少女が“ケーキ”に託した願いとは?心揺さぶる感動作『大統領のケーキ』公開決定

第98回アカデミー賞®国際長編映画部門イラク代表として選出され、第78回カンヌ国際映画祭ではカメラ・ドール(新人監督賞)と監督週間観客賞をW受賞するなど、世界中の映画祭で高い評価を受けた注目作『大統領のケーキ』が、7月10日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開されることが決定した。

本作の舞台は1990年代、独裁政権下のイラク。戦争と深刻な食糧不足に苦しむ人々の生活のなかで、フセイン大統領の誕生日を祝うため、国内の学校に“ケーキ作り”が命じられるという異様な状況が描かれる。

物語の主人公は、祖母と二人で暮らす9歳の少女ラミア。ある日、学校のくじ引きで「大統領のケーキ係」という“名誉ある任務”に選ばれてしまう。もしケーキを用意できなければ、重い罰が待っている――。追い詰められたラミアは、父の形見の時計と“友達”の雄鶏ヒンディを連れ、材料を求めて町を駆け回ることになる。

しかし、祖母は生活苦からラミアを養子に出そうとしており、少女の置かれた状況はさらに厳しさを増していく。逃げ出したラミアは、「自分の手でケーキを完成させれば、祖母と一緒にいられる」と信じ、クラスメイトのサイードとともに奔走。十分なお金も時間もない中、知恵と想像力だけを頼りに奮闘する姿は、観る者の胸を強く打つ。

ケーキ作りという一見ささやかな出来事を通して浮かび上がるのは、過酷な時代を生き抜く人々のたくましさと、失われない希望の輝きだ。ラミアが出会う出来事の数々は、観客に現実の重みと同時に、未来へとつながる小さな光を感じさせる。

本作は、イラク出身のハサン・ハーディ監督による初長編作品で、自身の体験をもとに脚本が書き上げられた。さらに、『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー賞®脚色賞を受賞したエリック・ロスがその才能を見出し、エグゼクティブ・プロデューサーとして参加。実力派スタッフが結集したことでも話題を集めている。

また、出演者には演技未経験者を起用し、リアリティあふれる表現を追求。イラクでのロケーション撮影により、メソポタミア湿地帯やバグダッドの市場など、これまであまり映像化されてこなかった風景も大きな見どころとなっている。

少女の小さな挑戦の中に、時代と社会、そして人間の本質が凝縮された珠玉の物語『大統領のケーキ』。観る者の心に深く残る感動作として注目を集めそうだ。

▼特報

■作品情報
タイトル:大統領のケーキ
公開日:2025年7月10日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:ハサン・ハーディ
出演:バニーン・アハマド・ナーイフ、サッジャード・モハンマド・カーセム、ワヒーダ・サーベト、ラヒーム・アルハジ
プロデューサー:リア・チェン・ベイカー
エグゼクティブ・プロデューサー:エリック・ロス、マリエル・ヘラー
製作年:2025年
製作国:イラク/アメリカ/カタール
上映時間:105分
言語:アラビア語
配給:松竹
レーティング:PG12

ⓒ 2025 TPC Film LLC All Rights Reserved.