麦)は、ホームレスのトシ(竹中直人)とともに、その日記を手がかりに“ゴージョー”の人生を辿ることになる。
日本では年間8万人以上が行方不明となり、その中には孤独死や身元不明のまま弔われる人々も少なくない。本作は、そうした“失踪”という現実を背景に、人知れず姿を消した人々の人生と、その痕跡を追う者たちの心の揺らぎを描く。サツキは調査を進める中で、ゴージョーが自ら家族との縁を断った過去に辿り着くが、その事実はやがて彼女自身の人生にも大きな影響を及ぼしていく。
物語は、現実と記憶、そして生と死の境界を越え、人と人との見えないつながりを浮かび上がらせていく。都市の再開発の裏で取り残された存在、社会の周縁で生きる人々の視点から現代日本を見つめる本作は、ドキュメンタリーのような質感とフィクションを融合させた独自のアプローチで、“見えなくなった人々”の物語を描き出す。
主人公サツキを演じた門脇麦は、失踪者に“残された側”の孤独と葛藤を繊細に体現。一方、トシ役の竹中直人は、亡き妻の生まれ変わりを信じながら生きるホームレスという複雑な人物像を、温かさと哀しみを交えて表現している。
さらに、本作は国際色豊かな制作体制も特徴だ。監督のワン・チイはベルリン国際映画祭や釜山国際映画祭で評価を受けてきた気鋭の映像作家。ウェイン・ワンとの共同作業により、日本という場所を多角的な視点で捉えた物語が誕生した。社会の“外側”に生きる人々を通して、歴史や記憶、そして人間の存在そのものに問いを投げかける意欲作となっている。
■作品情報
作品名:『ゴースト・オブ・ウエノ』(英題:Ghost of Ueno)
公開:2026年8月 全国順次公開
出演:門脇麦、村松和輝、一本気伸吾、比佐仁、前原実、平野貴大、佐々木史帆、輝有子、愛い姫、フェルナンデス直行、楊心彦、池﨑凜歩、原田文明、竹中直人
監督:ワン・チイ
脚本:リ・ヤン、ワン・チイ、ウェイン・ワン
音楽:松本淳一
配給:NAKACHIKA
制作プロダクション:SS工房
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